柏市教委、生成AIで児童生徒の悩み相談を24時間体制で支援
今回は「柏市教委、生成AIで児童生徒の悩み相談を24時間体制で支援」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
千葉県の柏市教育委員会は、深刻化する子どもの悩み相談に対応するためZIAIと連携し、同社が開発した「悩みチャット相談システム」を市内の一部小中学校に試験導入する。ZIAIが発表した。
「悩みチャット相談システム」は、生成AIを活用しており、これまで自治体の福祉相談において100万人以上の市民が利用してきた。今回、パイロット校の生徒たちへも開放し、時間や場所を問わず、悩みを相談できる環境を構築する。
同システムは、生徒が悩みを打ち明け、AIによる傾聴と共感を通じて心の負担を軽減できるよう設計されている。さらに、必要に応じて学校の先生やスクールカウンセラーにつなげることで、問題の早期発見と初期対応を支援する。
既に高校で実証実験が進められており、AIへの相談をきっかけに、学校環境の改善や不登校、自殺予防の取り組み強化につながった事例も確認されている。今回の小中学校での実証実験では、システムの有効性を検証し、子どもたちにとってより効果的な傾聴体験を提供できるよう改善していく。実証期間は10月21日〜12月27日まで。対象は市内パイロット校の小学5年生〜中学3年生の生徒。
厚生労働省の調査によると、2022年のいじめ認知件数は過去最多の約68万件で不登校は10年連続で増加、児童虐待は32年連続で増加している。また、ひきこもりも深刻で、その約3分の1が小中学校時代に不登校やひきこもりを経験していると言われている。
また文部科学省による不登校生徒の調査では、「誰にも相談しなかった」と回答した生徒の割合が小学生で36%、中学生で42%に上る。不登校に至らなかった生徒を含めると、さらに多くの生徒が悩みを抱えている可能性があるとされる。
全国的にスクールカウンセラーの配置は進んでいるものの、多くの場合、非常勤職員であるため、十分な相談体制が整っているとはいえない。また、担任教師や養護教諭は、生徒一人ひとりの変化に気を配り、初期介入を行う必要があるものの、業務過多も深刻化しており、さらなる負担増加は困難だという。
柏市教育委員会は、生成AIを活用した悩み相談システムを導入することで、生徒が一人で悩みを抱え込まずに相談できる環境を構築し、悩みの早期発見と適切な初期対応を支援する。これにより問題の深刻化防止を図る。また 生成AIを活用することで、教員の負担を増やすことなく、生徒の悩み相談に対応できる体制を構築していく。