「人」をセキュリティ対策の一角に–ノウビーフォー、日本で事業を拡大
今回は「「人」をセキュリティ対策の一角に–ノウビーフォー、日本で事業を拡大」についてご紹介します。
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セキュリティトレーニングなどを展開する米KnowBe4は9月19日、都内で事業説明会を開催し、日本での事業を強化すると発表した。日本独自のコンテンツ開発や販売体制などを拡充する。
同社は2010年に創業し、企業や組織の着実なセキュリティの意識向上と文化醸成につなげるとするサイバーセキュリティの教育、トレーニング、啓発のサービスを手掛ける。日本法人のKnowBe4 Japanを設立して、2020年から事業活動を展開しており、国内導入は約500社、サービス契約更新率は9割以上(同社サービスの契約期間は1年もしくは3年)という。1次代理店の東陽テクニカ、電通国際情報サービス(ISID)、ネットワールド、NEC、サイバネットシステム、パナソニックと2次代理店によるパートナー体制を敷いている。
会見した国際セールス部門統括 エグゼクティブバイスプレジデントのTony Jennings氏は、調査機関などのレポートを引用して、現在のデータ漏えいや侵害の約74%が人を巧妙にだますソーシャルエンジニアリングを用いたフィッシングなどに起因しているにもかかわらず、セキュリティトレーニングなどの人的なセキュリティ対策への支出がITセキュリティ支出全体の3%未満にとどまると指摘した。
「私は約20年サイバーセキュリティ分野を経験しているが、現在は人がソーシャルネットワーキングなどに情報をアップロードしている。セキュリティの脅威も多層防御を突破するより、(ソーシャルネットワーキングなどの情報を悪用して)人間の心理を突いて侵入する。また、生成AIを詐欺などに悪用する傾向も強まり日本語など地域特有の言語に合わせた攻撃を簡単に実行できるようになりつつある」(Jennings氏)
Jennings氏は、企業や組織がサイバー犯罪被害の増加に応じてセキュリティ支出を拡大させ、多層防御システムを強化してきたとし、同社は多層防御システムに「人」を加えるというアプローチで、これまでに6万社以上の顧客を支援していると説明した。
KnowBe4 Japan 営業統括本部長のGabriel Tan(ガブリエル・タン)氏は、同社が単にセキュリティ教育やトレーニングのコンテンツを提供するだけでなく、AIや機械学習を活用して、データを基に顧客のセキュリティ成熟度向上を支援している点が特徴だと強調。「セキュリティへの意識を変えて行動変動につなげ、人がセキュリティの防御を担う“カルチャー”を醸成する」と述べた。コンテンツについても、同社だけだけなく世界各地のプロバイダーと連携して、多種多様な内容のコンテンツを用意しているとした。
今後の日本市場の展開では、2024年から価格リストを日本円ベースに変更するほか、販売代理店網の拡大とパートナープログラムの拡充、共同マーケティングの展開を強化する。また、KnowBe4 Japanの人員を増やし、カスタマーサクセス、営業、チャネルマーケティングを拡充する。日本独自のコンテンツやホワイトペーパーを増やし、日本語によるサポートや情報発信をより充実したものにしていくという。
タン氏は、「現在11カ国の市場で事業を展開しているが、事業拠点は少なく、日本は当社に最も重要な市場だ。現在は大規模顧客が中心だが、中小の組織にも広げたい」と話している。