第6回:ビジネスの革新に不可欠なデータファブリック戦略

今回は「第6回:ビジネスの革新に不可欠なデータファブリック戦略」についてご紹介します。

関連ワード (データ統合の新潮流「データ仮想化」とは、ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アナリティクスを用いて問題解決を試みる取り組みは、この20年の間、複雑化を続けています。1980年代のビジネスアナリティクスでは、インベントリー分析や生産効率の計算といった単純なものだけでした。単純というのは、分析に必要なデータが1カ所(1つのデータベース)にあるという意味です。

 当時のデータアーキテクチャーは、少数の運用システムとそれらに接続されたOLAP(Online Analytical Processing)キューブから構成されているのが一般的でした。データキューブによって、ビジネスインテリジェンス(BI)を効果的に利用できましたが、それはごく基本的なものでした。

 21世紀に入ると、ビジネスユースケースははるかに複雑になりました。近年、多くの企業では、解約防止、予防保全、消費傾向、感情分析などのビジネス課題を解くに当たって、高度なアナリティクスを活用しています。

 問題が難しくなれば、それを解くためのデータインフラストラクチャーにも進化が必要になります。大企業が管理しているデータエコシステムは非常に複雑になり、複数の地域にオンプレミス/クラウドのシステムが分散していることも珍しくありません。ソーシャルメディアやウェブログ、センサー、IoTデバイスなど多数のソースからデータが集まり、価格戦略、需要予測、顧客関係管理、在庫管理、などの業務機能ごとに専用のソフトウェアがあります。

 こういった新技術や異種混合のデータソース、アナリティクス機能が多くの価値を生むのは明らかですが、データの統合、ガバナンス、分析に関連した課題も生み出します。高度なアナリティクスで新旧のデータソースを結び付けて利用価値を高めるには、これまでとは別の設計アプローチが必要です。そこでデータファブリックの出番となります。

 Garnterによると、データファブリックというアーキテクチャーは、データオブジェクトの設計、統合、展開を統合管理し、自動化するものだとされています。プラットフォームやアーキテクチャーは問いません。データファブリックは、全てのメタデータにアナリティクスとAI/ML(人工知能/機械学習)を適用し、データの管理/統合に関する設計や展開のパターンを提示したり、助言したりします。その結果、データのアクセスと共有が高速かつ的確に行われるようになり、場合によっては完全に自動化されるようになります。

 簡単に言えば、データファブリックアーキテクチャーとは、分散ネットワーク環境においてスムーズなデータのアクセスと共有を支援する手段です。データファブリックを活用することで、データの統合、変換、準備、選別、セキュリティ、ガバナンス、オーケストレーションの手順を自動化して、顧客の全方位ビュー、不正の検出、IoT分析、リスク分析、医療知見などの高度アナリティクスのユースケースを促進します。

 本来、データファブリックは物理的でも論理的でも構わないものです。論理データファブリックとは、ビジネス利用者向けの複数データシステムへのアクセスを抽象化する、統一されたデータ配信プラットフォームです。これにより、システムの複雑さを隠して、データをビジネスフレンドリーな形式で公開すると同時に、あらかじめ定義されたセマンティクスとガバナンスルールに従ってデータを配信します。

 データ仮想化は、論理データファブリックの主要な構成要素であり、従来のレポートおよびBI用の異種プラットフォームに存在するデータへのアクセス、管理、分析に重要な役割を果たします。さらに、保存されている静的なデータとリアルタイムのストリーミングデータを組み合わせた分析やAI/MLの活用といった最新のユースケースにおいても重要な役割を果たします。

 論理データファブリックには、データ仮想化を土台としていることから、さまざまなメリットがあります。

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日刊建設工業新聞

海外建設協会(海建協)の新会長に相川善郎大成建設社長が就任した。会員企業の海外受注はここ数年右肩上がりで推移し、2019年度には過去最高となる2兆円を突破した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で20年度は需要が急減し、前年度比46%減の約1兆1000億円に落ち込んだ。

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