企業は新型コロナ変異株のパンデミックに向けたBCPの策定・実行を急げ
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新型コロナウイルスによるパンデミック(感染症の大流行)において変異株が急拡大する中で、企業の事業継続計画(BCP)策定・実行が急務となっている。テレワークの推進とともに、事業継続に必要な情報の迅速な伝達・共有や状況の把握にデジタルをフル活用したいところだ。
新型コロナによる感染拡大の「第6波」が押し寄せている。変異した今回のオミクロン株は、今のところ重症化率は低いものの感染力が高いため、多くの人がその影響を受けることによって、これまでにも増して社会や企業の営みが回らなくなる事態に陥りつつある。
多くの企業では災害に対して事業を継続するために程度の差はあれBCPを策定しているが、地震や台風を想定しがちでパンデミックへの対策が不十分なケースも少なくない。第6波で感染力の高さに対する懸念が一気に浮かび上がってきている状況だ。
帝国データバンクが1月中旬にオミクロン株などの拡大を踏まえてBCPの策定や見直しを行うかについて1500社余りにインターネットを通じて調査した結果では、BCPを「未策定」企業の28.7%が今回を機に策定の意向を示すとともに、「策定済」企業の17.4%は見直しに動き出していることが分かった(図1)。
一方で、未策定の24.3%が「策定する予定はない」、策定済の20.6%が「見直す予定はない」と答えた。策定や見直しの予定はないと答えた企業からは、「人員不足のため対応できない」「経営が厳しく対応する余裕がない」との声が上がっている。
この調査結果については見方が分かれるだろうが、合計で46.1%と半数近い企業がこの機にアクションを起こしていることに筆者は注目したい。帝国データバンクは、「新型コロナを機にBCPの策定や見直しが進み、ポストコロナ時代にはあらゆる危機に強い企業が増えていくことが期待される」と調査結果を結んでいる。
では、パンデミックに向けたBCPにはどのような取り組みが求められるのか。いくつかの自治体が作成し公開しているチェックリストから、東京都と兵庫県の内容を紹介しよう。
表1が東京都のチェックリストである。この表で筆者が注目したのは「体制について」の項目だ。「優先する業務の実施体制が事前に用意できていますか」「出勤できない従業員の業務を代行できる従業員を決めてありますか」「1割を超える従業員が欠勤した場合、応援要員の確保方法を決めてありますか(OB・OG等への声掛けなど)」といった点は、パンデミックでの事業継続において、何から考えればよいかというヒントになるだろう。