ブラウザの拡張機能で商品購入時のカーボンオフセットを提案するEcoCartが約3.3億円調達

今回は「ブラウザの拡張機能で商品購入時のカーボンオフセットを提案するEcoCartが約3.3億円調達」についてご紹介します。

関連ワード (B2B、EcoCart、カーボンオフセット、カーボンフットプリント、ネットショッピング、ブラウザー機能拡張、資金調達等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


EcoCart(エコカート)は、提携するオンラインショップで消費者が商品を購入する際に、排出される二酸化炭素を相殺する方法を無料で提案する(ブラウザの拡張機能を使用して!)会社だ。同社はBase10 Partners(ベーステン・パートナーズ)から300万ドル(約3億2800万円)の資金を調達した。

店舗のウェブサイトを運営する企業は、標準的なアフィリエイトのマーケティングモデルに基づいてEcoCartに手数料を支払い、同社はその収益の一部を消費者の二酸化炭素排出量のオフセットのために使う。

EcoCartと直接パートナーシップを結んでいる企業や、受動的なアフィリエイトマーケティングサービスを通して同社と提携している企業は、約1万社に上る。共同設立者のPeter Twome(ピーター・トゥオミー)氏とDane Baker(デーン・ベイカー)氏によると、EcoCartは企業向けの炭素計算ツールやオフセットサービスも提供しているという。

サンフランシスコを拠点とするこのスタートアップは、ClimeCo(クライムコ)やBlueSource(ブルーソース)などのサービスを利用して、企業が融資可能なオフセットプロジェクトを調達・集約している。

サンディエゴ大学で出会った2人の共同創業者は、以前にToyroom(トイルーム)というスタートアップを起ち上げ、不必要な消費を減らすためにアウトドア用品を顧客に貸し出すという事業を行っていた。

「私たち自身がこの問題に直面しています。持続可能性という理念を維持することは、非常に難しいと我々は認識しました」と、ベイカー氏は述べている。

EcoCartは、ブラウザの拡張機能を利用する仕組みによって、Cloverly(クローバーリー)のような他のオフセットサービスとは一線を画している。その一方で、企業向けサービスでは、購入にともなう二酸化炭素をオフセットするオプションがチェックアウトフローに直接組み込まれる機能などを提供している。

EcoCartは、2020年6月にB to B(企業間)統合を開始し、現在では500社のベンダーが顧客となっている。これまでに、消費者の約4分の1が購入した商品を会計する際にオフセットすることを選択しており、その結果、約2500万ポンド(約1万1340トン)の二酸化炭素を削減することができたという。

同社を支援する投資家には、PopSugar(ポップシュガー)の共同創業者であるBrian Sugar(ブライアン・シュガー)氏が運営するアーリーステージの企業を対象としたベンチャーファンドのBase10 Partners(ベーステン・パートナーズ)をはじめ、Privy(プリヴィ)の創業者であるBen Jabbawy(ベン・ジャバウィ)氏、Klaviyo(クラビヨ)のグローバルパートナーシップ担当VPであるRich Gardner(リッチ・ガードナー)氏、Chubbie(チャビー)の共同創業者であるKyle Hency(カイル・ヘンシー)氏、Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)会長であるBryan Meehan(ブライアン・ミーハン)氏、BarkBox(バークボックス)の共同創業者であるCarly Strife(カーリー・ストライフ)氏などのエンジェル投資家が含まれる。

オンラインショッピングというと環境に悪いイメージがあるが、2020年Nature(ネイチャー)誌に掲載されたある研究によると、実際には実店舗での買い物より環境に優しくなる場合もあるという。

消費者によるオフセットは、善行ではあるものの、企業が実際に温室効果ガスの排出を抑制し、事業を脱炭素化することに比べると、同等の効果を得ることはできない。実際のところ、消費者のカーボンフットプリントや、地球汚染に対する消費者の個人的な責任という概念は、石油・ガス会社や消費財メーカーに頼まれて、広告会社の幹部が商品を売り込むために考え出したものだ。

