従業員が日常的にAIを活用–パナソニック コネクト、「ConnectAI」の活用実績を発表
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パナソニック コネクトは6月28日、自社向けのAIアシスタントサービス「ConnectAI(旧称ConnectGPT)」の活用実績と今後の戦略に関する記者説明会を開催した。
ConnectAIは、米OpenAIの「ChatGPT」をベースに開発したアシスタントサービスで、2月から国内全ての従業員1万3400人に展開している。大規模言語モデル(LLM)に関して、初期段階では「GPT-3.5」を採用し、現在では「GPT-4」を利用できるようにしている。今後、自社の公式情報も活用できるように機能を拡大し、業務での活用を目的とした試験運用を開始する。10月以降にはカスタマーサポートセンターの業務への活用を目指しているという。
説明会に登壇したIT・デジタル推進本部 戦略企画部 シニアマネージャーの向野孔己氏は、ConnectAI導入の目的として「業務生産性の向上」「従業員のAI活用スキル向上」「シャドーAI利用リスクの軽減」を挙げた。
業務生産性向上において同氏は、「このLLMは言葉を理解し生成できるため、定型業務だけでなく非定型業務にも活用できるのではないかと期待している」と述べる。
例えば、非定型業務に分類される資料作成では、「情報収集」「情報整理」「ドラフト作成」「仕上げ」の4工程に分けられるが、AIを活用することで情報収集からドラフト作成までをAIが行い、人間は創造性を働かせて成果物を仕上げる最後の工程に集中できるのではないかとしている。
また、従業員のAI活用スキルの向上においては、これまでキーワード検索が中心だったが、今後AIと共に働くようになると、自然言語が中心になると説明。
例えば、パナソニックの創業者を知りたい時に、キーワード検索では「パナソニック 創業者」と検索していたが、AIを活用する際は「パナソニックの創業者について教えてください」というように「期待すること」「状況」「何をしてほしいのか」を適切に伝える必要が出てくる。従業員がConnectAIを日常的に業務で使うことで、AIの活用スキルの定着や向上を促進させるという。
そしてシャドーAI利用リスクの軽減について同氏は「近い将来ビジネスでのAI活用は当然になる」と想定し、リスクの高いパブリックAIではなく、社内AIを提供することで、従業員が安全にAIを利用できる環境を創出できるとしている。
同社におけるConnectAIの活用実績は、サービス開始から3カ月で累計26万回、1日当たり約5000回以上利用され、利用回数は上昇傾向を維持している。また、同サービスに対する従業員の評価は、累計で5点満点中3.6点と高評価を得られたとしている。
実務における生産性の観点からは、プログラミング業務におけるコーディング前の事前調査では、従来3時間かかっていたところ、同サービスの活用により5分に短縮。社内広報業務で約1500件のアンケート結果分析は、9時間から6分に短縮するなど、実務における生産性向上の効果も見えた。