企業規模の違いで懸念される「働き方改革の格差」とは
今回は「企業規模の違いで懸念される「働き方改革の格差」とは」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ニューノーマルの働き方として「ハイブリッドワーク」が注目されているが、これはどうやら大企業の話で、就業者全体の3分の2を占める中小企業には縁遠いのではないか。そんなことを感じる調査結果がこのほど公表された。懸念されるのは、企業規模の違いによる「働き方改革の格差」だ。
ニューノーマル時代に向けて柔軟な働き方を実現するハイブリッドワークに注目が集まっている。テレワークとオフィスワークの両方を活用するこの働き方には、ここに来て多くの企業が取り組みを始めている。オフィスワークにこだわることなく柔軟に働く場所を変えることは、新型コロナウイルスのような感染症対策だけでなく、オフィス、自宅、サテライトなどそれぞれの利点をうまく引き出せば、生産性の向上も期待できる・・・。
と、最近、こうしたハイブリッドワークを推奨する内容の記事をやたらと目にするようになった。実は筆者もこれまで、こんな調子の記事を幾度か書いてきた。だが、このほど公表された調査結果を見て、ハイブリッドワークはどうやら大企業の話で中小企業には縁遠く、それが新たな問題を引き起こすのではないかという疑念を抱いた。
その調査結果とは、東京商工会議所が公表した「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」と題したレポートだ。2月14〜24日の調査期間で、東京23区の2141社を対象に実施し、558社から回答を得たものである。
それによると、回答した中小企業の2月時点でのテレワーク実施率は37.8%にとどまった。ちなみに、2021年11月時点の調査結果と比べると、新型コロナウイルスの変異型の感染拡大を受け、これでも6.6%上昇した形だという(図1)。
企業におけるテレワーク実施率についてはさまざまな調査結果があるが、それらを総合すると37.8%という数値は大企業と比べて20〜30%ほど低いと見ることができるだろう。さらに、東京だけでなく全国レベルで見れば、その差はもう少し広がるのではないか。
この調査結果を業種別に見ると、小売業だけが17.9%で、他の業種が36〜41%なのに対し、目立って低かった。これは店舗などに出勤しないと仕事にならないからだろう。ただ、この点は大企業でも同じだとみられる。