「Deno 2」正式リリース、Deno 1/Node.js互換性を保ち、フォーマッタ、リンター、Jupyter Notebook機能など統合。LTS版で企業ニーズにも対応

今回は「「Deno 2」正式リリース、Deno 1/Node.js互換性を保ち、フォーマッタ、リンター、Jupyter Notebook機能など統合。LTS版で企業ニーズにも対応」についてご紹介します。

関連ワード (区切、対応、方針等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


JavaScript/TypeScriptランタイムのDenoを開発するDeno Landは、Denoの登場以来初となるメジャーバージョンアップ「Deno 2」正式リリースを発表しました。

4 years after Deno 1.0, the next generation of JavaScript is ready for production at scale.

Deno 2 is out today:
Fully backwards compatible with Node and npm Package management and node_modules and package.json
Long term supporthttps://t.co/LsV4D4Too8 pic.twitter.com/F6EI3whmX8

— Deno (@deno_land) October 9, 2024

Denoは、Node.jsの開発者であるライアン・ダール氏がNode.jsの開発の経験から得た反省を基に、あえてNode.jsとの互換性を捨て、Node.jsよりも優れたサーバサイドのJavaScript/TypeScriptランタイム実現を目指すとして開発を始めました。

そのためNode.jsのパッケージシステムであるNPMには対応せず、新たにシンプルなモジュールシステムとしてURLを使用するシステムを採用し、TypeScriptへの対応、より忠実なWeb標準への対応、フォーマッタやリンターなどのツールをオールインワンで提供することによる開発のシンプル化、などの方針が掲げられたのです。

しかしNode.jsのエコシステムの充実ぶりと、Denoの競合として登場したBunがNode.js互換を実現して注目されたことなどを背景に、ライアン・ダール氏は2022年に大幅な方針変更を発表。DenoにNode.js互換機能を搭載し、Node Package Manager(NPM)にも対応するとしました。

参考:Denoが大幅な方針変更を発表。3カ月以内にnpmパッケージへの対応を実現、最速のJavaScriptランタイムを目指しHTTPサーバを刷新

Deno 2は、この方針の下でのメジャーバージョンアップ版となります。

Deno 2は劇的な変更ではなく追加的な変更

ライアン・ダール氏がDeno 2へのバージョンアップは劇的な変更ではなく追加的な変更である(It’s not like this is kind of a radical change. This is an additive change.)と今年(2024年)8月に公開されたStackOverflow Podcastのエピソード「Ryan Dahl explains why Deno had to evolve with version 2.0 | The Stack Overflow Podcast」で語っている通り、Deno 2は大きな目玉と言えそうな新機能はなく、比較的地味なメジャーバージョンアップと言えます。

参考:「Deno 2」が間もなく登場。Denoにとって初めてのメジャーバージョンアップに

もちろん、一定の機能追加や改善などは、Deno 2でも行われています。

例えば、フォーマッターの「deno fmt」はHTML、CSS、YAMLファイルのフォーマットに対応、「deno task」はpackage.jsonのスクリプトが実行可能になり、「deno compile」はWindowsの実行ファイルの署名とアイコン設定に対応、「deno serve」はマルチコアサーバでの並列処理に対応、DenoにJupyter Notebookを統合した「deno jupyter」では画像やグラフ、HTMLの出力に対応したことなどが挙げられます。

LTS版とエンタープライズ向け有償サポートを提供開始

Deno 2では、これまでなかったLTS(Long Term Support:長期サポート)版が登場します。

LTS版は今年(2024年)11月にリリース予定のDeno 2.1でスタートし、6カ月間メンテナンスによるバグフィクスが提供されます。次のLTS版は2025年4月にリリース予定のDeno 2.6で、これもリリース後6カ月間メンテナンスが提供されることになります。

LTS版もこれまで同様にMITライセンスのオープンソースで提供されるため、Denoを一定期間固定したバージョンで利用したいニーズでは、このLTS版を選択するのが適切でしょう。

Deno 2からLTS版が登場

また合わせて有償サポートが提供される「Deno for Enterprise」も発表されました。Slack上で一定期間内に返答が保証されるプライオリティサポートと、優先的な機能のリクエストを行うことができるようになります。

Deno 2へのバージョンアップは機能面での区切りというよりも、こうしたエンタープライズ向けソフトウェアとしてのDenoの再定義とリブートという側面が強いように見えます。

Deno 2の詳細な新機能や変更点などはリリースノートをご参照ください)。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
第1回:デジタルマーケティングのインハウス化がなぜ必要なのか
IT関連
2021-02-08 19:06
Meta、第2世代「MTIA」チップ発表–前世代に比べ3倍高速
IT関連
2024-04-13 08:17
マイクロソフト、8月の月例セキュリティパッチ–「Print Spooler」の脆弱性など修正
IT関連
2021-08-11 06:40
奨学金・出産・子育てに関する助成費や保険など公共制度の認知や手続きを簡素化する「Civichat」が1500万円調達
GovTech
2021-05-28 05:50
インテリジェント ウェイブ、アクワイアリング基幹業務サービスにパブリッククラウドを活用
IT関連
2023-07-07 01:38
AWS、バグ発見と修正を競うグローバルなコンペ「AWS BugBust」発表
IT関連
2021-06-25 02:24
自社オリジナルで行こう–変革進めるイトーキに聞く、DX人材育成の勘所
IT関連
2023-11-28 04:31
KDDIら5社、通信分野へのSBOM導入で実証事業–5G/LTEなどセキュリティ強化
IT関連
2023-08-02 16:28
DNP、メタバース空間でブルボンのコミュニケーション施策を支援–創立100周年で
IT関連
2024-01-17 19:43
5年ぶりの本格的なメジャーバージョンアップ「Jakarta EE 10」正式リリース、クラウドネイティブなど対応
Jakarta EE
2022-10-05 04:07
Spotifyがユーザーを駆り立て中毒性を高める通知機能「What’s New」フィードを導入
ネットサービス
2021-07-28 13:46
グーグルが検索やYouTubeなどの自社プラットフォームにおける未成年者保護を強化
IT関連
2021-08-22 07:19
富士通、中期経営計画は未達に–実績と手応え、今後の課題
IT関連
2023-04-29 03:13
【インタビュー】人工流れ星の2023年に商用運用開始へ、10年の節目を迎える日本の宇宙スタートアップ「ALE」
宇宙
2021-07-17 03:08