AWS、公共領域への生成AIイニシアチブを発表–2年間で5000万ドルを投資
今回は「AWS、公共領域への生成AIイニシアチブを発表–2年間で5000万ドルを投資」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Amazon Web Services(AWS)は現地時間6月26日から2日間、年次イベント「AWS Summit Washington DC」を米国ワシントンD.C.で開催した。14回目となる同イベントでは、公共領域のユーザーに向けて、クラウドや生成AI活用の取り組み事例、最新情報を提供する。
初日に行われた基調講演では、AWS Worldwide Public Sector担当 バイスプレジデントのDave Levy(デイブ・レヴィ)氏が登壇し、公共領域におけるAWS活用事例や最新情報を発表した。
AWSが提供する生成AIを利用する企業・組織は幅広く、フェアトレードや地雷探索、介護、農業と多岐にわたる。Levy氏は、「われわれのインフラストラクチャーは、オンプレミスに比べて、最大で4.1倍の生産性向上が見込める」という。
同社は、連邦政府向けのクラウドサービスを提供しており、米国連邦政府の独自の要件やミッションをサポートしている。同氏は「米国の連邦政府機関の中には積極的に生成AIを導入しているところもある」と話す。例えば、米国の食品医薬品局(FDA)の機器・放射線センターでは、年間200万件以上の医療機器に関する報告を受けている。FDAは、複数のAWSサービスやパートナーソリューションを利用し、自然言語処理を使ったソリューションを作成して文書処理や審査プロセスをサポートしているという。
ほかにも、厳格な規制が敷かれる欧州の公共領域などに向けて「AWS European Sovereign Cloud」を用意し、AWSのインフラストラクチャー上で、機密データの保存やワークロードの実行ができる体制を整えている。
基調講演では、公共領域向けに「AWS Public Sector Generative Artificial Intelligence(AI) Impact Initiative」が発表された。公共領域および関連する組織に対して、2年間で5000万ドルの投資を行うという。このイニシアチブは、政府や非営利団体、教育、ヘルスケア、航空宇宙の生成AIによるイノベーションを加速することが目的だ。
具体的には、「Amazon Bedrock」「Amazon Q」「Amazon SageMaker」「AWS Trainium」など、AWSが提供する生成AIサービスやインフラストラクチャーを利用し、公共領域の組織および、それらの技術を直接支援する組織に対して、重要なミッションを支援するためのイノベーションを加速させる。
このイニシアチブの一環として、AWSは最大5000万ドルのプロモーションクレジットやトレーニング、技術的な専門知識を提供するという。クレジットの発行は、顧客の新技術ソリューションの開発経験やプロジェクトアイデアの成熟度、生成AIスキルの幅広さなど、さまざまな要因に基づいて行われる。
このグローバルイニシアチブは、米国時間2024年6月26日から2026年6月30日まで募集している。参加することで、幾つかの特典とリソースを得られる。例えば、各組織に最適化した市場投入の目標や、ビジネスに役立つトレーニング、生成AIソリューションを安全に考案、検証、実装するなど。また、生成AI活用に向けた技術サポートなどを受けることができるという。
また、小児医療や希少な疾病に関する研究に向けて合計1000万ドルを提供すると発表した。 AWS IMAGINE助成金の「Childern’s Health Innovation Award」を通して、小児科研究の加速化や母子保健の促進、小児科医療従事者と介護者の能力向上を目的とするプロジェクトに700万ドルを提供する。
残りの300万ドルは、小児および子どものための使命主導のイノベーターである「Children’s National Hospital」「Nationwide Children’s Hospital」「Children’s Brain Tumor Network」の3つの非営利団体に、100万ずつ寄付するとしている。
(取材協力:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)