人工知能のクローズド化に反対する新興企業2社の決意
今回は「人工知能のクローズド化に反対する新興企業2社の決意」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
米国時間5月19日の夕刻、マンハッタンのウェストサイドでとあるイベントが開かれた。人工知能(AI)分野の先頭を行く新興企業であるStability.aiとLightning.aiの2社がAIをオープンソースに保ち続けるという旗印の下、開発者や新興企業のオーナーらを招いてイベントを開催したのだ。
この会合のハッシュタグは#KeepAIOpenSource(AIをオープンソースに保ち続ける)というものだった。
ニューヨークのハドソン川沿いにあるイベントスペース「THE GLASSHOUSES」の6階の窓に夕日が差し込む中、開発者や大規模IT企業の代表、新興企業のオーナーを含む、およそ700人のゲストがオードブルや飲み物を楽しんでいた。この活気ある集団はハイテーブル上に置かれたノートPCの周りに集まり、デモを見ながらAIアルゴリズムの利用方法について活発に議論していた。
壇上には、プログラマーらしき人物が楽しげに協力し合っているさまを描いたカラフルなイラストともに、「Unite to Keep AI open source」(AIをオープンソースに保ち続けるために力を合わせよう)というスローガンが掲げられていた。
午後8時になろうかという時、Stability.aiの創業者であり、最高経営責任者(CEO)でもあるEmad Mostaque氏がLightning.aiのCEOであるWilliam Falcon氏とともに登壇した。両氏はAIをオープンソースに保ち続けるべき理由を交代で主張していた。
Stability.aiは、何らかのフレーズを入力すると、それをさまざまなスタイルの画像に変換する「Stable Diffusion」というサービスで知られている。
一方のLightning.aiは、「PyTorch」にプラグインする関数ライブラリーの開発元として知られている。こういったライブラリーは、OpenAIの「ChatGPT」を支えている大規模言語モデル(LLM)などを訓練するプログラムのタスクを円滑化するために用いられている。
このイベントが企画されたのは、AIを手掛ける複数の著名企業が突如としてAIプログラムの技術詳細とソースコードを非公開にする方向に舵を切ったことがきっかけだったのは間違いない。OpenAIは3月、同社の最新LLMである「GPT-4」の技術詳細の公開を拒むという、この分野では前例のない動きに出たのだ。