日新火災とNSSOL、新たなオープン系基幹システム構築に向けたモダナイゼーションプロジェクトを開始
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日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、日新火災海上保険(日新火災)、日新火災情報システム(NISK)と、日新火災の基幹システムにおけるモダナイゼーション(最新鋭化)プロジェクトを開始したと発表した。第一弾で「労災あんしん保険」システムの代理店直接契約業務のオープン化し、7月に業務利用を始めた。
このプロジェクトは、2019年からの日新火災、NISK、NSSOLの有識者を含めた検討チームによる計画構想をベースにしており、完遂まで10年以上の期間を見込んだ大規模なものとなっている。「労災あんしん保険」システムの更改は2021年3月に開始され、工数にして350人月/超、2年超の実期間を経て完成に至っている。
モダナイゼーション対象システムは、メインフレーム上にCOBOLを用いて構築され、1988年12月に業務利用を開始しらもの。13システム/約1220万ステップ(COBOL、アセンブラなど)で構成され、利用開始以降、改修と改良が重ねられてきた。
一方で、同システムは商品間のプログラムが密結合であったことから、商品開発を柔軟に進めることが難しい状況だった。また、レガシーシステムを扱う人材の枯渇やホスト資材の価格高騰リスク、オープン系システムの増加に伴う開発費や保守運用費の二重コスト、負荷増大などの課題も抱えていた。
今回のプロジェクトでNSSOLは、現行調査から新システムのロードマップ、アーキテクチャー検討、それらに基づくシステムインフラおよびオンラインアプリケーションの構築を支援した。
計画段階では、日本製鉄におけるメインフレームのモダナイゼーションプロジェクトの知見を有する「モダナイゼーションセンター」や、先端技術やアーキテクチャに関する知見を有する「システム開発研究センター」「DX&イノベーションセンター」の有識者も参加している。NISKとNSSOLが、共同で現行システムの調査・解析を行った際には、一部、モダナイゼーションセンター保有のツールも活用した。
システム構築に際して「Microsoft Azure」を採用し、PaaSをベースとしたクラウド基盤を構築した。さらに、オンラインアプリケーションの開発では、商品間のプログラムが疎結合となるようにCOBOLをJavaにリビルド手法で開発し直し、データモデルは全ての保険種目を考慮して一新している。加えてアプリケーションはローコード開発製品で画面を構築、バックエンドはAPIの構成、「Azure DevOps」を中心とするCI/CD(継続的インテグレーション・デリバリー)の仕組みを取り入れるなど工夫した。
今後、NSSOLは「労災あんしん保険」システムのプロジェクトで得た知見やリソースを有効活用し、主力製品の自動車保険、火災保険、新種保険なども対応を進めていく。また、作業の進め方やシステムの改善を続け、NISKとともに日新火災のモダナイゼーションの最短、最適な推進を実現していく。