「Miro」、生成AI活用「Miro アシスト」などの機能を追加

今回は「「Miro」、生成AI活用「Miro アシスト」などの機能を追加」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 同社で代表執行役社長を務める五十嵐光喜氏は、発表会見の冒頭で「イノベーションに関するグローバル意識調査の結果」について説明。同調査は、イノベーションに対する意識を把握すべく、全世界7カ国(米国、英国、フランス、オランダ、ドイツ、日本、オーストラリア)で1700人の経営部と8000人のナレッジワーカーを対象に実施されたもの。

 世界のビジネスパーソンは、総じてイノベーションは急務と感じているが、「イノベーションがなければ5年以内に企業の生存が脅かされる」とグローバルの82%が考えているのに対して、日本では68%だった。また、どのようなイノベーションにより競合他社に対して優位に立てるかという質問においては、米国・英国ではブレークスルーとなるようなイノベーションが斬新的なイノベーションを上回ったが、日本では逆だったと五十嵐氏。

 Miroは世界で最もイノベーションを起こしていると言われている組繊10社のうち7社で採用されており、優れた会社はイノベーションを起こす環境を社員一人一人に提供する活動を継続していると同氏は指摘する。イノベーションの阻害要因は何かを調査したところ、日本では、「変化に対応してくれない」がグローバル同様にトップだったが(34%)、「多様なアイデアの欠如」(34%)と「失敗に対する恐れ」(29%)が続いた。

 「多様なアイデアの欠如」が1位の「変化に対応してくれない」と同じ割合であることから、早急に克服すべき分野と五十嵐氏は指摘。多様なアイデアが欠如する原因として、チームメンバーの働く場所が分散しているため一堂に会して会議ができない、データが散在している、意見はあるが意欲的に発言されないことなどがあるという。

 Miroは、そのような課題を克服するためのデジタルワークスペースを提供していると同氏はアピールする。日本が革新的な製品・サービスを世界に送り出していた1970〜1980年代にあった、多種多様な人が集まってフランクに話ができる「ワイガヤ」と呼ばれる環境をデジタルで提供するのがMiroのデジタルワークスペースだとした。

 Miroは、2011年にオンラインホワイトボードからスタートし、ビジュアルコラボレーション、イノベーションワークスペースへと進化し、2023年にはAI機能を加えたイノベーションワークスペース+AIとして進化しているとHead of Solution Engineeringを務める石動裕康氏は述べる。

 Miroは、ユーザーがイノベーションを起こせるよう6つの機能群を用意しており、そのうちの「Miro AI」と「ワークショップと非同期コラボレーション」における新機能を石動氏は紹介した。

 「Miro アシスト」は、生成AIを活用した思考パートナーであり、ボード内に記載されている文章の文脈まで理解することで、ユーザーは新たな製品やアイデアを迅速に生み出すことができる。「日々の業務で何かを進める時、さまざまな意思決定、検討、ディスカッションによりアイデアが発生しては整理される『発散と収束』を繰り返していると言われている。Miro アシストは、この発散と収束を加速させるアシスタントとして利用可能」とSolutions Engineerの高木智範氏は述べる

 Miro アシストを利用することで、調査、チームでの振り返り、ブレインストーミングのセッションから、迅速にインサイトを得ることができる。プレゼンテーションの草案作成や次のステップのアクションリスト作成などを自動的に生成することが可能となり、一連のインサイトや調査結果に基づいて、チームや関係者をつなぐことができる。また、調査やアンケートを統合する際、チーム内の偏った意見を取り除き、ヒューマンエラーのリスクも軽減できる。

 Miroボードに直接統合された大規模言語モデルインターフェースを備えた、チャットに似た最新の対話モジュールを介して利用が可能。ボード内の文脈を活用し、疑問や質問に回答するだけでなく、チャット形式、または付箋やプレゼンテーション、画像などの視覚的な形式で、新しいコンテンツを生成することができる。Miro アシストは現在、ベータ版で提供されている。

 「Miro Talktrack」は、他の参加者の反応、編集可能な生きたコンテンツ、録画を組み合わせることで、非同期型ミーティングと言われる新しいミーティングの選択肢として登場した機能。

 過去数年、業務のリモート移行とともに会議や報告が同期型になっているが、今後は非同期でハイブリッドな働き方へと移ると石動氏。ハイブリッドの会議が増えることで生じる課題である「全員が参加できる時間の調整が難しい」「情報や背景が拡散してしまっている」をMiro Talktrackは解決するという。

 Miro Talktrackでは、会議に非同期で参加してもコメントやフィードバックといったリアクションを残せるようになっているため、あたかも他の参加者と同時に参加しているかのような臨場感を感じることができる。また、ファシリテーターも参加者の参加状況や反応を確認することや資料を後から微調整することができる。「ミーティングやディスカッションの効率化、そしてアイデア出しや意思決定の迅速化など、さまざまな場面で効果がある」(高木氏)

 さらに、高度なダイヤグラム作成機能も強化され続けており、「Amazon Web Services」(AWS)の構成図をMiro上で作成して簡単に共有することができる。さらに、この構成図を基にAWSにかかるコストを計算できる機能も今後実装されていく予定になっているという。

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