グーグル、AI活用した統合セキュリティ基盤「Google Unified Security」を発表
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
セキュリティ専門家の多くは、組織をサイバー脅威から守るために、多種多様なプログラム、サービス、プロダクトを同時に管理する必要がある。しかし、このような場当たり的な対応は、彼らの業務をいたずらに煩雑にする。そこで、Googleは高まるサイバーセキュリティのニーズに応えるために、関連ツールを一つにまとめ、より使いやすくする新しいプラットフォームを導入した。
米国時間4月9~11日に米国ラスベガスで開催の「Google Cloud Next 2025」で発表された「Google Unified Security」は、さまざまなセキュリティ関連の製品を一つにまとめたものになる。AIが組み込まれ、脅威に関する情報収集、セキュリティ対策の実行、クラウド環境のセキュリティ確保、「Chromeエンタープライズブラウジング」、Google傘下のセキュリティ専門企業Mandiantのノウハウを統合している。
Google Unified Securityは一般提供を開始している。ネットワーク、エンドポイント、クラウド、アプリケーション全体にわたる可視性と検出、レスポンス能力を提供する。セキュリティ専門家は、「Google Threat Intelligence」を介して最新のサイバー脅威に関する情報を迅速に入手できる。
Googleは9日付のブログ投稿で、「企業のインフラは規模も複雑さも増し続けており、アタックサーフェス(攻撃範囲)が広がり、セキュリティ担当者の負担がますます大きくなっている」と述べている。
「個別に提供され、連係していないセキュリティツールは、関連性の低い断片的なデータしか提供できず、組織を脆弱(ぜいじゃく)な状態にし、脅威が深刻化した場合に対応が遅れてしまう。セキュリティチームは部門ごとに分断された状態で作業し、手間のかかる作業に時間を取られ、組織全体のリスクを正確に評価し、改善することが難しくなっている」
Google Unified Securityは、組織が損害や経済的損失を受ける前に、脅威に事前に対処できるようにすることを目標としており、次のセキュリティ機能を提供する。
AIエージェントは、同社の「Gemini」ツールを通じて、Google Unified Securityの重要な要素となる。
Google Threat Intelligence向けのマルウェア分析エージェントが、第2四半期にプレビュー版として提供される予定である。このエージェントは、悪意のあるコードをスキャンし、調査結果を要約して推奨事項を示すことができる。
Google Security Operations向けには、アラートトリアージエージェントが、第2四半期にプレビュー版として提供される予定である。受信する個々のセキュリティアラートをチェックし、関連情報を集約して分析結果を示す。1日に数百件ものアラートをトリアージ、調査しているティア1およびティア2専門家の手作業の負荷を軽減する。
同社は「エージェンティックAIは、セキュリティ運用の実施方法に根本的な変化をもたらす。Google Cloudの将来的ビジョンは、インテリジェントエージェントが人間のアナリストと連携することで日常的なタスクの負荷を軽減し、意思決定を補強して、人間が複雑な問題に集中できるようにすることだ」と述べる。
セキュリティ製品とサービスの統合だけでなく、個々のツールの強化も進められている。
Google Security Operationsには、利用拡大、コスト削減、コンプライアンス要件への対応を目的とした新しい管理機能が追加される。これにより、受信したセキュリティデータをフィルタリングし、組織全体で共有し、コンプライアンス上の理由から機密データを削除することが可能になる。
また、Mandiantの新しい脅威防御サービス「Mandiant Threat Defense」がGoogle Security Operationsに追加される。このサービスでは、Mandiantの専門家が企業のセキュリティチームと協力し、脅威の特定と対処、セキュリティインシデントの調査、対応計画の策定を支援する。
さらに、GoogleはBeazleyおよびChubbを新たなパートナーに加え、サイバー保険の選択肢を拡大する。このプログラムではAI保険が提供され、Chubbは量子コンピューティング攻撃に起因するあらゆるリスクについてGoogle Cloudの顧客を補償する。