CDNベンダーから総合インターネットプロバイダーへと転換–クラウドフレアが事業戦略
今回は「CDNベンダーから総合インターネットプロバイダーへと転換–クラウドフレアが事業戦略」についてご紹介します。
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クラウドフレア・ジャパンは2月7日、報道機関向けに事業戦略発表会を開催した。米Cloudflare共同創設者で社長兼最高執行責任者(COO)のMichelle Zatlyn(ミシェル・ザトリン)氏が来日し、同社事業を振り返るとともに現在の市場概況、事業戦略などを明らかにした。
Zatlyn氏はまず現在の市場概況について「全てがデジタルプラットフォームに移行しており、インターネットの重要性はますます高まっている」とし、さらにこうした動きがコロナ禍によって加速していると指摘した。
働き方改革の推進やテレワークの普及により、クラウドサービスの利用が拡大している。そのためインターネットには「効率性」「信頼性」「セキュリティ」といった要素が求められるようになった。しかし、Zatlyn氏は「インターネットは元々そうした要件を満たすように設計されてはいない」と指摘。そうしたギャップを埋めるべく同社は創設されたと振り返る。
2009年の設立時から現在に至るまで、同社は「インターネットをより安全、高速、高信頼(safer, faster, more reliable)に利用できるようにしている」というが、その活動は「毎日1日当たり1260億のサイバー攻撃をブロック」「世界100カ国275都市以上でデータセンターを運営」「1万1000以上のネットワークと相互接続」といった数字に示されているという。
さらに同社の中核的な価値(コアバリュー)は「イノベーション」にあるといい、「コアプラットフォームには週単位で機能の追加や改善が行われており、ユーザーは常に何か新しいメリットを得ることができる」(Zatlyn氏)
続いて、クラウドフレア・ジャパン執行役員社長の佐藤知成氏が国内の事業戦略を説明した。まずインターネットの利用が拡がるとともにインターネットを利用したサイバー攻撃/サイバーを経由したインシデントなどが毎日のように多数報道されている」と指摘。「インターネットを介してどこから来るか分からない攻撃を予防するには、インターネットそのもの全体をクリーンに保ち、安全かつ信頼性の高いものに転換していくことが求められている」
またセキュリティ意識について「日本は島国なので海外で起きていることと断絶があるように思われがちだ。しかしインターネットに国境はないのでどこからでも、場合によっては個人の家庭環境にまでサイバー脅威が拡がってきている」と語った。
また2022年3月の社長就任時に掲げた目標を振り返り、「改めて決意を新たにしている」と語った。この1年の変化については「国内のPoP(Point of Presence:接続点)が7カ所から10カ所に増加」「新規顧客が対前年比で164%増加」「事業規模が前年度比で約100%増」「ゼロトラストソリューションが前年度比で7倍に成長」「日本法人の人員体制は10人から50人に強化」といった数字を紹介。現在日本はグローバルでも最も成長率の高い市場となっているという。
こうした実績を踏まえて同社がユーザーやパートナーからコンテンツ配信網(CDN)ベンダーと認知されているとしつつ、「この1年でCDNベンダーから総合インターネットプロバイダーへと転換を果たした」と語った。これはCDNの「アプリケーションサービス」に加え、「ゼロトラストサービス」「開発者サービス」「ネットワークサービス」などの利用が拡大している実績を受けてのものだ。
さらに2023年度の重点施策として「グローバルの組織と一体になって最新のテクノロジーをタイムリーに利用できる体制を強化」「インダストリー別支援体制の推進」「日本の法的対応への強化・推進」「Cloudflare Communityの立ち上げ」「さらなる人員体制の拡充」「日本社会への貢献プログラムの展開」といった内容に取り組んでいくとした。