NTTデータ、生成AIのグローバル推進体制を整備–新サービスも提供

今回は「NTTデータ、生成AIのグローバル推進体制を整備–新サービスも提供」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NTTデータは6月29日、生成AIの活用をグローバルで推進する「Global Generative AI LAB」を設立したと発表した。先進技術を活用したビジネス創出を目的とする「イノベーションセンタ」が中心となり、生成AIのソフトウェア開発分野への適用、各国拠点の関連ソリューションの展開やラボ活動、生成AI活用のためのガイドラインの策定について、グローバル全体で取り組む。

 技術革新統括本部 技術開発本部 イノベーションセンタ センタ長の古川洋氏は会見で、「NTTグループでは、自然言語処理技術の研究を40年以上実施しており、世界最高水準の技術を保有している。NTTデータでは、研究所技術を活用したR&D(研究開発)を実施し、お客さま業務への技術適用を進めている」と話す。

 生成AIの取り組みについては、「『積極的なAI活用の推進』だけでなく、活用課題に対応する『AIガバナンスの徹底』との両輪で取り組む」といい、Global Generative AI LABは10以上の海外地域と8以上の国内組織で横断型チームを結成し、生成AIによる業務改革を進めると説明した。

 Global Generative AI LABは、(1)生成AIのソフトウェア開発分野への適用、(2)各拠点が持つソリューションの展開、(3)ラボ活動を通した顧客との協創を推進、(4)生成AI活用のためのガイドラインの策定とグローバルガバナンス体制の整備――の4つの取り組みをグローバルで推進する。これにより、今後さらなる需要増が見込まれる生成AI技術分野において、企業のビジネス革新の支援と社内での活用を積極的に進める。

 (1)では、2020年から日本とスペイン拠点の共同で、生成AIをソフトウェア開発へ適用する取り組みを実施している。この取り組みの一つとして生成AIを活用しソフトウェアマイグレーションを実現するソリューションを開発し、既に複数の顧客と概念実証(PoC)を実施している。

 また、同社のコアビジネスであるシステム開発案件にも適用する。工数として大きな比重を占める製造、単体試験工程をはじめとして、各工程で利用可能な生成AIを活用したアセットをグローバルで整備するとともに、次世代開発プロセスを整備し、グローバル19万5000人に及ぶ全従業員で標準利用していくことを目指す。

 (2)については、欧州・中東・アフリカ・中南米の海外事業を統括するNTT DATA EMEALで提供を開始している文章検索ソリューション「Dolffia」とチャットボットソリューション「eva」の展開を拡大する。まず、日本語での利用を検証し、2023年上期中から国内の顧客とPoCを実施する。

 また、既に提供しているナレッジマネジメントソリューション「knowler」にDolffiaを組み込み、自然文検索を含むコンテンツ検索の高精度化のほか、ナレッジの自動要約や自動分類、画像検索などへの対応を進める。

 まずは、NTTデータ社内のナレッジシェアで活用し、その後、順次顧客への展開を進めるとしている。

 (3)は、生成AIの活用方法を顧客と共に協創し、必要な技術検証を実施する。生成AIを利用したビジネスユースケースのPoCを実施し、ビジネスでの具体的な活用を生み出すという。そのために利用するプラットフォームとしてMicrosoftの「Azure OpenAI Service」と文書読解AI「LITRON」の技術を連携させ、回答根拠となる参照先データを引用できる新サービス「LITRON Generative Assistant」の提供を29日に始める。

 同サービスは、生成AIの活用において重要とされる回答の信頼性を、LITRONの文章読解技術により回答根拠となったデータを明示することで担保する。これにより、AIのハルシネーション(幻覚、もっともらしいうそ)による回答の信頼性低下を抑止する。また、NTTデータが提供するデータ分析基盤「Trusted Data Foundation Analytics Managed service」(TDF-AM)を活用し、生成AIを利用するためのユーザー認証機能やログ取得などのセキュリティ機能を一括で提供する。

 これにより、問い合わせに対する品質の高い回答文作成や、社内ナレッジの検索結果から提案内容や文章を作成するなど、多様なデータの引用が必要な文書作成に適用が可能になるという。

 将来的には、オープンソースソフトウェア(OSS)や各ベンダーが提供するモデルなども含め、NTT研究所が独自開発する分野特化型のモデルを活用したサービス展開も目指すとしている。

 (4)は、同社のグローバルでのAIガバナンス活動として、2019年にAI指針の策定、2021年に外部有識者の知見を取り入れるためのAIアドバイザリーボードを設置し、2023年4月にはAIガバナンス室を設置した。

 今後も、グローバルでのAI利用の在り方について継続的に検討を進め、同社のグローバルでのAIガバナンス態勢の構築を推進していく。生成AI活用に対する社内ガイドラインを整備し、情報セキュリティ、知的財産、倫理といったリスクをグローバル全体で抑制する。

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