AIのバイアスはどうすれば解消できるか–レノボの取り組み
今回は「AIのバイアスはどうすれば解消できるか–レノボの取り組み」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Lenovoが、世界一多くのPCを出荷している大手多国籍IT企業であることは有名だ。また、同社が投資しているビジネスが、タブレット、モニター、周辺機器、スマートフォン、スマートホーム、コラボレーションソリューション、ハイパフォーマンスコンピューティング、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)、IoT、ソフトウェア、サービス、スマートインフラストラクチャー、データセンターなど、多岐にわたることもよく知られている。
しかし同社が人工知能(AI)にも多額の投資をしており、最優先課題として「ダイバーシティ」、つまり人間の多様性に力を入れていることはあまり知られていない。筆者は今回、Lenovoの製品ダイバーシティオフィスでシニアマネージャーを務めるAda Lopez氏にインタビューする機会を得ることができ、その結果、AIのバイアスをなくし、インクルージョンを推進するためのLenovoの取り組みについて、幅広い観点から興味深い話を聞くことができた。
では早速、その内容を紹介しよう。
–自己紹介をお願いします。それから、Lenovoの製品ダイバーシティオフィスの責任者になるまでの経緯を教えてください。
Ada Lopezです。Lenovoの製品ダイバーシティオフィスでシニアマネージャーを務めています。私はこれまで、教師として、また製品マネージャーおよびプロジェクトマネージャーとして18年以上働いてきました。
私はキューバ生まれで、5歳の頃に米国に移住したのですが、文化や、言葉や、家族内での孤立の問題に直面し、それらの問題を解決しなければならなかった経験があります。これは文字通りの意味ですが、私が覚えている限り、ダイバーシティやインクルージョンに関する問題は、私が生き残ってくるのにあたって非常に重要な問題でした。私のLenovoでの仕事は、これまでの経験を活かして、特定の顧客が排除されてしまう可能性があるような技術的な障壁やバイアスを取り除くことです。
私は、どんな障害を持つ人も、そのほかの何らかの社会的に弱い立場にある人も、ほかの人たちと同じようにLenovoの製品にアクセスできるようにしたいと考えています。この仕事では常に新たな分野に踏み出しているので、やっていることはとても刺激的です。私たちは、これまで長い間無視されてきた、まだ決まった答えがない分野に取り組んでいます。また、この仕事をするには少々型破りに振る舞う必要があります。というのは、会社レベルで技術の専門家に対し、成功する製品の条件に対する考え方を広げてもらうよう頼むことになるからです。
–AIのバイアスが長期的に社会に与える影響についての考えを教えてください。
AIはビジネスの世界を変えようとしており、Lenovoは、AIを安全かつ責任ある形で導入することの重要性を理解しています。このニーズに応えるために、Lenovoは「責任あるAI委員会」を設置しました。これは、性別、民族性、身体的障害などが異なる多様なバックグラウンドを持つ20人の従業員からなるグループです。
メンバーは協力して、ダイバーシティおよびインクルージョン、プライバシーおよびセキュリティ、説明責任および信頼性、説明可能性、透明性、環境および社会的影響などの原則に照らしながら、社内の製品や社外とのパートナーシップのレビューを行っています。