資生堂、販売・顧客分析システム基盤をクラウド移行–運用コストを約20%削減、夜間バッチを約90%高速化
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化粧品メーカー大手の資生堂は、自社の販売・顧客分析システム基盤「B-NASS+」を「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に移行させ、クラウド環境での再構築を完了させた。日本オラクルが2月4日に発表した。
B-NASS+は、国内外の販売管理や顧客・購買管理の情報を市場動向と組み合わせて包括的に分析する全社システム基盤になる。2016年から運用が開始され、約5000人が利用している。数千ある店頭の販売時点情報管理システム(POS)からデータを収集・分析し、営業やマーケティング担当者がより詳細な提案を行えるよう、取引先ごとのデータを一覧できるモニタリング機能や商談用の提案書テンプレート、詳細な顧客分析機能を備えている。
旧システムはオンプレミスの「Oracle Database」「Oracle Business Intelligence」、汎用サーバーやストレージで構築されていた。新システムは「Oracle Exadata Database Service」と「Oracle Analytics Cloud」を利用してOCIに移行した。これにより、データの増加や多様な分析ニーズに対応しつつ、性能と安定性を向上させ、コストを削減し、データドリブンな営業とマーケティング活動を可能にしている。
OCIに移行後、高い柔軟性と拡張性を確保しつつ、5年間の総所有コスト(TCO)を最適化し、運用コストを約20%削減した。さらに、Oracle Exadata Database Serviceの導入により、夜間バッチ処理が約90%高速化し、画面レスポンスも改善され、処理性能が大幅に向上した。また、Oracle Analytics Cloudを活用することで、従来のインターフェースをクラウド環境でもそのまま利用でき、新たなセルフサービス型のビジネスインテリジェンス(BI)環境も展開された。さまざまなデータを高い自由度で分析できるようになり、データ分析の利便性が向上した。
システム基盤の刷新プロジェクトは、同社グループのデジタル・IT戦略機能会社である資生堂インタラクティブビューティーが担当した。日本オラクルのコンサルティング部門の支援のもとで進められ、検証、環境構築、移行が行われた。2022年4月に設計を開始し、本番環境の構築、データベース基盤の移行、分析プラットフォームの構築、検証などの工程を経て、2023年6月にOCI上での運用を開始している。
資生堂インタラクティブビューティーは、新基盤へのデータ集約をさらに進め、AIと機械学習の組み合わせやセルフサービスBIを実現する予定だ。これにより、利用者がより容易にインサイトを取得し、リアルタイムでデータを活用できる営業活動へと進化させる方針という。