開発者の燃え尽き症候群–負担軽減や知識の共有に向けた各社の取り組み

今回は「開発者の燃え尽き症候群–負担軽減や知識の共有に向けた各社の取り組み」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 大量自主退職に加えて、継続的なスキル不足やデジタルトランスフォーメーションプロジェクトが原因で、企業は貴重なテクノロジー人材を確保しようと、かつてないほど必死に取り組んでいる。

 残念ながら、企業がスタッフのつなぎとめに懸命に対応しているにもかかわらず、テクノロジースタッフが現在の自分の役割に完全には満足していないことを示す明らかな兆候があり、多くの人がその原因として燃え尽き症候群やストレスを挙げている。

 Mulesoftによる最近の調査で、オーストラリアの開発者がこうした不満を抱く4つの主な原因が明らかになった。それは、新しいテクノロジーやアプローチに適応するための新たなスキルの習得、仕事量と他のチームからの要求の増大、デジタルトランスフォーメーションの重圧、そして新入社員の迅速なオンボーディングの難しさだ。

 「ビジネスサイドの人は、こちらに重圧がかかっていることを認識しており、『大きな負担をかけていることは分かっている』とある種の共感を示すが、その一方で、企業内のビジネスチームとIT部門には文化的な隔たりがある。ビジネスサイドの人は次から次へと仕事を投げてくるだけだ」。Mulesoftのデジタルトランスフォーメーションオフィス担当バイスプレジデント兼グローバルフィールド最高技術責任者(CTO)のMatt McLarty氏は米ZDNetにこう語った。

 燃え尽き症候群に関する同様の調査は、人事管理ソフトウェアソリューションを提供するElmoも実施している。同社が先頃発表した四半期レポート「ELMO Employee Sentiment Index」は、1000人以上のオーストラリア人を対象に仕事と職場に関する心情を調査したもので、燃え尽き症候群が2022年1月から3月の間に過去最高の46%に達し、COVID-19パンデミック発生前の2020年第1四半期から34%増加したとされている。

 この調査によると、労働者の約3人に1人が自分に課された仕事の量に圧倒されており、ほぼ4人に1人が職場で引き受ける責任が増えたという。

 Elmoの最高経営責任者(CEO)のDanny Lessem氏は、企業がスタッフの意見に耳を傾けることの重要性を強調した。

 「本当に重要なのは、従業員のケアをして、従業員に話しかけ、従業員の話を聞くとともに、テクノロジー業界の人々がそれぞれの仕事をしている理由は仕事への情熱だということを思い出すことだ」とLessem氏は語る。

 「つまりこういうことだ。あなたもその情熱を満たさなければならない。人には学びたいという思いや貢献したいという思いがあり、それを持続できることを望んでいる。コードを書いていればいいわけではない。それが人々の望みではない」

 興味深いことに、燃え尽きたと感じている人のうち、57%はZ世代だったのに対し、21%はベビーブーマー世代だったことが調査で明らかになった、とLessem氏は述べた。

 「ベビーブーマー世代はたくましいと言いたいわけではない。従業員が職場で求めるものへの認識が変化しているということだ。若い世代は、自分の優れている点や燃え尽き症候群を引き起こすものに関して、職場で格段に複雑なニーズを抱えている」とLessem氏。

 「経営者はこれをよく把握する必要があると思う。特にテクノロジー業界では、Z世代やミレニアル世代が多く働いており、こうした世代は燃え尽き症候群の影響をさらに受けやすい」

 McLarty氏の場合、重圧とストレスを軽減する解決策の一環として、IT部門以外の従業員がアプリやデータを自分で統合できるようにすることで、負荷を全社に分散する。この動きには、トランスフォーメーションプロジェクトを加速させる効果もあるという。

 「デジタルビジネスを中心に組織全体を再構築することが非常に重要だ。そのために、ビジネスチームとITチームの連携を強化する方法を考える必要がある」。McLarty氏はこのように述べた。

 「時々、その傾向が起きていることに気づく。必ずしも意図したものではないが、テクノロジーチームが会社のあらゆる場所に顔を出して、そのような連携が起こっている」

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