UBEとNTTデータ、製品別温室効果ガス排出量データの提供を開始
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UBE(旧称宇部興産)とNTTデータは1月16日、製品別の温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント:CFP)を算定するシステムを共同開発し、UBEが顧客へのデータ提供を順次開始すると発表した。
両社によると、社会におけるカーボンニュートラル実現の機運の高まりを背景に、UBEなどの化学メーカーでは、自動車業界を中心とする顧客から製品別CFPの開示要望が急増している。しかし化学メーカーでは、製品ごとに複数の種類の製造手法があり、それぞれの製造手法を多段階に実施する複雑な製造プロセスを実施していることから、CFPの算定には多様な計算パターンが存在するという。原料から製品製造までにおいて正確に排出量を連携していく必要があることから難易度が高く、表計算ツールを用いた個別の算定で多くの工数が発生するなど現場担当者にとって大きな負担になっている。
このため両社は、共同開発したシステムで表計算ツールや専用システムにおいて管理されているマスターデータ、トランザクションデータに手を加えることなく入力し、システム側で変換・集計・計算することで最終製品別のCFPを数分で算出できるようにした。製品別CFPの算定に要する時間を95%削減するという。
算出した製品別のCFPは、ダッシュボードで顧客軸や製品軸などさまざまな切り口で可視化でき、顧客へ迅速にCFPデータを提供したり、内部での分析に活用したりできるとする。システムでは、TableauのETL(データの抽出、変換、ロード)ツールの「Tableau Prep」を採用し、アジャイル開発手法を用いて、プロジェクト開始から3カ月でシステムを構築させているなど、短期導入を可能としている。
UBEは、宇部ケミカル工場で製造する一部製品を対象にこのシステムの運用を開始し、まずはナイロン、ファインケミカル、工業薬品の2021年度実績の製品別CFPデータを提供していく。7月からは宇部ケミカル工場と堺工場の機能品およびUBEエラストマー千葉工場の合成ゴムの2021年度実績のデータ提供も行う予定だ。
NTTデータは、今後製造などに今回のシステム基盤を含む関連事業で、2025年度末までに20件以上の受注を目指すという。