日本はAIの影響を受けやすく対応力も高い「バランス型挑戦者」–BCGが分析
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ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、AI成熟度に関する最新調査レポートを発表した。
これによると、AIへの対応力が高い国は米国、カナダ、中国、シンガポール、英国だった。また、多くの国でAIによる破壊的変革への備えが不十分だという。調査対象となった国・地域の70%以上が、エコシステムへの参画や人材、研究開発(R&D)といった重要な項目において、中央値を下回る評価にとどまった。
さらにAIの影響を受けやすい産業として情報通信、ハイテク製品、小売・卸売、金融サービス、公共サービス、自動車製造が挙げられている。これらの産業が国内総生産(GDP)に占める割合の高い国・地域は、AIが引き起こす破壊的な影響を受けやすいと考えられるという。ルクセンブルク(金融サービスがGDPの約30%)、香港(金融サービスが22%)、シンガポール(小売・卸売業が16%、金融サービスが14%)が該当する。
AI成熟度に基づく6つのタイプ分類において、「AIパイオニア」は米国、中国などAI導入の先駆的国家とされる。また、日本やドイツなどAIの影響を受けやすいが対応力も高い「バランス型挑戦者」、インドやサウジアラビアなどの工業・資源依存型でAIの影響を受けにくい「成長型挑戦者」といったタイプもある。さらに、「脆弱(ぜいじゃく)な実践者」はマルタ、キプロスなどAIの影響を受けやすく対応力が低いとされるタイプの国で、「段階的実践者」にはAIを緩やかに導入している中所得国だという。そして、「AI新興国」はAI導入の初期段階にある国だ。
この調査は、世界73の国・地域を対象に実施された。指標はBCG独自の「AI成熟度指標」を用いている。評価軸は、AIによる影響の大きさ(雇用、生産性など)やAI対応力(リスク対処、経済成長促進)などを用いた。
AIによる変化の影響を受けにくい建設、農業、家具製造などが多い国・地域は、破壊的影響が比較的小さいと考えられるという。インドネシア(農業が13%、建設業が11%)、インド(農業が17%、建設業が8%)、エチオピア(農業が36%)などが該当する。
日本のGDPは、AIの影響を特に受けやすい情報通信・ハイテク産業が合計7%、さらに小売・卸売(13%)、公共サービス(17%)、ビジネスサービス(20%)といった産業で構成されており、AIによる影響の大きさが中~大程度と評価した。そのほかの日本の特徴としては、スキルと政策・規制の項目では高い評価を受けつつも、AIの社会実装の促進と人材育成が喫緊の課題だとしている。