あらゆる顧客がアクセスできる世界最大のプラットフォーム–TD SYNNEXのマルホトラ氏
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2021年9月に、ITディトリビューター大手のTech DataとSYNNEXが合併し、TD SYNNEXが発足(日本法人は2022年1月にシネックスジャパンからTD SYNNEXに改称)。両社のビジネスを統合した推定売上高は約570億ドルで世界最大になるという。今回の合併の意義や新体制による日本市場での取り組みなどについて、アジア太平洋・日本地域社長のJaideep Malhotra(ジャイディープ・マルホトラ)氏に話を聞いた。
合併の背景にあるのは、コロナ禍の到来で生じた市場環境の急激な変化がある。新型コロナウイルス感染症対策として企業では在宅勤務などのリモートワークが世界的に導入され、対面主体の取引はオンラインへの切り替えが進んだ。こうしたことはコロナ禍以前にもデジタルトランスフォーメーション(DX)としてある程度進んでいたが、コロナ禍でより加速されることとなった。
合併以前のTech Dataは主にデータセンター領域、SYNNEXは主にエンドポイント領域の商材を得意としていた。上述の課題解決におけるITやデジタルへの期待は以前から大きいものだったが、メーカーやベンダー、販売、システムインテグレーターと彼らの顧客が必要な商品やサービス、ソリューションを探し活用するには、その提供プラットフォームが異なっていると負担が大きい。
Malhotra氏によれば、ビジネスにおいてTech DataとSYNNEXが重複していた領域はほとんどなく統合は極めてスムーズであるという。TD SYNNEXが取り扱う製品やサービス、ソリューションは20万以上に達し、事業展開先も100以上の国・地域に拡大、従業員規模も2万2000人以上となった。
「これまでパートナーや顧客は必要とする製品やサービス、ソリューションを探すのが非常に困難だった。TD SYNNEXとなり、そのギャップが解消された。これまで以上に広く、深いレベルのITとデジタルのソリューションを提供できるようになり、われわれのパートナーと、大企業から個人に至るあらゆる顧客がアクセス可能な世界最大のITのプラットフォームが実現された」と、Malhotra氏は合併の意義を強調する。
また、豊富な製品やサービス、ソリューションを提供するだけなく、それらをパートナーや顧客が活用していくための施策として「センターオブエクセレンス(CoE:Center of Excellence)」や検証環境などの体制の整備も進めているという。
「パートナーや顧客が、DXやデータセンターのモダナイズ、新しい働き方などを実現していくために必要な人工知能(AI)やクラウドコンピューティング、サイバーセキュリティといった次世代のテクノロジーを活用してための体験の機会や環境を提供していく。われわれの強力なエコシステムを通じて、迅速な課題解決を図っていただけるようにしたいと考えている」(Malhotra氏)
Malhotra氏は、同社にとって日本市場が戦略的に極めて重要だと述べる。「日本市場では、DXをはじめデジタル化の機運が社会的にも高まっており、テクノロジーへの関心の高さや投資も活発になっている。われわれのゴールはエコシステムを通じて顧客への提供価値を最大化することであり、日本の顧客が抱える課題を迅速に解決する支援に注力したい。特にDXやデジタル化を推進していく上で人材が充足していないという課題は大きなものだが、この点においても貢献できると考えている」
さらにMalhotra氏は、成長性や将来性においても日本が非常に有望な存在と話す。
「日本が抱える現在の課題を解決し、これからの成長を見据えた新しい取り組みへの投資も旺盛だ。DXの先にある、次の新しい価値を実現していこうとしている。こうしたことにおいてもわれわれのプラットフォームが一助になるだろう。世界のテクノロジー活用の知見を日本に提供するばかりではなく、日本で生まれる新しいテクノロジーの価値を世界に発信し展開していくための役割も担いたいと考えている」