日本MSと立命館、連携協定を締結–産学連携で学生の多様な挑戦を後押し
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日本マイクロソフトは8月3日、立命館と「連携・協力に関する協定書」の締結を発表した。Microsoft Baseを立命館大学内に「Microsoft Base Ritsumeikan」として設置し、DX人材育成やスタートアップ企業の創生支援で連携するとしている。
Microsoft Baseは、「Microsoft Azure」などのマイクロソフト製品やサービスを活用し、顧客のDXを実現する取り組みのこと。日本マイクロソフト 執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子氏は、「当社のクラウドサービスやテクノロジーノウハウを生かして、立命館大学OIC(大阪いばらきキャンパス)のチャレンジを支援する」と担うべき役割を述べた。なお、教育機関へのMicrosoft Base設置は初めてとなる。
立命館は2018年8月に2030年までの学園ビジョン「R2030」を策定し、立命館大学や小中高大院の一貫教育を通じて、創発性人材の育成や輩出を目指している。これまでもスタートアップ企業の創成を支援する「立命館・社会起業家支援プラットフォーム RIMIX」や、グローバルイノベーションコミュニティーと連携した交流プログラム「OIC CONNECT」を実施してきた。今回の連携協定により、ここにMicrosoft Base Ritsumeikanが加わる。
現時点でOICは、文系学部が中心であるが、2024年から情報理工学部と映像学部の移転が予定されており、立命館 常務理事(企画担当)の山下範久氏は「デジタルで加速する挑戦の渦、と銘打って多様な展開を予定している」と述べる。
この連携協定では、単にMicrosoft Baseを学内に設けるだけではなく、いくつかの施策を用意しているという。1つ目のDX人材育成について山下氏は「(情報理工学部と映像学部の移転を)起爆剤にデジタルとクリエイティブの融合で学びを進化させる」と説明した。
Microsoft Base Ritsumeikanは2024年4月から立命館大学OIC新棟1階に開設し、学生や教職員に限らず自治体や企業関係者も利用可能にして、各種イベントや産学連携の実施も予定している。立命館 総合企画室 副室長 三宅雅人氏は「これまで大学内の教育素材や研究成果を社会実装につなげるのは難しかった。(Microsoft Base Ritsumeikanの存在が)スムーズな産学連携や地域社会と多様な接点となる」と期待を寄せた。
2つ目はスタートアップ創成支援。この取り組みも立命館の独自施策を実施してきたが、日本マイクロソフトはスタートアップ企業の支援プログラム「Microsoft for Startups」経由でクラウドサービスやツールの無償提供を行うという。また、三宅氏は「一度失敗したら終わり、失敗を恐れずに何もしない学生ではなく、ある程度安全な環境でチャレンジするOCIは(学園ビジョン「R2030」を実践する)『TRY FIELD』を展開する場に適切である」と評した。
連携における日本マイクロソフトの役割
3つ目の新たな学びの創造については、日本マイクロソフトが「Azure OpenAI Service」などを活用した立命館独自の生成AI「R-AI(仮称)」の開発や、DX人材に必要な知識・技術を習得する学生および社会人向けカリキュラムの開発、メタバースやXR技術を用いた仮想空間コミュニケーションの教育・研究を支援する。
特にR-AIは、Semantic Kernelで学内のデータをAI学習モデルに用いる独自の大規模言語モデル(LLM)を新規開発し、Fine Tuning(ファインチューニング)で教員・事務員用や学生用などの独自データチューニングを施す。2023年8月3日時点でMicrosoft Baseは26拠点を数えるが、今回のMicrosoft Base Ritsumeikanも含めて今後は5拠点の開設を予定している。