米国の10年を日本は3~4年で–Snowflake APJトップが語る日本市場の潜在性
今回は「米国の10年を日本は3~4年で–Snowflake APJトップが語る日本市場の潜在性」についてご紹介します。
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データクラウドを提供するSnowflakeが6月に米国ラスベガスで開催した「Snowflake Summit 2023」は、約1万2000人が世界中から集まるなど、同社最大のリアルイベントとなった。そこには日本の顧客やパートナーも多く見られた。「APJ(アジア太平洋および日本)の中でも、特に日本は成長している」と語るのは、APJ地域の担当プレジデントで会長執行役員を務めるJon Robertson氏。日本市場での同社の勢いについて現地で聞いた。
–SnowflakeのAPJトップとして日本から地域を統括しています。シンガポールに置くことが多いポジションですが、なぜ日本なのでしょうか?
APJ全体の人員規模は現在500人程度で、そのうちの3分の1を日本、もう3分の1をオーストラリアが占め、シンガポールとインドはそれぞれ50~60人となっています。
この話(APJ地域の統括)を受けた時に、条件の1つとしてAPJの本社をシンガポールにせず、分散させることをお願いしました。その理由は(各社がやっているその仕組みが)成功しているとは言えないから。私はフィールド(現場)の人間なので、各国でのフィールドのサポートを重視しています。
現在、財務の統括はシンガポール在住の日本人、技術の統括はオーストラリア在住の米国人といった形で分散させています。Snowflakeでは、各国のトップが営業本部長ではなくカントリーマネージャーというスタイルをとっています。
–Snoflakeの日本法人が立ち上がったのは創業から7年後の2019年でした。日本進出からこれまでをどう見ていますか?
現在もカントリーマネージャーを務める東條さん(東條英俊氏)が日本法人の最初の社員で、チームの人数は数年で1000%規模で増えています。
前職のVMwareでは(日本法人が)10人から1000人になるのに10年を要したので、Snowflakeはそれを上回るペースです。社風は外資系企業と日本企業を混ぜたような雰囲気で、米国の頭脳と日本の心のような、良いところをミックスしたチームを作っています。
顧客数は世界で8000社以上、APJ地域は1000社以上です。日本では四半期ごとに50~60社のペースで新規顧客が増えており、世界的に見ても成長市場となっています。
売り上げの60%程度がパートナー経由であり、NTTデータ、富士通、日立ソリューションズといった大手システムインテグレーター(SIer)だけでなく、ジールなどさまざまなパートナーがSnowflakeを手掛けています。残る40%は直接販売(直販)です。
大企業の場合、まずは小規模の概念実証(PoC)をやってみてうまくいけば拡大していくというケースがほとんどです。例えば、「Amazon Redshift」の代替として利用するところが入口となり、そこから「Teradata」や「Cloudera」「IBM Db2」などにマイグレーションの対象を広げていくという具合です。このような場合は、NTTデータのようなSIerが重要な役割を担ってます。
一方で、スタートアップなどはレガシーシステムが存在しないので、SIerを経由せずにSnowflakeを導入します。
米国では直販モデルが基本でしたが、最近になってAccentureやDeloitteなどのグローバルSIerと組むようになりました。日本では初めからSIerと組んでいるため、大きなワークロードの移行は日本の方が早く起きる可能性があります。米国で10年かかったことを、日本では3~4年でできると期待しています。