ウェブの進化とソフトウェア開発者の役割–求められる新たなスキル
今回は「ウェブの進化とソフトウェア開発者の役割–求められる新たなスキル」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ワールドワイドウェブ(WWW)という概念は、その進化が始まった頃、多くの人から嘲笑を受けた。マニアたちの一時的な流行にすぎない、と否定派の人々は固く信じていた。それから約30年が経過した現在では、WWWのない生活は想像もできない。
インターネットの行く末を想像するのも同じくらい難しいが、手がかりはすでにいくつかある。確かなことは、人気のプログラミング言語や、Web3、ブロックチェーン、メタバースの進化が大きな話題になっているものの、それを構築する高度なスキルを持つソフトウェア開発者が業界にいなければ、何も始まらないということだ。
Fortuneが先頃実施した調査で、最高経営責任者(CEO)たちがビジネスに対する最大の脅威として挙げたのは、有能な人員の不足であり、これが景気後退やサプライチェーンの問題を上回った。IT人材派遣会社JobsityのCEOであるAndres Garzon氏によると、人材の確保が2023年とそれ以降のインターネットの未来を左右する重要な要素になるという。
「スマートな仕事のバズワードは、近くの国境を越えて高度なスキルを持つ技術者を採用し、人件費が安い既存の若手人材をつなぎとめて、コストとワークロードを効果的に管理することが中心になるだろう」とGarzon氏は米ZDNETに語った。
「リモートワークの拡大により、人材プールが世界規模になった。企業はこれを生き残りと成長のために活用する必要がある」
開発環境内におけるプロ開発者の重要度は、企業が自動化を活用しても低下することはないだろう。自動化はむしろ、開発者の日常業務の多くを占める面倒なコーディングの大部分を不要にするうえで重要な役割を果たし、開発者はより多くの時間をイノベーションに費やせるようになる。また、自分の仕事をもっと楽しめるようになるはずだ。
「現在みられるトレンドは、開発者体験への移行だ」。CheckMarxの製品管理担当バイスプレジデントのOri Bendet氏はこのように述べた。「開発者はエンジンだ。誰もが知るように、世界は開発者が作成したコードで動いており、彼らの時間と効率性は他のすべてのものと同じくらい重要だ」
開発者体験の向上をサポートするために使用されているソリューションの1種に、「Github CoPilot」「AWS CodeWhisperer」「Tab9」などの自動コード生成ツール(ACG)がある。コードや関数をACGがリアルタイムで提案してくれるので、開発者はコードを素早く作成し、その場でエラーを見つけることができる。
Bendet氏は、機械学習への関心が高まり、ベンダーが開発者の役割を最適化してイノベーションに集中しやすくすることを検討し始める中で、ACGが最終的に従来のコーディングに取って代わると考えている。「ACGは開発者が思うほど良いものではないかもしれないが、今後5年間ですべての開発者がACGでコードを生成するようになり、自分の主要業務に集中できる時間が増えていくだろう」
新しいアプリやデジタルサービスを迅速に構築して展開する手段として自動化が注目を集める中で、ローコード/ノーコードツールは未来のインターネットの形成に重要な役割を果たすだろう。Gartnerの2021年の予測によると、企業が新規開発するアプリケーションのうち、ローコードまたはノーコードツールをベースとするものの割合は、2020年の25%以下から増加し、2025年までに70%になるという。