HPE、次世代サーバーのラインアップを解説–セキュリティや電力効率強化
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日本ヒューレット・パッカードは、IAサーバー「HPE ProLiant Compute Gen12」に関するプレス向け説明会を開催した。ProLiantは合併前のCompaqが1993年に初代製品を発売した歴史のあるブランド。最新世代となるGen12は、まず「AI最適化」モデルとしてGPU搭載サーバー「HPE ProLiant Compute DL384 Gen12」が2024年夏、「HPE ProLiant Compute DL380a Gen12」が2024年晩秋にそれぞれ発表され、既に発売されている(図1)。
次いで、ラインアップの中核となる汎用(はんよう)的なラックマウントサーバー群として「TCO/電力最適化」「高集約最適化」「SMB/エッジ最適化」の各モデルが米国で2025年2月に発表され、3月に国内販売が開始された。さらに、2025年夏には「ブレード最適化」「ビッグデータ最適化」モデルが追加発売される予定となっている。
概要を説明した執行役員 デジタルセールス・コンピュート事業統括本部長の加藤知子氏はProLiantの歴史について「PCの技術をサーバー化」「管理プロセッサーやハードウェアRAIDの標準搭載」「Silicon Root of Trustの実装」など、業界初とされる取り組みを多々行ってきたと振り返り、「ProLiantは多様化する市場やお客さまのニーズ、そして複雑化するIT環境の変化に合わせて開発/進化してきた」と語った。
その上で、同氏はGen12の3つの特徴として「安心:一歩先行くセキュリティ」「最適化:一歩先行く性能・電力効率」「自動化:一歩先行くAI主導の運用管理」を挙げた。
デジタルセールス・コンピュート事業統括本部 コンピュート製品本部 本部長の林亜樹子氏は、詳細を説明した。
セキュリティでは、運用管理プロセッサー「HPE iLO 7」に新たに組み込まれた専用セキュリティプロセッサー「Secure Enclave」(セキュアエンクレーブ)が紹介された。Secure Enclaveは「独立したセキュリティプロセッサーとして、暗号機、パスワード、セキュリティ構成、ファームウェアなどの保管庫として機能し、改ざんや攻撃からシステムを守る新たな防御層として機能する」という。Secure Enclaveが組み込まれたiLO 7を搭載するProLiantサーバー製品はFIPS 140-3 Level3認証の要件を満たしており、「耐量子暗号対応サーバー」と位置付けられている。
性能・電力効率では、2017年に発売された二世代前に当たるGen10との比較では7:1の集約が可能だといい、この集約を実施することで電力コストの65%削減が可能だと紹介された。AI関連などの高負荷のワークロードが増大している現状を受け、Gen12では同社がHPC分野で長年にわたって豊富な実績を積み上げてきた液冷技術(Direct Liquid Cooling:DLC)が利用可能となっており、「全ての1ソケット/2ソケットのIntelベースのGen12ラックサーバーでDLCをサポート」していることから、必要に応じて空冷か液冷か選択可能となっている。いよいよデータセンターの水冷シフトが加速していくことになりそうだ。
自動化では、クラウドベースの管理ツール「HPE Compute Ops Management」(COM)がAIによって強化された。サーバーの使用率や電力状況の情報を収集し、将来のエネルギーコストや二酸化炭素(CO2)排出量をAIで予測することでサステナビリティー目標や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できるという。