しかし、何もしないよりは良いし、環境のために必要なプロジェクトの資金調達に役立つことは確かだ。

EcoCartは、数カ月かけてオンライン注文のカーボンフットプリントを計算する独自のアルゴリズムを開発したという。電子商取引用プラグインとブラウザ拡張機能のいずれも、商品への材料投入量、配送距離、パッケージの重量など、各注文の特徴を利用して、その注文から発生する二酸化炭素排出量を推定しているという。

「EcoCartは、ブランドが顧客と対話しながら、環境への影響を大規模に管理・対処する方法を再構築するものであると、我々は確信しています」と、Base10 PartnersのプリンシパルであるChris Zeoli(クリス・ゼオリ)氏は述べている。「EcoCartは、何十年にもわたって続いてきた有害な気候変動を元に戻すために役立つソリューションです。Base10は、EcoCartの創設者たちが、カーボンニュートラルなショッピングを、小売、マイクロモビリティ、フードデリバリーなどの業界で新しいチェックアウトの基準にしていくための活動に、パートナーとして協力できることを誇りに思います」。¥

画像クレジット:Taqi Fatikh/EyeEm / Getty Images


【原文】

EcoCart, a company pitching consumers on ways to offset their carbon emissions for free at select merchants (with a browser extension!) has raised $3 million in financing from Base10 Partners.

Brands pay the company a commission to drive traffic to their websites under a standard affiliate marketing model and EcoCart uses a portion of the proceeds to offset a shopper’s carbon emissions.

About 10,000 companies work with EcoCart, either through direct partnerships or passive affiliate marketing services. EcoCart also offers a carbon accounting tool for businesses and an offsetting offering for them as well, according to co-founders Peter Twomey and Dane Baker.

The San Francisco-based startup uses services like ClimeCo and BlueSource to source and aggregate offset projects that companies can finance.

The two co-founders, who met at the University of San Diego, previously founded a startup called Toyroom, which rented outdoor equipment to customers in an effort to reduce unnecessary consumption.

“We live this problem ourselves. We realized it was incredibly difficult to maintain this sustainability ethos,” Baker said. 

While the browser extension sets EcoCart apart from other offsetting services like Cloverly, the company does share some functionality in its business-facing offering where an option to offset the carbon associated with a purchase is integrated directly into the checkout flow.

EcoCart launched its business-to-business integration in June of last year and now counts 500 vendors as customers. So far, about a quarter of customers have chosen to offset their purchases at checkout, amounting to the capture of an estimated 25 million pounds of CO2, the company said.

Investors backing the company include Base10 Partners; PopSugar co-founder Brian Sugar’s early-stage venture fund and angel investors like Ben Jabbawy, the founder of Privy; Rich Gardner, the VP of global partnerships at Klaviyo; Kyle Hency, the co-founder of Chubbie; Bryan Meehan, the chair of Blue Bottle Coffee; and Carly Strife, the co-founder of BarkBox.

While online shopping gets a bad reputation, it’s actually sometimes a greener option than shopping in physical stores, according to one study published in Nature last year.

Consumer offsets, while well-meaning, don’t have nearly the same impact as having the companies themselves actually rein in their greenhouse gas emissions and decarbonize their operations. In fact, the whole notion of the consumer carbon footprint and the personal responsibility of consumers for planetary pollution was dreamed up by advertising executives at the behest of oil and gas and consumer goods companies pushing products.

But something is better than nothing, and offsets do help necessary projects get funding.

EcoCart said it spent months developing a proprietary algorithm to calculate the carbon footprint of online orders. For both the e-commerce plug-in and browser extension, EcoCart uses the characteristics of each order, including material inputs to the item, shipping distance and package weight, to estimate the emissions created from that order, the company said.

“We believe EcoCart is reinventing how brands interact with their customers while also managing and addressing their environmental impact at scale,” said Chris Zeoli, principal at Base10 Partners, in a statement. “EcoCart represents a solution that is helping reverse decades of harmful climate change. Base10 is proud to be partnering with the EcoCart founders as they continue to make carbon neutral shopping the new checkout standard for industries including retail, micromobility, food delivery, and more.”

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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