AIで業務プロセスの全社最適化を加速–CelonisとSymbioが統合戦略を説明

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 Celonisは2月19日、2023年11月に買収したドイツのSymbioとの連携によって実現する「データドリブンなビジネスプロセスマネジメント(BPM)」に関するウェビナーを開催した。来日したSymbio CEO(最高経営責任者)兼共同創業者のOliver Zeller(オリバー・ゼラー)氏が参加し、同氏は「SymbioがCelonisに統合されたことで、プロセス全体をモデル化できるようになる。容易にパフォーマンスのチェックが可能になり、正しいもの、正しくないもの、うまく行っていないプロセスも明確化できる。将来のプロセスを自ら構築し、最適化することができる」などと述べた。

 Symbioは、AI駆動型ビジネスプロセス管理ソフトウェアのプロバイダーで、業務プロセス全体を管理するとともに、成熟度を計測し、改善につなげることができるのが特徴だとする。顧客事例として鉄道事業のドイツのDB Netzeでは、5万6000人の社員がSymbioを活用し、問題が発生した際には、ガイドラインを活用して、迅速に課題を解決できるようにしたり、課題を元にどんな変更が必要なのかを検知したりできるようにしている。自動車部品メーカーのMAHLEでは、Symbioプラットフォームで「SAP S/4 HANA」の変革プロセスを設計し、これを本格展開。医療機器のKARL STORZでは。エンドツーエンドのプロセスにSymbioを利用し、品質維持や信用管理に活用しているという。

 Zeller氏は、「プロセスやIT、要件、トレーニング、KPI(重要業績指標)などを一元管理し、システム変革やプロセス変革を支援するほか、ドキュメントの自動作成、品質マネジメント、コンプライアンスに準拠した新たな働き方などのあらゆるユースケースを、1つのプラットフォームで提供できるのがSymbioの特徴」と語る。

 Symbioは、「Process Designer」により、Microsoftの「Azure Open AI」を活用しながら迅速にビジネスプロセスを作成できるとする。例えば、入庫プロセスを作成する際も、参照可能なリファレンスモデルを活用して、シンプルな操作で生成AIと対話をしながら、入庫・検査・在庫更新までのプロセスを自動的に作成する。プロセスや機能の追加なども簡単に行えるという。また、作成したプロセスは、「Process Navigator」を通じて、全従業員が利用できる。さらに、「Process Cockpit」の強化版を開発しており、ベータ版を提供。マネージャーと従業員は、パフォーマンスと導入状況をリアルタイムに監視しながら、完全にガイドされたシステムの活用とともに、プロセスの変革プログラムを推進できるようになるという。

 Symbioでは、「SAP Solution Manager」との統合や「Microsoft Teams」への組み込みのほか、複数のBI(ビジネス分析)ツールにも対応。今後は「Copilot for Microsoft 365」との連携も計画している。

 今回のCelonisによる統合によって、Celonisのプロセスマイニングプラットフォーム「Process Intelligence Graph」を活用しながら、Symbioが提供するBPM機能を統合していく。Celonisを用いた分析、強化、監視およびAPIによる自動化のサイクルに対し、各プロセスデータに補足情報を追加して、ビジネスプロセスの実態の理解をより容易にすることができる。

 Celonis ソリューションエンジニアリング マネージャーの寺田有汰氏は、「ITプラットフォームとして戦略的な統合を進めており、BPM管理者にとっては、リアルタイムデータを活用することで、さらなる可視化が行え、プロセス評価および管理を進めることができる。エグゼクティブにとっても、必要な粒度の情報を有効な形でまとめて表示することができる」とした。

 またZeller氏は、「『Process Intelligence Graph』に取り込んだデータを基にした洞察を、Symbioによって可視化した企業および組織のレスポンスビリティー、アカウンタビリティー、リスクなどに反映させることができる」とし、「(Celonisとの)統合により、市場で唯一となる、標準化されたオブジェクトセントリックBPMを実現することができた。プロセスインテリジェンスを社員全体が使えるようになり、企業全体に行き渡らせることができる。これによって生産性が高まり、コンプライアンスを確保でき、エグゼクティブにとって意味のあるKPIを確認できる」などと述べた。

 Celonisによると、Celonisのリアルタイムデータをベースにしたプロセスインサイトと、Symbioが収集したデータを組み合わせて、統一したエクスペリエンスを提供する。これにより組織は、コアプロセスのKPIとインサイトが、顧客のプロセスモデルとガイドラインに統合され、組織内の全てのユーザーは、コンプライアンスを順守した形で、インテリジェントなプロセスを実行できるようになるという。その結果、組織はリアルタイムなパフォーマンス指標と、モニタリングに沿ったプロセスのベストプラクティスを実践することができ、統一されたエンドツーエンドのプロセス体験を、マネージャーと従業員に提供できるとしている。

 Zeller氏は、「プロセスマイニングやプロセスインテリジェンスは、業務プロセスの課題抽出とともに実行管理が重視され、さらに改善機会の特定と業界改善を実行するプラットフォームとしての役割へと進化している。CelonisとSymbioの統合によって、全ての社員がこのプラットフォームを活用し、日常業務としてプロセス改善に取り組めるようになる」と述べた。

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