大阪大学レーザー研究所、核融合に不可欠な固体トリチウムの新しい物性値を60年ぶりに解明

今回は「大阪大学レーザー研究所、核融合に不可欠な固体トリチウムの新しい物性値を60年ぶりに解明」についてご紹介します。

関連ワード (大阪大学、混合体、重水等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


大阪大学レーザー研究所(山ノ井航平助教ら研究グループ)は2月14日、固体状態の重水素トリチウム(D-T)混合体の屈折率の測定に、世界で初めて成功したと発表した。核融合発電の注入燃料として利用される予定の重水素とトリチウムの混合体だが、トリチウムが放射性物質であることから取り扱いが難しく、その物性値は60年にわたり測定されてこなかった。

固体の重水素とトリチウムの混合体は、効率的な核融合発電を行うためには、その形状と組成のコントロールが必要になる。光を用いて分析を行えば、形状と組成を一度に知ることができるのだが、もっとも基礎的なデータである屈折率の測定が困難だった。そのため、軽水素などの値から推測された経験式から得られるデータで代用するしかなかった。

レーザー研究所では、約4テラベクレル(TBq)のトリチウムと重水を1対1の割合で混合し、密封セル内でマイナス255度以下に冷やして固化し、その屈折率を測定した。さらに温度を下げることで、屈折率の温度依存性も明らかにした。これができたのは、同研究所が蓄積してきた高度なトリチウムの取り扱い技術と、レーザー測定の技術と知識のおかげだ。

この研究成果により、将来の核融合における固体重水素トリチウム燃料の検査手法が確立され、核融合炉の設計が進むことが期待されるという。また、高い安全性を確保した上での「大容量のトリチウムを取り扱った技術的知見が得られた」ことで、今後の放射性物質を使った研究開発に貢献できると研究所は話している。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
ワークスモバイルジャパン、「LINE WORKS」のメジャーアップデートを発表
IT関連
2022-10-18 21:03
弁護士ドットコム、AI搭載型の「企業法務向け書籍検索サービス」を提供開始
IT関連
2023-12-17 17:46
マネーフォワード、クラウド型会計サービスに証憑自動取得機能を提供開始
IT関連
2022-04-24 15:11
順天堂大学と日本IBM、「ぬくもり」感じる面会アプリを開発–メタバース上で入院患者と会話
IT関連
2023-07-27 19:44
無印良品、家具のレンタルサービス開始 テレワーク用デスクが月額500円など
企業・業界動向
2021-01-17 08:29
ウエスタンデジタルにセキュリティ侵害、被害状況はまだ不明
IT関連
2023-04-05 17:03
Amazonに大打撃を与えるインドRelianceによるFutureの資産買収を同国証券取引所が承認
ネットサービス
2021-01-22 04:40
サムスンにサイバー攻撃、「Galaxy」関連ソースコードが漏えい
IT関連
2022-03-09 07:16
スウェーデンのゲーム大手MTGがインドのゲームスタジオPlaySimpleを約400億円で買収
ゲーム / eSports
2021-07-04 02:42
爆発的成長で快進撃–「Python」はいかにして最も有力な言語になったのか
IT関連
2021-07-10 14:37
NHK予算、2年連続で全会一致承認ならず 放送とネットのビジョン見えず
IT関連
2021-04-15 19:07
マイクロモビリティHelbizがSPACと合併しゴーストキッチン事業へ参入
モビリティ
2021-02-10 18:04
NTT Com、製造設備のアナログメーター目視点検を自動化する新サービス
IT関連
2022-10-29 19:22
ランサムウェア対策の「No More Ransom」が5周年、被害抑止に貢献
IT関連
2021-07-28 10:11