非構造化データの活用で期待される生成型AI

今回は「非構造化データの活用で期待される生成型AI」についてご紹介します。

関連ワード (調査等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 近年、非構造化データ(テキスト、図面、文書、IoTデータストリーム)が注目を集めている。これらにはまだ活用されていない大きな価値がある。データベース業界は、これらの資産を生かすための大規模な変革を進めている。

 非構造化データに対する認識不足が、こうした取り組みの妨げになることも多い。Boxが委託したIDCの調査によると、企業内に存在する情報の90%は非構造化データだと推定されている一方で、そこから価値を引き出すべく分析されるのは半分にも満たないと回答した組織が46%にのぼった。

 現在、ITやビジネスのリーダーらには、非構造化データを追求し、表面化させるもう1つの理由がある。それは、生成型の人工知能(AI)の台頭だ。

 非構造化データに対する取り組みを近年進めてきた企業やITプロフェッショナルらは、生成型AIによる利点を享受できる、またデータストアをさらに深く掘り下げる分析においてもAIを活用できるという点で、より優位な立場にあるのかもしれない。

 PwCで米国のデータやアナリティクス、AIのリーダーを務めるMatt Labovich氏は、「(企業が)『PowerPoint』のプレゼンテーションや、テキスト、『Excel』のスプレッドシートといった知識ドキュメントとともに、IoTなどのソースから集積された非構造化データの管理」に力を入れるべき時がきており、「こうした非構造化データは全て、業務運用に関する価値ある組織的知識を含んでおり、生成型AIによって引き出せる洞察を秘めている」と述べている。

 Labovich氏は、構造化データに関する戦略がこれまでの注力対象の大部分を占めてきたが、「生成型AIの進化とともに、非構造化データの持つ大きな役割」に目を向ける時がきているとした。

 MIT Technology Review Insightsが最近発表した世界規模の調査によると、「これまでのAIイニシアティブでは、すぐに使える構造化データが豊富にあるという状況でのユースケースに力点が置かれていた一方で、タイプの異なるデータセットの収集や注釈付記、合成の複雑さによって、より広範なAIイニシアティブの展開が阻まれてきた」という。

 データを捕捉し、そこから価値を導き出すという能力は、かつてないほど重要だと考えられるようになってきている。この調査の対象となったIT幹部のほぼ70%は、データにまつわる問題が、AIや機械学習(ML)を活用する自社の目標達成に最も大きな影を落としているという点に同意している。調査レポートを執筆したAdam Green氏は「人気の高い『ChatGPT』といったテキスト生成AIシステムは、大規模言語モデル(LLM)に基づいて構築されている。LLMは膨大な量のコーパスで訓練されており、統計的に最も妥当な内容に基づいて質問に答えたり、タスクを実行したりする」と記している。

 また同氏は、「AIアプリケーションは、大規模なデータ世界の収集と保存、分析を可能にする堅牢なデータインフラに依存している」と記した上で、「2022年の末に生成型AIの業務アプリケーションが普及し始める前から、アナリティクスやAI向けの統合データプラットフォームが重要な鍵を握っているという見方をしていた調査回答者は70%近くいた」と続けている。

 また、調査回答者の3分の2以上は、アナリティクスやAI向けにデータプラットフォームを統合していくことが、自社のエンタープライズデータ戦略にとって重要な鍵だという点に同意している。調査レポートによると、「生成型AIの時代には、柔軟でスケーラブルかつ効率的なデータインフラが必要」であり、「データレイクハウスなどの先進的なアプローチによって、データとアナリティクスへのアクセスを拡大し、セキュリティを強化し、低コストのストレージと高性能なクエリーを組み合わせることが可能になる」という。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
CTC、AI活用のためのデータ準備サービスを開始–IT分野での障がい者の職域拡大も目指す
IT関連
2021-08-23 22:24
TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始
ネットサービス
2021-07-29 15:36
アルプスアルパイン、国内外81拠点の基幹システムをグローバル統合
IT関連
2024-06-30 16:21
NTT Com、“2nd GIGA”に備えたサービスを提供–生徒自身のデータ活用目指す
IT関連
2024-04-11 03:16
「人員」のスキルシフトで「人材」を強化せよ
IT関連
2024-05-25 16:59
富士通、ブラウザーのみで使えるオンライン接客サービスを開始
IT関連
2021-03-10 08:01
リサイクルのRedwood MaterialsがProterraと提携しEV用バッテリーの原材料を持続可能なかたちで供給
EnviroTech
2021-03-31 11:15
グーグル、サイバーセキュリティ企業Mandiantの買収に向け協議との報道
IT関連
2022-03-10 11:12
iTunesカードの10%還元、コンビニ各社で 5月9日まで
くらテク
2021-04-27 15:29
今後数年間にひっ迫が予想される3つのテクノロジースキルとは–英調査
IT関連
2022-10-25 20:20
個人向け「Microsoft Defender」、提供開始–Mac、iOS、Androidにも対応
IT関連
2022-06-21 00:19
「Windows」から「Linux」に移行–「Feren OS Transfer Tool」を使ってより簡単に
IT関連
2023-06-30 15:29
日本郵便、全国約4000カ所ある簡易郵便局の管理台帳を統合–事務作業を70%以上削減へ
IT関連
2022-09-02 09:26
今週の記事ランキング(2021.3.14〜3.18)
IT関連
2021-03-20 11:13