顧客に選ばれるパートナー企業の特徴とは–AWSパートナーサミット

今回は「顧客に選ばれるパートナー企業の特徴とは–AWSパートナーサミット」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は3月15日、「AWS Partner Summit Tokyo 2024」を開催した。基調講演には、同社 執行役員 パートナーアライアンス事業統括本部 事業統括本部長の渡邉宗行氏が登壇し、「生成AI」や「AWS Marketplace」を中心にパートナー企業との取り組みを紹介した。

 「AWSパートナーネットワーク」(APN)は、2012年に設立して以来、多様なパートナーと共に顧客のビジネス課題を解決してきた。その中で、顧客がパートナーに対する期待として共通しているのは、「Amazon Web Services(AWS)の技術的な専門知識が豊富で、業種やユースケース、ワークロードといった専門分野でお客さまを成功に導いた実績のあるパートナーのサポートを求めていることだ」と渡邉氏はいう。

 AWSの顧客は、自社のビジネスに成果をもたらすという目的に沿ったソリューションやサービスを求めており、深い専門知識を持つ企業と連携したいと考えている。Canalysが2023年11月に実施した調査では、83%の顧客がパートナーを選ぶ基準の一つとして、「AWS コンピテンシープログラム」や「AWS サービスデリバリープログラム」(SDP)などを取得しているかどうかを見ているという。また、74%の顧客が、需要の高い分野で引き続きスキームの育成に取り組んでいることを確認するために、年に2回ベンダーの見直しを行っている。

 この調査結果を受けて渡邉氏は、「AWSとしてはパートナーに対して、パートナーのお客さまに向けた、新しいサービスを生み出すための専門知識の向上を支援していきたい」と説明した。

 また、注目を集める生成AIの分野では、AWSが提供する生成AIサービス「Amazon Bedrock」を活用した、パートナーによるソリューションの開発が急速に進んでいるという。同氏は、4つの課題に対して生成AIを活用したパートナーとの協業を推進していくと述べる。

 1つは、顧客が生成AIを活用してやりたいことをトータルシステムに統合すること。2つ目は、パートナー企業のテクノロジーを生成AIの中に組み込み、テクノロジーとして協業する。3つ目は、パートナーが生成AIを開発に活用することで、コストを下げ、効率を上げること。4つ目は、生成AIによる内製化の伴走だという。

 生成AIを活用した事例として、アクセンチュアではコーディングを支援する「Amazon CodeWhisperer」を利用し、社内開発の生産性を向上した。またソニービスネットワークスは、Amazon Bedrockを利用し、顧客であるオリコミサービスのセキュリティの運用管理の内製化を支援したという。

 講演には、3月に「AWS Generative AIコンピテンシー」の認定を受けた野村総合研究所(NRI)の常務執行役員 IT基盤サービス担当の大元成和氏が登壇し、同社における生成AIの取り組みを紹介した。

 AWS Generative AIコンピテンシーは、AWSのパートナー企業が顧客向けに生成AIを活用して、顧客にとっての重要なサービスの開発や、インフラ構築の支援ができることを認定するプログラム。NRIは日本で初めて同プログラムに認定された。

 同社では、2001年に日本語の自然言語処理(NLP)の技術を活用した分析ソリューション「TRUE TELLER」を開発し、2017年にはテキストマイニングや音声認識、要約、情報ナビゲートなどのAI技術を集約した「TRAINA」を提供している。

 AWSとは2020年にAI/ML(機械学習)センターオブエクセレンス(CoE)で協業し、「Amazon SageMaker」を活用したTRAINAのML機能の強化や、「Amazon Connect」を活用したコールセンターソリューション「CC@HOME」などを開発。2022年には、AIを活用した業務・システム開発・運用が三位一体となった「NRI Solution Ai」を開発し、生成AIや画像認識、音声などさまざまなユースケースに対応している。

 NRIでは、コンサルティング部門とソリューション部門が蓄積した業務知識とシステム開発スキルから最適解を顧客に提案し、AI DesignチームがAI活用の支援とケイパビリティーを獲得する体制をとっている。大元氏は「当社のAI活用のコンセプトは、『AIありき』ではなく、課題を解決するための一つの選択肢としてAIを活用している」と説明する。

 生成AIに対する顧客からの要望に応えるため、同社は2023年度に体制を強化し「全社AI活用推進CoE」を設置。ここでは、コンサルティングとソリューション、基盤の連携を強化し、顧客のAI活用を、業務、システム、AI技術の全方位でサポートする。また、NRI内のAI活用も推進し、ノウハウを顧客に提供することを目的にしているという。

 大元氏は「こうした活動の延長線上で、AWS Generative AIコンピテンシーを取得できた。大変光栄に思っている」と話す。また、AWS上の生成AIサービスの特徴について、「まずはAWSが提供している既存サービスとの親和性が高いということ。そして容易にセキュリティ設定ができること。また、選択できる基盤モデルが多いこと」を挙げた。

 Amazon Bedrockを活用したNRIの顧客事例として、同氏は「内製チーム向け障害対応効率化」と「開発業務効率化」を説明。1つ目は、顧客の内製チームの入れ替わりが多く発生するため、知識の蓄積ができず、障害対応に課題を抱えていたという。これに対して、NRIは全社AI CoEの中のRetrieval Augmented Generation(RAG)のノウハウを横展開し、障害通知を基にした緊急度や過去の対応内容を含めたリコメンドを迅速に出すことができるようになった。

 2つ目の事例では、AIコーディングを利用した開発をしたいが、ソースコードをインターネット上に置きたくないという課題を抱える顧客に対して、「AWS Direct Connect」でつなぎ、Amazon Bedrock上にAIコーディングアシストの「Cody」を使うことで、閉域網でもAIコーディングを利用できるようになったという。

 大元氏は「2024年の生成AIは、大規模言語モデル(LLM)の高性能化が進み、“試用”から“活用”に移る年になるのではないかと考えている」と語る。NRIは、顧客のニーズに合わせてLLMをファインチューニング(微調整)し、特定の業務に特化したプライベートLLMを業務アプリに組み込むことで、差別化・個別化・競争力の向上に寄与していくという。今後も、顧客ビジネスの課題解決にフォーカスしたAIソリューションを強化していく構えだ。

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