TSMC、米国に計1650億ドルを投資–チップ業界への影響とは
今回は「TSMC、米国に計1650億ドルを投資–チップ業界への影響とは」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
米国時間3月3日に米ホワイトハウスで行われた記者会見で、Donald Trump米大統領と台湾積体電路製造(TSMC)は、今後数年間で1000億ドルを米国のチップ工場に投資すると発表した。同社は既に650億ドルの投資を約束している。
TSMCは4日付のプレスリリースで、合計1650億ドルの投資を「米国史上で最大かつ単一の海外直接投資」と位置付けた。
この投資は「先端技術」に重点が置かれると予想される。これまで台湾工場で対応してきたAI用チップも含まれる可能性がある。TSMCは、NVIDIAの「Hopper」や「Blackwell」のチップ製造など、世界中のほぼ全てのチップメーカーと取引がある。
Bloombergの報道によると、Trump大統領は今回の動きについて「世界で最も強力なAIチップが米国で製造されることになる」と述べた。
TSMCは「この拡大を通じて、AIやその他の最先端アプリケーション向けに数千億ドル規模の半導体価値を創出することを期待している」と述べた。また、「TSMCの追加投資は、今後4年間で4万人の建設雇用を支援し、高度なチップ製造と研究開発において数万人の高収入のハイテク雇用を創出すると予想される」と付け加えた。
TSMCは既にアリゾナ州フェニックスに工場を持ち、2024年にチップの生産を開始している。1100エーカー(約4.45平方km)の敷地に3000人以上の従業員を雇用しているという。同社は、さらに3つの米国工場と1つの研究開発センターを新設する計画だ。
この発表とは対照的に、チップメーカーのIntelは長年売上高の減少と市場シェアの喪失に苦しんでおり、米国にある自社工場の顧客を模索している状況だ。
Reutersは3日、情報筋の話として、NVIDIAとBroadcomがIntelの工場でチップ製造をテストしていると報じた。
記事によると、このテストは両社が「Intelに数億ドル規模の製造契約を結ぶかどうかを決定する段階に近づいている」ことを示唆しているという。また、Advanced Micro Devices(AMD)もIntelの工場を利用することを検討しているとされているが、同社がテストを実施したかどうかは明らかにされていない。
しかし、Intelの取引は、同社の製造プロセスの継続的な遅延によって影響を受ける可能性がある。同社の製造プロセスはTSMCに遅れをとっている。Reutersは、Intelの最先端の18Aプロセスがさらに6カ月の遅延に見舞われたと指摘している。
ReutersのMax Cherney氏とFanny Potkin氏は、18Aプロセスが「予想よりも時間がかかっている」と書いており、結果として「潜在的な顧客の多くは少なくとも2026年半ばまで18Aでチップを製造することができないだろう」と指摘している。
Intelが苦戦する一方で、TSMCはIntelの米国工場の一部を吸収することについてTrump政権と協議したと、複数の報道機関が報じている。 また、BroadcomもIntelのチップ設計資産の一部を購入することを検討していると伝えられている。