マイクロソフト、都内にグローバル研究開発拠点を開設–AIによる課題解決に集中
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米Microsoftは11月18日、東京都内にグローバル研究開発拠点「Microsoft Research Asia Tokyo」を開設した。エンボディドAIの実現やAIによる産業革新、福祉、社会課題解決などの研究テーマに集中して取り組むとしている。
今回の新拠点開設は、4月に岸田文雄前首相が訪米した際にMicrosoftが発表した日本に対するAIやサイバーセキュリティ分野への投資および日本政府との連携に基づく取り組みの一環になる。
Microsoft Researchは1991年に設立され、個人や社会全体への利益貢献を目的に、科学的な発見や基礎科学技術の研究を行う。東京の開設で拠点は9カ国・13カ所に拡大し、アジア太平洋地域では北京、上海、カナダ・バンクーバーに次いで4カ所目となる。この地域では2025年にシンガポールと香港でも開設を予定している。
同日の開所式に登壇したMicrosoft Research Asia ディスティングイッシュド サイエンティストのBaining Guo氏は、「当社と日本の協力によって新たな研究開発拠点が実現した。世界中から多様な研究者が参加し、AIによってアジア太平洋地域が抱えるさまざまな課題の解決に貢献する知見を日本から発信していきたい」と語った。
日本マイクロソフト 代表取締役社長の津坂美樹氏も「4月に表明した新たな取り組みの1つを実現することができた。AIのイノベーションが少子高齢化に直面する日本にブレークスルーのソリューションを提供できることを期待したい」とあいさつした。
また、Microsoft Research Asia マネージングディレクターのLidong Zhou氏は、同社の研究開発では、産学官をはじめ多様な人材の協力による革新的なテクノロジーの創出を重視しているなどと説明。Microsoft Research Asia Tokyoの責任者を務めるシニアディレクターの松下康之氏は、日本においてはエンボディドAI、社会福祉と神経科学、社会的なAI、産業革新の4つを研究テーマに据えるとし、「日本の特徴である『ものづくり』と『調和』を大切にし、東京のラボがさまざまな人材の協働によるイノベーションを世界に発信する役割を担っていきたい」と抱負を語った。
研究テーマの1つになるエンボディドAIは、AIを搭載するロボットなどによりきめ細やかな動作を実現していく技術で、少子高齢化と労働人口減少に直面する日本での諸課題解決に有効な手段として期待されているという。
開所式には、Microsoft 最高技術責任者(CTO)のKevin Scott氏、文部科学省 サイバーセキュリティ・政策立案統括審議官の坂本修一氏、在日米国大使館 商務公使のAran Turley氏、東京大学 理事 副学長の津田敦氏、慶應義塾大学 常任理事の天谷雅行氏、川崎重工業 代表取締役 副社長の中谷浩氏、本田技術研究所 常務執行役員の小川厚氏、日産自動車 エキスパートリーダーの大間敦史氏が来賓として出席した。
Microsoftは、来賓者らの組織と産学官にわたるAI活用の広範な連携を推進しており、来賓者らMicrosoft Research Asia Tokyoの開設により取り組みが一層加速されることを期待するとの祝辞を寄せた。
また、最後に登壇したMicrosoft Research プレジデントのPeter Lee氏は、スマートフォンを使って「Microsoft Copilot」に英語と日本語で祝辞スピーチを生成させ、音声で読み上げるデモを披露。会場では賛辞の声に沸いた。