サムスン電子、レッドハット製品上でのCXLメモリーの動作を実証
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韓国の大手IT企業であり、世界最大のメモリーチップメーカーでもあるサムスン電子は現地時間12月27日、オープンソースソフトウェアのプロバイダーであるRed Hatとともに、現実的なユーザー環境におけるCompute Express Link(CXL)メモリーの動作を実証したと発表した。
CXLは、さまざまなプロセッサーやメモリー機器をPCIeインターフェースを介して接続しつつ、それまで以上の高帯域幅かつ低レイテンシーを実現するための統一インターフェース規格であり、その実現に向けたコンソーシアムが2019年に設立されている。CXLにより、既存のデータセンターは速度やレイテンシー、スケーラビリティーの向上を低コストで実現できるようになる。
サムスン電子によると、そうした需要は生成型の人工知能(AI)や、自律型運転、インメモリーデータベースといった分野におけるデータスループットとメモリーに対する要求の爆発的な高まりによって増えているという。
このため同社は、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)9.3」向けにCXLメモリーを最適化し、Red Hatの「KVM」と「Podman」の両環境においてメモリーの認識と読み出し/書き込み操作が正しく行われることを確認したという。これによりデータセンターの顧客は、既存ハードウェアを再調整せずとも、サムスン電子のCXLメモリーを利用できるようになるという。
サムスン電子とRed Hatは2022年5月、CXLで協業していくという了解覚書(MOU)を締結した。サムスン電子のメモリー製品計画担当エグゼクティブバイスプレジデントであるYongcheol Bae氏は米ZDNETとのインタビューで、「Red Hatはソフトウェアプラットフォーム分野のリーダー的立場にあるため、当社がRed Hatと提携してRed HatのOSと仮想マシン(VM)、コンテナーを支えるメモリーソリューションの相互運用性を検証するのは自然な成り行きだ」と述べた。また、同様の理由でVMwareとの協業を開始したとも語った。
同氏は、今回の実証によってサムスン電子が業界で初めて、CXL 2.0規格に対応したCXLモジュールと、オープンソースソフトウェア、CXL DRAMを提供することになると述べた。サムスン電子とRed HatはCXLメモリーの堅牢なエコシステムを醸成するという究極の目的に向け、柔軟なデータ配置や車載関連といったさまざまなプロジェクトにも取り組んできている。
両社は、サムスンメモリーリサーチセンター(SMRC)を通じてCXLメモリーの顧客サポートを提供していく計画だ。なお、2022年に設立された同センターはCXL関連のオープンソース/参照モデルを開発してもいる。