国内企業の約4割で「上司がクラウドを理解しておらず困っている」。ガートナーによる2021年のクラウドに関する調査
今回は「国内企業の約4割で「上司がクラウドを理解しておらず困っている」。ガートナーによる2021年のクラウドに関する調査」についてご紹介します。
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調査会社のガートナージャパンは、日本企業におけるクラウド・コンピューティングに関する2021年の調査結果を発表しました。
調査結果によると、日本におけるクラウド利用率の平均は2020年調査から4ポイント増の22%で、特に新型コロナウイルス感染症の影響によるWeb会議ソリューションの利用拡大などでSaaSの利用が大幅に増加したことが分かりました。
同社はこれらにより「2021年調査では、日本でのクラウド・コンピューティングの利用は次のステージに進んだことが明らかになりました。」とまとめていますが、一方でマネジメント層の7割はクラウドを理解していないという課題も明らかになりました。
下記が「クラウドに対する上司の理解度と課題」として、「あなたの部門の上司はクラウドの テクノロジーやサービスをどのように理解していますか。最も近いものを1つお答えください」という問いに対する返答を同社がグラフ化したものです。
38.6%が、上司がクラウドを理解しておらず、説明に時間がかかるなどで困っていると回答。さらに31.8%が、上司がクラウドを理解しているとはいえないが、任せてもらっているので問題ないとも回答。この2つを合わせると、約70%は現場から見て上司がクラウドを理解していない、という結果となりました。
同社のアナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントの亦賀忠明氏はこうした上司の無理解について「クラウドが当たり前になる時代においては、『クラウドは自分には分からない』という状態ではその役割が務まりません。I&O(注:インフラストラクチャ/オペレーション)リーダーは、クラウドを時代が要請する新たなリテラシーと捉え、『本物のクラウド』のスキルを獲得し、クラウドを自分で運転し、さらには駆使できるようにすべく、行動を加速させる必要があります」とコメントしています。
今回の調査結果として、日本の企業や組織におけるクラウドの利用状況を示したグラフが下記です。
SaaS、PaaS、IaaSともに2021年に入って利用率が飛躍していることが見て取れます。特にSaaSが8ポイント上昇している背景には、新型コロナウイルス感染症の影響によるWeb会議ソリューションの利用拡大などがあるとガートナーは指摘しています。
また新型コロナウイルス感染症以外にも、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなど大手クラウドベンダによる積極的なアピール、政府共通プラットフォームへのAWS採用の発表、「内製化」というキーワードの露出増加とそれに伴うSIerらの積極姿勢などが、先行ユーザーだけでなく広く日本全体のクラウドの推進を後押ししている大きな要因になっているとみられるとのことです。
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