DX人材をどう確保・育成するか–東京都の取り組みから探ってみた
今回は「DX人材をどう確保・育成するか–東京都の取り組みから探ってみた」についてご紹介します。
関連ワード (松岡功の一言もの申す、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
多くの企業や組織が頭を悩ませているデジタルトランスフォーメーション(DX)人材の確保・育成について、東京都が先頃、自らの取り組みの方針を公開した。興味深い内容なので、そのエッセンスを取り上げて考察したい。
東京都デジタルサービス局が先頃公開した「東京都デジタル人材確保・育成基本方針」は、QOS(サービス品質)の高いデジタルサービスの実現に向けて、DX人材の確保・育成の取り組みにおける基本的な考え方や今後の方向性を策定したものだ。
46ページのPDFデータからなる資料の内容を見ると、この問題で頭を悩ませている多くの企業や組織にとっても参考になると感じたので、本稿ではそのエッセンスとして資料から図を5つピックアップして考察したい。
まず、図1は今回の基本方針のエグゼクティブサマリーである。方針策定の基本認識では「ひと」に焦点を当て、「デジタルサービスの利用者からは直接見えない水面下で、デジタル人材に係わる確保・育成の取り組みの充実が必要」との問題意識を掲げているのが印象的だ。
また、組織が求めるデジタル人材像では3つの人材が記されている。この中では「ICT職」が中心になるとみられるが、「リスキリング人材」の存在も注目だ。なぜならば、多くの職員がここに当てはまる形になるとみられるからだ。
図2は、図1の下段に記されている「人材の確保・育成に向けた具体的な取り組み」の全体像を示したものだ。この図で目立つのは、中央に記されている「デジタルスキルマップ」である。これは、DX人材のデジタルスキルとそのレベルを可視化するもので、いわば評価基準となるものだ。
このデジタルスキルマップを導入した狙いとしては、スキルの可視化に加えて、人材育成では研修メニューなど強化すべきポイントの把握に活用する一方、人材確保ではどんなスキルを保有した人材を登用するかなど、採用方針にも活用していくことが挙げられる。
デジタルスキルマップの中身については、さまざまな分野の業務を遂行する上で必要となるデジタル関連の能力を22個の「スキル項目」として設定。さらに、スキル項目ごとに「指導者レベル」「自立レベル」「要指導レベル」「未実施」といった4段階のレベルを設定している。
また、ICT職に期待される役割として、10種類のジョブタイプを設定。ジョブタイプごとに備えるべきスキル項目およびレベルを定義し、達成度を可視化する。図3がその内容である。