決済を「成長の資産」と見る兆し–ストライプジャパン・Heffernan代表取締役
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2024年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
ストライプジャパン 代表取締役 Daniel Heffernan(ダニエル・ヘフェルナン)氏
2023年を振り返ると、激しい物価の変動や地政学的リスクなど、厳しい世界情勢が続きました。日本国内においても円安が進み、物価の上昇、そして上がらない賃金によって経済が不安定な一年でしたが、一方で、世界中、そして国内でも生成系AIに高い注目が集まり、さまざまな企業が我先にと導入し始め新たな市場が生まれたり、旅行需要が増加し、インバウンドがコロナ禍以前の推移まで回復したりするなど、好調な一面もありました。
キャッシュレス決済のさらなる普及も進み、政府が目指す決済比率4割に徐々に近づきつつあります。その動きに合わせた企業のさらなるDX化やキャッシュレスサービスの導入、地方自治体での取り組みなど、日本全国で決済の在り方が変化した年でもあり、多くの企業や団体が、より円滑な決済が可能なプラットフォームの導入を進めているのを体感しています。
このようなマクロ経済の動向も後押しとなり、「Stripe」で構築されたユーザー企業の事業の総売上高が世界の国内総生産(GDP)の約1%に達しました。さらに、Stripe上で処理した決済額が100万ドルを超える企業が毎日約200万社まで増加するなど、インターネットのGDPの拡大に寄与しています(2023年11月30日時点)。
特に2023年は、より安全で効率の良い事業戦略・運営を可能にする新たなプロダクトやソリューションを提供してまいりました。その代表的なものとして、企業の財務管理のDX化支援に向け収益/財務オートメーションソリューション(RFA)を拡充し、今まで課題であった財務責任者の負担を軽減し、決済から請求、税金、報告、照合まで、キャッシュフローのライフサイクルを自動化して効率化させ、精度を向上させることを可能にしています。加えて「Tax for Platforms」を発表し、「Stripe Connect」を利用するプラットフォーム企業は、顧客に「Stripe Tax」を通じてノーコードの税務コンプライアンス対応を提供できるようになりました。
また、決済ソリューションの過去最大のアップデートを実施し、決済手段の選択肢を大幅に増加するとともに、事前構築されたユーザーインターフェース(UI)と高速化された決済方法、幅広い決済手段、企業やプラットフォームが顧客の決済体験を素早く調整・最適化できる仕組みを組み合わせ、より多くの企業が円滑かつ効率的に決済を行えるようにしました。
2023年11月のブラックフライデーセール期間中は、3億件以上の決済を処理し、186億ドル(約2.7兆円)の決済総額を記録するなど、世界中で最もオンラインショッピングが加熱するこの期間中、Stripe APIは99.999%を超える可用性を維持しました。これは10万件の決済のうち、処理しきれなかったのは1件以下だったことを意味し、システムへの負荷が過剰に高まる際にも信頼性の高いサービスを提供しています。
さらに、2023年はStripeがさまざまな業界においてパートナーシップを拡大した年ともなりました。保険や教育、ファッション業界や大手グローバル企業のMicrosoft、Airbnb、Zara、Google Workplaceと新たなパートナーシップを発表しました。JCBとの提携もグローバルに拡大したことで、JCBはStripeを通じて世界39カ国で利用可能となり、これらの国のStripe利用企業は、JCBの1億5400万以上のカード会員からクレジットカード決済を簡単に受け入れることができるようになりました。
日本では、現在、10万社以上のユーザー企業の皆さまがStripeを活用し、事業の拡大や効率化を図っています。決済サービスを「戦略的成長を促進するプロフィットセンターや資産」と見なす世界的な傾向に対し、日本では「コストセンターや負債」と見なす傾向が強い中、先進的な大手企業から地方自治体まで、収益拡大にかじを切る事業が増えてきていると感じています。
また、決済を受け付けるだけでなく、サブスクリプション事業の効率的な決済や管理や、不正対策削減、または事業のグローバル化など、さまざまな場面でStripeのソリューションをご利用いただく機会も増えています。さらに、日本ならではのニーズにお応えし、Visaネットワークへの直接接続やインボイス制度への対応など、日本市場に寄り添った機能アップデートを実施しています。
2024年は、さらに幅広い業界、特にゲームやエンターテインメント、小売などの業界、また、積極的に海外展開されている企業のお役に立てるようまい進してまいります。Stripeは、ユーザーの皆さまと共に成長を続け、全てのユーザーの多様なニーズにお応えし還元していく所存です。