顧客の心を先読みする–インテントAIが実現する次世代CXとは

今回は「顧客の心を先読みする–インテントAIが実現する次世代CXとは」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トランスフォーメーションの破壊者:インテントAI等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 顧客体験(CX)は、従来のカスタマージャーニーの最適化から、インテント(意図)を先読みし、体験をリアルタイムにパーソナライズする段階へと進化しています。この変⾰を⽀えるのが、「インテントAI」です。

 インテントAIによって、ユーザーの⾏動データ、コンテクスト、感情はリアルタイムに解析され、顧客が何を求めているのかを瞬時に予測し、顧客に応じた最適な体験を提供することにより、CXは単なる利便性向上の枠を超え、「予測×共創×直感」に基づいた次世代CXへと移⾏していきます。

 この次世代CXが実現されるには、バリューエコシステムの構築とアーティスト思考による共感設計の2つが鍵となります。従来のCXは、「便利さ」「快適さ」「感動」の3要素で評価されてきましたが、今後は「共創(Co-Creation)」と「シームレスな統合(Seamless Integration)」が求められます。

 インテントAIを活⽤することで、次世代CXは、以下の3つの⽅向で進化して⾏きます。

 インテントAIは、ユーザーが求めるものを聞く前に提供する予測型エクスペリエンスに向かいます。従来のCXにおける顧客の⾏動ログを分析し、次に必要なアクションを推測するレコメンドシステムから、AIが感情や環境をリアルタイムに解析し、顧客が気付いていないニーズまで先回りするように進化します。例えば、FSD(完全⾃動運転)が、ドライバーのストレスレベルを感知し、運転⽀援のレベルを⾃動調整するようなことが考えられるでしょう。

 インテントAIによって、企業の製品やサービスが、顧客と企業が共に作るエクスペリエンスへシフトするでしょう。従来のCXでは、企業側が設計したカスタマージャーニーを顧客に当てはめ、企業がユニークなエクスペリエンスを設計してきましたが、次世代CXでは、インテントAIがリアルタイムに顧客の好みを反映し、ユニークなエクスペリエンスをリアルタイムに変化させるのです。例えば、最新のOver The Top (OTT)サービスでは、視聴履歴を解析し、次に⾒るべき映画のリストを⾃動⽣成したり、新しいドラマや映画のコンテンツを制作するデータ源として活⽤されたりしていますが、今後はインテントAIが顧客の期待する気分に合わせてリアルタイムにストーリーを変更するインタラクティブ作品の提供も可能になってくるでしょう。

 従来の⼈間⼯学に基づき緻密に設計されたデバイスやユーザーインターフェース(UI)を超え、インテントAIによって顧客に合わせた直感的な操作が可能なUI/UXも登場するでしょう。従来のCXでは顧客がメニューやボタンを操作し、サービスを選択してきましたが、次世代CXではインテントAIが顧客の意図をリアルタイムに把握し、メニューやボタン操作なしに、顧客にタイミングで快適なエクスペリエンスを最適なアクションとして実⾏します。例えば、スマートホームが、顧客の体調や感情において変化する快適な温度・湿度、や顧客の⾏動を学習し、エアコンや照明、エンターテインメントに⾄るまで、操作なしに最適な状態に⾃動調整するのです。デバイスや画⾯に依存せず、AIが⾃律的に最適なエクスペリエンスを提供する「ゼロUI(Zero UI)」の登場です。

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