ネットアップ、2025年の市場動向を予測–技術はどのように進化するか
今回は「ネットアップ、2025年の市場動向を予測–技術はどのように進化するか」についてご紹介します。
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ネットアップは4月3日、同社内でのディスカッションの結果として2025年の市場動向の予測をとりまとめたものを対外向けに発信する場を設けた。
こうした取り組みを行った背景について、チーフ テクノロジー エヴァンジェリストの神原豊彦氏は「NetAppなどシリコンバレーの会社のユニークな文化として、年度の切り替わりなどのタイミングで『今年はこんな年になるだろう』といったことを皆が勝手に予測を言い合うような文化があり、その中で新たな技術のイノベーションや方向性が見いだされていく」と紹介した。
社内での市場新式/課題認識を外部に向けて発信することで、多くの企業が新年度を迎えた4月というタイミングで国内ユーザー企業の何らかの参考になればという趣旨だと説明した。
米NetAppのChief Technology EvangelistのMatt Watts(マット・ワッツ)氏がまとめた「2025年の予測」では、「標準化の進展」「セキュリティas-a-Service分野の躍進」「“AIのリアリティー”に関する認識の変化」「非常に多くの国で“ITインフラ”の重要性が高まる」「“データの無駄”に対処する重要性が高まる」「クラウドの持続可能性に関する説明責任が高まる」という6項目が挙げられたという。
「標準化の進展」は、企業のIT環境の複雑化/多様化が進展する中で、コストや複雑性、セキュリティ、リスクに対応するためにサービスレイヤーの標準化が求められるという予測だ。仮想化されている/されていないシステム、コンテナー化されたアプリケーションなどがオンプレミス環境内でも混在し、構成の多様化が進むと考えられるためだ。
「セキュリティas-a-Service分野の躍進」は、増大するサイバー攻撃への対処策として、いわゆる「レジリエンス」を重視する企業が増えるという予測に基づく。サイバー攻撃を広い意味での「災害」と捉え、そこから迅速に対応するためのディザスターリカバリー(DR)への投資が増加する一方、技術的難易度の高いDRシステムの導入ではなく、サービス水準合意(SLA)に基づくアウトソーシングサービスを利用する形で導入する例が増えるだろう。
「“AIのリアリティー”に関する認識の変化」は、一時のAIの熱狂的なブームが落ち着くだろうという当然の予測となる。期待ほどの成果が出ていないといった声が大きくなり、企業は現実的な時間内に得られる成果を厳しくチェックするようになっていく。ただし、こうした「幻滅期」はクラウドの普及初期にもあったことなので、今後も地に足のついた努力を続ける企業が最終的な成功を収めることになるだろう。
「非常に多くの国で“ITインフラ”の重要性が高まる」というのもAIに対するニーズの急拡大を踏まえたものだ。多くの国で、AIプロジェクトが要求する規模での電力量や冷却能力が欠乏していることが明らかになりつつあり、このことによってAIが現実的に何をもたらすのかをより厳密に判断しようという流れにつながると考えられる。
「“データの無駄”に対処する重要性が高まる」もAI関連のトレンドだ。「より多くのデータを学習させることでAIがより賢くなっていく」という想定から、より多くのデータを保持するためにストレージ容量の増加が再び始まると予想される。同時に、多くのデータは一度使われたらそれで終わりというものなので、そうしたデータを大量に保持し続けることの無駄を解消するための取り組みが始まるだろう。
「クラウドの持続可能性に関する説明責任が高まる」は、特に大規模なパブリッククラウド事業者に対してサステナビリティーや環境インパクトに関して、これまで以上の透明性や説明責任を求めることになると予想される。