コニカミノルタ、新社長に専務の大幸氏が昇格–DXを続ける粘りが強み
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コニカミノルタは2月25日、4月1日付で取締役 専務執行役の大幸利充氏が取締役 代表執行役社長 兼 CEO(最高経営責任者)に就任するトップ人事を発表した。現職の山名昌衛氏は、同社初のポジションの取締役 執行役会長に就き、新規事業の強化や戦略的アライアンス、合併・買収(M&A)、渉外活動などを担当する。
大幸氏は、「ステークホルダーから『戦略は正しいが、実行力に課題がある』『無理をしているのではないか』といった率直な指摘もあった。こうした声に真剣に耳を傾け、対話を通じて、等身大のコニカミノルタを評価してもらえるように努力していく」と抱負を述べた。
社長交代の理由は、2022年度(2023年3月期)が同社の中期経営計画「DX2022」の仕上げの年であり次期経営計画の策定年度になるため。大幸氏による新中期経営計画を策定し、グループ4万人の“人財”をリードし実行力を最大化することが企業価値を高める上で適切と判断したためとする。なお、次期中期経営計画がスタートする2023年は、旧コニカの創業から150周年、コニカミノルタとしての経営統合から20周年を迎える。
大幸氏は1962年11月30日生まれの福井県出身。1986年にミノルタカメラに入社し、法務グループに配属。2002年にMinolta QMS Printing Solutions USAでエグゼクティブバイスプレジデントに就任した。2005年にはコニカミノルタビジネステクノロジーズで事業統括本部事業戦略部長、2012年に取締役 経営企画部長 兼 業務革新統括部長に就いた。2013年にはKonica Minolta Business Solutions U.S.AのCEO、2015年には、コニカミノルタ 執行役、2016年に情報機器事業企画本部長、2017年にプロフェッショナルプリント事業本部長、2018年にオフィス事業本部長と要職を歴任。同年4月に常務執行役として、情報機器事業管掌兼オフィス事業本部長、2018年6月には取締役 兼 常務執行役情報機器事業管掌 兼 オフィス事業本部長、2020年4月に取締役 兼 専務執行役 情報機器事業管掌 兼 経営企画、IR、広報、DXブランド担当、2022年1月に取締役 兼 専務執行役 情報機器管掌 兼 経営企画担当を務めた。趣味はサッカー観戦、ゴルフで気分転換を図るという。
「出身の福井県は1年のうちの約5カ月間は青空が見られない(冬季に晴天が少ない日本海側の)土地。そういう中で18年間育ち、耐えること、粘り強さは誰にも負けない。学生時代から世界に興味があり、当時ミノルタの海外売上比率は7割で、海外へのチャンスが多いと思い入社した。日米貿易摩擦の中、法務として米国に駐在し、14年間海外の販売会社でお客さまと接点を持てたことが大きな経験。買収にも関わり、買収した会社に出向した。こちらの思いりを伝えることもあるが、うまくいったのはコニカミノルタと一緒になってよかったと感じてもらえた場合で、人との接点づくりに傾注してきた。今後も人の心の機微は大切にしたい。コニカミノルタに入ったのは間違いではなかった」と述べた。
会見の冒頭のあいさつで大幸氏は、「職務の重さに身が引き締まる思い」とし、「2003年の経営統合以降に役員になりコニカミノルタの歴史とともに歩んできた。経営理念で掲げる『新しい価値の創造』の通り、社会の変化を先取りし、事業ポートフォリオを変貌させ、多くの社会的価値を生み出してきた。いま再びその変革の中にあり、技術力を基盤に社会意義のある価値を提供し続ける想いに変わりはない」と表明した。
取り組むべき喫緊の経営課題は、コロナ禍で傷んだオフィス事業とプロダクションプリント事業の回復で、全社の利益水準を引き上げることとする。「待ったなしで、お客さまにクラウド、デジタルを通じて業務フローを改革するソリューションを提供する。計測、検査、診断領域で独自のイメージング技術を活用し、時代とともに変化するお客さまの『みたい』という要望に応えて、インダストリー、ヘルスケア、産業印刷の各事業の成長を加速させる」と述べた。
また、成長加速を実現する上で現在展開する事業でも一部見直しや縮小の厳しい判断を迫られる場面があるだろうとし、「正面からそれら課題に取り組み、利益拡大と投資効率の向上に努める」とも語った。
コニカミノルタは、現中期経営計画「DX2022」で、事業ポートフォリオを「コア事業」「安定収益事業」「戦略的新規事業」「低収益事業」の4象限に分ける。マーケティングサービスと光学コンポーネントは低収益事業に含まれている。
大幸氏は、さらに「こだわりは、どんな時でも現場がお客さま接点を通じて課題を認識していること。社長就任後も現場に赴き現場の声を聞きステークホルダーと対話し、コニカミノルタの事業転換を推進するスタンスを徹底する」とも述べた。新社長の役割としては、「決めることが絶対的な使命。決める上でも、現場の話を最後まで聞くこと。決めたことは簡潔にしっかり伝え、浸透させていく。言ったことを実践し切る会社にしたい」とした。