サイオス、2024年度はSaaS・API・生成AIの「3本の矢」で黒字化目指す
今回は「サイオス、2024年度はSaaS・API・生成AIの「3本の矢」で黒字化目指す」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
サイオスは2月13日、2024年のグループ事業戦略を披露する説明会を開催した。ITシステムの開発から運用支援を手掛ける同社だが、2024年12月期(2024年1月~12月)はSaaS・サブスクリプション事業を継続しつつ、APIソリューション事業の拡大や生成AIによる事業強化の三本柱で営業黒字化を目指す。
サイオス 代表取締役社長の喜多伸夫氏は2023年12月期の実績を振り返りつつ、「苦しい状況を経て、当期は黒字に戻す」と述べた。増収による売上総利益の増加や研究開発投資の絞り込み、販管費の減少による黒字化を見込んでいる。
2024年のサイオスは“三本の矢”で黒字化を目指す。同社のSaaSおよびサブスクリプション事業は業務工程を最適化する「Gluegent Flow」と、統合ID管理の「Gluegent Gate」が主軸となるが、前者の前年度比伸長率は22.2%増、後者も同16.7%増と好調である。
同社は年間経常収益(ARR)を成長させるため、「Microsoft 365」との連携強化による既存顧客の上位プランアップグレードと、ユーザー企業が抱える課題を解決するための体制を構築することで、既存契約のダウングレードや解約を防ぐ施策を用意した。
具体的には「Excel」とGluegent Flow、基幹システムの自動連携で業務工程を効率化する。Gluegent Gateも業務の申請や人事データの更新に関わるID情報の管理自動化、ゼロトラストを前提としたサプライチェーンを含む関係者IDの一元管理機能を2023年に搭載した。
システム障害発生時に用意した別のシステムと切り替える高可用性クラスターの「LifeKeeper」も、前年度比年伸長率は22.6%増と好調ながらも主な売り上げは海外経由。喜多氏は、「国内でもサブスクリプション販売を強化するため、顧客が自身の契約内容やオプション情報を簡単に確認できる『マイページ』の提供を開始した。運用時の使用状況を容易に把握する形でカスタマーサクセスの改善を推進」するという。
ほかにも、クラウド電子カルテシステムの「INDIGO NOTE」はバージョン2.0の開発に着手し、テレワークやフリーアドレスに対応した座席管理や行動を記録する「Yourdesk」も前年度比伸長率は464.9%。喜多氏は「UX(ユーザー体験)改善をはじめとする各種施策が功を奏した」と述べている。
二本目の矢はAPIソリューション事業の拡大。サイオスは2017年から同事業を開始しているが、前年度からの伸長率は40.3%増と順調である。同社はビジネスモデルの検討支援、開発・テスト支援、パートナーおよびユーザーへの利用促進支援、そして運用支援と一貫したサービスを提供してきた。サイオステクノロジー APIソリューション サービスライン サービスラインヘッドの二瓶司氏は、公表した伸長率よりも「非常に速いスピードで事業が伸びている」と現状を解説した。
NTTデータが提供するデジタルサプライチェーンプラットフォームの「iQuattro」も二瓶氏は、「マイクロサービスとして提供することで、システム開発のみならず、エコシステムとサプライチェーン管理」を実現していると説明。継続的な成長を実現する施策としては「API活用は米国や中国、東南アジアなどが進んでいる。だが、(日本の)金融業や製造業、通信キャリアのAPI活用は多いものの、ほかの業種は手付かず」(同氏)と述べながら、API未着手の業種を対象に営業活動を拡大していくとした。
三本目の矢は生成AIによる事業強化。生成AIコンサルティングサービスとして「Azure OpenAI Service」を採用し、APIソリューション事業と同じく導入プランの作成、概念実証(PoC)、設計・開発、そして運用と一環した支援を行う。また、2023年4月から「GitHub Copilot」を活用して、「Python」や「Java」、「JavaScript」など各開発言語の開発工数削減を目指してきた。
サイオス 取締役 兼 サイオステクノロジー 取締役の山﨑靖之氏は「用途や利用条件によって効果は異なるものの、定量的には5~25%の削減効果を得た。50%程度の削減を目標に取り組んでいる」という。社内でもGitHub Copilotを使用する同社だが、利用者の50%はバックエンドエンジニア、25%はフロントエンドエンジニアが活用。Azure OpenAI Serviceを用いた社内用ボットの開発も行った。
選定理由として同社は社内導入を経て、「OpenAIモデルのチューニングやMicrosoftサービスの改善目的には使用されず、ファインチューニングモデルがほかのMicrosoft Azure利用者に公開されない」点を評したと山﨑氏は述べた。ほかにも既存の製品・サービスに対する生成AIの活用を推進中だ。