グーグル、洪水予測AIモデルの進化を報告
今回は「グーグル、洪水予測AIモデルの進化を報告」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Googleは2018年から、人工知能(AI)を活用した洪水予測に取り組んでおり、その情報を「Flood Hub」や「Google検索」「Googleマップ」のほか、「Android」の通知を介して提供している。同社は一般公開されているデータを用いて、洪水が発生しそうな地域を最大7日前に予測する。これは現地の自治体や人道支援組織に対する警報として役立っている。
Flood Hubは米国を含む80以上の国々を網羅しており、4億6000万人を超える人々が住む多くの地域に対する予測を提供している。Googleは今回、同ツールの向上の舞台裏に関する情報を公開した。
洪水予測に関する同社の取り組みは、インドで最も洪水が多発している地域の1つであるパトナから始まった。同社は過去に発生した洪水や、河川の水位、地形、標高といった情報を予測モデルに入力し、数十万回におよぶシミュレーションを実行し、洪水マップを作成した。
その後同社は2019年に対象地域を12倍に拡大し、80万件のアラートを送信した。また、洪水予測モデルの向上に向けた機械学習の可能性を模索するため、学術研究者らとも力を合わせるようになった。この取り組みにより予測の精度は向上し、同社はその後、河川の水位データを入手できない地域でも、正確な予測を可能にすることを目指したという。
同社のAIモデルの進歩により、現在のFlood Hubはより正確に洪水を予測できるだけでなく、水位の測定ができない地域の予測もできるようになっている。同社によると、アフリカにおける洪水の予測は、欧州に比べても遜色がないという。
Googleは、生命を脅かすような洪水の予測範囲を他の地域へと拡大していくとともに、鉄砲水や都市型水害といった、洪水にまつわるその他の事象についても予測しようとしている。同社は、AIを用いた洪水予測の進歩により、洪水による被害を著しく減少させ、多くの命を救える可能性があると述べている。
Googleはまた、その他の気候問題に対してもAIを用いて取り組んでいる。その1つとして、世界気象機関(WMO)と協力し、世界中の人々に対して気象関連の警報を発出できる早期警報システム「Early Warnings for All」(EW4All)を2027年までに開発したいとしている。