「日本の売り上げを倍増したい」–デルの新セールス首脳らが会見

今回は「「日本の売り上げを倍増したい」–デルの新セールス首脳らが会見」についてご紹介します。

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 デル・テクノロジーズは3月14日、都内で記者懇談会を開き、2月からの同社新会計年度に合わせて就任したグローバル シアター セールス部門 Dell Tech Select プレジデントのJohn Byrne氏とアジア太平洋・日本(APJ)地区プレジデントのPeter Marrs氏が直近の業績や日本への期待などを語った。

 Byrne氏は、北米市場を除くグローバル市場の営業を指揮する。それ以前は北米市場担当として数十億ドル規模のビジネスを手掛け、DellとEMCの経営統合時にはパートナー体制の統合なども担当。Dell以前はAMDで要職を歴任し、英国で2つの企業を共同により創業した経験も持つという。

 同社が米国時間2日に発表した2023会計年度(2023年1月期)の通期業績は、売上高が前年比1%増の約1023億ドルとなり、過去最高を記録した。Byrne氏は、「コンピューティングやストレージなどのコアビジネスが堅調な成長を遂げた。顧客はクラウドを含め最適なIT基盤の構築を求めており、われわれは専門アドバイザーとして顧客への支援に取り組んでいる」などと報告した。

 特にサーバーやネットワーク、ストレージなどの製品・サービスで構成されるインフラストラクチャーソリューションズグループ(ISG)全体の売上高は12%増の約384億ドルで、内訳ではサーバーおよびネットワーク領域が14%増の約204億ドル、ストレージ領域が9%増の約180億ドルだった。一方で、PC製品などのクライアントソリューションズグループ(CSG)は5%減の約582億ドルとなり、特にコロナ禍の特需に沸いたPC販売の反動が影響した。

 Byrne氏は、コアビジネス領域に加えて、同社が近年に成長領域と定めるエッジ、5G、データ管理、AI/機械学習、セキュリティ、クラウドが堅調に伸びていると説明する。「ITインフラは、『オンプレミスか、クラウドか』の議論ではなくなり、ハイバーバイザーやコンテナーなどに関係なく最適にアプリケーションが稼働できる環境が求められ、ソフトウェア定義のアプローチが強く求められている。ITの調達方法も多様化し、『APEX』(デルのアズ・ア・サービスブランド)などへの引き合いが増している」とした。

 また、コロナ禍からの脱却が進む企業でオフィスや自宅などを組み合わせた柔軟な働き方を模索する動きが広まり、サイバーセキュリティやデータ管理、企業の5G活用への需要増が期待されるとする。こうした上述の成長領域で事業拡大を図りつつ、研究開発では直近3年にコアビジネス領域で76億ドルを投資するなど、新旧のビジネス領域で持続的な成長を遂げていくとの方針を示した。

 この他には、温室効果ガスの排出削減や再利用可能部材の利用促進といった環境保護への取り組み、多様な人材が活躍できる組織環境の促進、テクノロジーの活用が難しい人々への支援といった社会への貢献活動にも積極的に取り組んでいるなどとした。

 Marrs氏は、APJ地域でも上述の成長領域を中心にビジネスへ取り組んでいるとし、富士通と連携するオープンな5Gの無線通信システム(O-RAN)や、韓国の現代自動車とのデジタルツイン工場の整備、タイのN-HEALTHにおける高度医療情報活用基盤の構築、オーストラリアのクイーンズランド大学におけるハイパフォーマンスコンピューティングによる創薬、インドの金融サービス企業PhonePEとのデータセンターにおけるサーバー液浸冷却技術の開発といった共創事例を示した。

 日本市場については、顧客企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が追い風となり、現在のビジネス規模がデルとEMCジャパン統合時の2倍に拡大しているとのこと。Marrs氏は、「日本の情報通信市場は世界第2位の年間2600億ドルと、われわれにとって極めて重要な市場だ。日本ではAIや5G、ビジネスエグゼクティブのための施設も展開しており、これらの成長領域によってさらに売り上げ規模を2倍以上にしていきたい」と語った。

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