シヤチハタ、「できるとこからトランスフォーメーション」で中小企業のDXを後押し
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シヤチハタは2月19日、同社が提供する電子決裁サービス「Shachihata Cloud」の利用状況と、中小企業のDX化に対する意識調査の結果を発表した。
同社は2023年12月に、中小企業の経営者と決裁者(個人事業主は除く)計500人を対象に「中小企業のDX化推進に対する意識調査」をインターネットで実施した。同社は、この調査を実施した背景について、昨今のDX化推進に関するデータの多くが大企業を対象にしたものが多い傾向にあることを挙げ、中小企業ではどの程度DXが推進されているのかを明らかにすることが目的だと説明した。また、DX化を推進していない理由を明確にすることで、顧客のニーズに合ったShachihata Cloudを展開できるのではないかとしている。
調査結果によると、「全社的にDXに取り組んでいる」と回答したのは約24%。「取り組んでいない」あるいは「部分的にしか取り組んでいない」と回答したのは合計で約76%だった。
「全社的にDXに取り組んでいる」と答えた回答者以外に、今後のDX化に対する意向の有無を尋ねたところ、約55%が「意向あり」と回答している。また、DX化が進まない理由については、「コストがかかる」が約42%、「デジタルの分かる社員や若手がいない」が約39%、「従業員の高齢化」が約27%だった。
他方、中小企業が「DX化をしたくない理由」について最も多かったのが「特にない」(約41%)。以下、「コストがかかる」(約30%)、「メリットが分かっていない」(約21%)と続いた。
「DX化」と「IT化」の定義を提示した上で、両者の違いを「正確に知っている」と回答したのは約32%。「曖昧な意味しか知らず、正確には知らなかった」や「知らなかった」と回答した経営者/決裁者は約68%に上った。
DX化に対するイメージを尋ねたところ、「ハードルが高い」というイメージが約75%と最も多く、次いで「アナログ企業には難しい」が約72%、「自社には苦手な分野だと思う」が約64%という結果になった。シヤチハタは、中小企業の経営者/決裁者はDX化についてあまり詳しく理解していないにもかかわらず、DX化に対する苦手意識を抱いていることが明らかになったとしている。
この調査結果を踏まえ同社は、「抽象的にDX推進に挑むのではなく、まずは低コストで始められる業務効率化を図るツールの導入など、視野を広げた『できるとこからDX(トランスフォーメーション)』という考え方を持つことが今後の中小企業のDX化推進に重要だ」と説明し、Shachihata Cloudでそのサポートをできるとした。
同社が提供するShachihata Cloudは、なつ印機能と回覧機能を備えた電子決裁サービス。社内稟議(りんぎ)の決裁だけでなく、社外との契約業務や取締役会議事録などにも利用できる。デジタル認証事業部エバンジェリストの新井雅氏によると、あらゆる文書の電子化に対応している点が同サービスの大きな特徴だという。「例えば、(競合他社の製品では)社内ワークフローでは社外のやりとりができない。通常の電子契約サービスでは見積書や請求書など、お客さまに一方的に送信するような取引文書には向いていない。その部分が他社サービスとの違いだと考えている」と述べた。
同サービスの導入により、押印作業や稟議が回り終わるまでの時間を短縮できるとしている。また、文書をデジタル化することによるリスクヘッジや書類の検索時間の短縮が見込めるとしている。同社によると、従来約30分かかっていた1件の押印作業を、同サービスの活用により約3分に短縮できると見込んでいる。
Shachihata Cloudは、押印機能のほかに「電子契約」「文書保存」「グループウェア」「経費申請/勤怠管理」「帳票発行」「ファイル管理/ファイル共有」の6つの機能を備えている。1人当たり月額110円で利用できる「エントリープラン」では、標準機能である押印機能と回覧機能を利用できるが、同550円の「エンタープライズプラン」では、電子帳簿保存法に対応した文書保管ができる。そのほかグループウェア機能や「Box」などとの外部連携、経費申請などは別途で追加料金がかかるという。
デジタル認証事業部部長の石井慶氏によると、同サービスの導入数は現時点で101万件を超え、利用継続率は97%だという。また、同サービスを利用したなつ印回数は前年同月比224%と1年間でなつ印回数は2倍以上に増加した。2020年7月から2023年12月までで見ると、1億1872万回にも上るという。
今後、同サービスでは社内業務におけるナレッジ共有の機能と、社外とのやりとりを円滑にするため、情報収集や可視化ができる機能をリリースする予定だという。