第5回:メタバースが解決するビジネス課題–売上促進から働き方の改善まで

今回は「第5回:メタバースが解決するビジネス課題–売上促進から働き方の改善まで」についてご紹介します。

関連ワード (メタバースの今と未来、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 メタバースは、現代におけるさまざまな課題を解決に導くツールとしても期待されています。ここでは、メタバース活用によって解決される可能性が高い課題を幾つか取り上げてみましょう。

 昨今、メタバースを既存事業の売上促進に活用する事例が続々出てきました。中でも注目されるのは、リアルとバーチャルをうまく組み合わせて相互利用を促している「ポケモンGO」の事例でしょう。

 コンビニやカフェ、牛丼チェーンなど「ポケモンGO」のスポンサー企業の店舗で商品を購入すると、ゲーム内で使えるアイテムを受け取ったり、特別なポケモンに出会ったりできる仕組みです。メタバースの世界が現実世界での来店や購入の動機として見事に機能しています。

 また、リアル商品とバーチャル(データ)商品の両形態でグッズを販売して売上増加を狙う手法も、これからどんどん登場してくると思われます。例えば、全6体でコンプリートできるキャラクターフィギュアを、3体はリアルで、3体はバーチャルで提供するのも面白いのではないでしょうか。これまでとは違った形で、コレクション精神を刺激することができそうです。

 続いて取り上げるのは、インターネットの普及で急成長した電子商取引(EC)サイトにおける課題解決事例です。

 ECサイトにはリアル店舗に比べた時のメリットも多いのですが、返品の多さとそれに付随して発生する無駄なコストが大きな課題として立ちはだかります。エルテックスの調査によれば、6割近くのECサイト事業者で返品率が5%以上を記録しているそうです。ある経営者の方から、「実店舗では返品がほとんどないのに、オンラインショップでは返品率が20%近くになることがある」というお話を聞いたこともあります。

 そもそも、実店舗ではなぜ返品が少ないのでしょうか。それは、店舗での接客を通じて顧客が商品に対する信用度を高め、本当に納得して買っているためだと考えられます。例えばアパレルショップの場合、ただ「試着できるから」というよりも、「試着と店員による接客の結果、納得できるから」返品せずに使い続ける人が多いというわけです。

 ZOZOTOWNがECサイト事業で成功したカギは、問い合わせに対して電話での丁寧な商品説明・アドバイスを提供したからだと言われていますが、ここでメタバースを活用すれば、さらに納得感のある接客が可能になります。バーチャルショップを開くと、顧客がどこからアクセスしていても、実店舗と同じようにリアルタイムに対応できるからです。

 バーチャルショップを訪れたユーザーは、サイズや色味など気になることをその場ですぐに店員に質問し、自分が求めるアドバイスを得た上で、納得して商品を購入できます。実店舗での購入体験に近いものを、オンラインの手軽さと併せて提供できる。これは、メタバースならではの強みです。

 ここ何年もの間、さまざまな分野で人手不足が叫ばれ、即戦力として活躍できるハイスキル人材を採用することは企業の急務となっています。

 しかし、特に都市部への人口流出が進む地方では、そういった人材を十分に獲得するのが難しいという現実があります。そのため、全国に店舗を展開する企業では、エリアによって採用にむらが生じることも珍しくありません。

 そこで、メタバースが真価を発揮します。リアルな店舗やオフィスをメタバースへと移すことによって、地域を問わず、高いスキルを持つ人材を採用できるようになるのです。そして、そういったハイスキル人材の接客やサービスを、距離的な制約にとらわれず、より多くの顧客に提供できます。

 また、このようにメタバースを使った人材活用は、従業員の教育にも展開できます。例えば、優れた店員の接客を他の店員がメタバース内で見て学び、リアル店舗での接客に生かすこともできるのです。

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