セールスフォース、「Agentforce 2dx」を発表–バックグラウンドで動くAIエージェントをサポート

今回は「セールスフォース、「Agentforce 2dx」を発表–バックグラウンドで動くAIエージェントをサポート」についてご紹介します。

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 Salesforceは米国時間3月5日、サンフランシスコで開発者向けイベント「TrailbrazerDX(TDX) 2025」を開催した。会期中は、最新のAIエージェントプラットフォーム「Agentforce 2dx」とAIエージェントのマーケットプレイス「AgentExchage」を発表するなど、2024年秋に発表(関連記事)したAIエージェント戦略を一歩進めた。

 ITベンダー各社がAIエージェント戦略を進める中、2024年秋の年次イベント「Dreamforce 2024」で「Agentforce」を発表したSalesforceは、急ピッチで新機能をリリースし、リードを図っている。Agentforceは、2024年12月にAgentforce 2.0にアップデートされ、そして今回の2dxとなる。

 Salesforceは、Agentforceを「デジタル労働力を生み出すプラットフォーム」と位置付ける。ステージに立ったプロダクト&インダストリーマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)のPatrick Stokes氏は、主要な国々で人口成長が鈍化しつつあると指摘し、経済成長のためにAIエージェントが必要だと述べた。

 「成長に必要なのは、人口、土地、インフラ。これまで唯一スケールできなかった人口が、(AIエージェントにより)やっとスケールできる」とStokes氏。AIエージェントは人のキャパシティーをスケールできる技術であり、「デジタル労働力の革命を生み出す」とした。Salesforceが強調するのは、人とAIエージェントの協調関係だ。「人がスマートでインテリジェントなAIエージェントとペアを組む」とStokes氏は述べる。

 同社のAI戦略の特徴はオープンだ。Stokes氏は、「大規模言語モデル(LLM)だけでは不十分。効果的に活用するためには、データ、アプリケーション、AIエージェントの『三位一体』が必要」と説明する。データは、企業のデータだけでなく構造化・非構造化データを対象とし、AIエージェントは、データやAPI経由でアプリに接続し、推論(reasoning)能力を持つ。あらゆるLLMを利用でき、DatabricksやSnowflakeなどのクラウドにあるデータを“ゼロコピー”で利用できる「Data Cloud」を備える。

 共同創業者で最高経営責任者(CEO)のMarc Benioff氏は、Dreamforceで2025年末までに10億件のAIエージェント誕生を目指すと発表した。だが、既に導入は進んでいる。基調講演では、ホームセキュリティのVivintがカスタマーサービスに導入していることが紹介された。資産管理のRBC、電子インクのreMarkableもAgentforceを使って、カスタマーサービスのAIエージェントを導入しているという。

 Stokes氏は、AIエージェントの活用ステップとして、(1)質問に回答、(2)アクションを実行、(3)能動的にアクションを起こす――と3つの段階を示す。そのために必要なこととして、データ側では「分断されたデータシステムから統合されたシステムに移行する必要がある」という。組織側でも、「ワークフローが硬直している従来型の組織から脱却し、推論して学習するシステム、エージェント型のロジック、非決定論的なシステムへと移行する必要がある」とStokes氏は述べる。

 このような“Agentforce企業”を推進するのが、「Agentbralzer」だ。Salesforceは、自社の開発者を「Trailbrazer」と称するが、Agentbralzerは、Agentforceを使ってAIエージェントを開発する人を指す。同日には、Agentforceと「Data Cloud」に無料でアクセス(諸条件付き)できる「Agentforce Developer Edition」を発表。45日に1回ログインすれば、ずっと使い続けることができるという。

 Salesforceは同日、Agentblazer向けコミュニテイーも立ち上げた。Stokes氏は、「2025年末までに100万人を目指す」と述べ、今後はAgentblazerの育成にフォーカスする方針を明らかにした。

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