生成AIは世の中にどう浸透していくか–NECの取り組みから探る

今回は「生成AIは世の中にどう浸透していくか–NECの取り組みから探る」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 2023年に大注目を集めた生成AI。2024年以降、世の中へどのように浸透していくのか。NECの取り組みから探ってみたい。

 「ChatGPT」――2023年はこの名前とともにジェネレーティブAI(以下、生成AI)の存在が世の中に一気に広がった。これまでSF映画や一部の専門家だけが手掛けてきた最先端技術が、ChatGPTに代表される生成AIの登場で、誰もが容易にAIを扱えるようになった。その意味で、2023年はまさしく「生成AI元年」となった。

 では2024年以降、生成AIは世の中へどのように浸透していくのか。この疑問に対し、NECが先頃メディアやITアナリスト向けに開いた研究開発・新規事業創出戦略説明会で、研究開発戦略については執行役 Corporate EVP 兼 最高技術責任者(CTO)の西原基夫氏、新規事業創出戦略については執行役 Corporate EVP 兼 最高デジタル責任者(CDO)の吉崎敏文氏からそれぞれ興味深い話を聞くことができたので、ここではその内容を取り上げ、考察したい(写真1)。

 まず、西原氏はAIの中身におけるこれまでの変遷について、第一世代は「探索」、第二世代は「記号論理」、第三世代は「機械学習」、そして新しい世代として大規模言語モデル(LLM)を含んだ「ファウンデーション(基盤)モデル」が1年前から注目されるようになったと説明。その上で、「AIのファウンデーションモデルはインターネットと同様、社会を大きく変革する存在になる。そして、デジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルツインシステムの高度化、自動化、大規模化に大きく寄与するだろう」との見方を示した。このファウンデーションモデルをベースにしたのが、生成AIである。

 図1は、現在のNECの技術ビジョンを描いたものだ。

 左から右へは「社会課題から社会価値へ」、上下は「実世界とデジタルツインの行き来」を示しており、技術によってこれらを実現するための「モデル化」「最適化」「対処・制御」「プラットフォーム」といった要素が記されている。西原氏はこの図に「NECが手掛ける全ての技術が集約されている」と説明した。そこにファウンデーションモデルを記したのが、図1である。

 そして、この図1をベースに、NECが目指す新たなAIアーキテクチャーにおける重要なポイントとして、「独自ファウンデーションモデル」「マルチモーダルAI」「LLM時代の安全・安心」「システム構築・運用の自動化」「オーケストレーション機能」の5つを挙げた。それぞれの意味は、図2に示した通りである。

 西原氏は図2を示しながら、「NECの強みであるマルチモーダルAIやセキュリティ、ネットワーク技術を融合して、新たなビジネスの創出を加速させていきたい」と力を込めた。

 西原氏の話で筆者が興味深かったのは、図1のNECの技術ビジョンにおけるファウンデーションモデルの位置付けだ。この図を見れば一目瞭然、ファウンデーションモデルはNECが生み出す全ての技術のベースになるということだ。ファウンデーションモデルの重要性が改めて見て取れる。

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