インド政府がソーシャルメディアやストリーミングサービス企業に厳しい新規制を発表

今回は「インド政府がソーシャルメディアやストリーミングサービス企業に厳しい新規制を発表」についてご紹介します。

関連ワード (Facebook、Google、Netflix、SNS、Twitter、WhatsApp、インド、ソーシャルメディア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


インドは現地時間2月25日、ソーシャルメディア企業、ストリーミングサービス、デジタルニュースアウトレットを規制するための抜本的な新ルールを発表し、アジア第3位の経済規模を誇るこの国を重要な海外市場とみなすFacebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Google(グーグル)、Netflix(ネットフリックス)などの巨大企業に新たな課題を投げかけた。

インドの法務相兼電子情報技術相のRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)氏は、記者会見で、ソーシャルメディア企業は違法、誤報、暴力的なコンテンツに対する削除要求を24時間以内に受け入れ、15日以内に完全に矯正することが求められることになると述べた。露骨な性的コンテンツのようなデリケートなケースでは、24時間以内に削除することが要求される。

また、これらの企業は法令を遵守することを約束し、現実的な懸念に効果的に対処するため、接点となる連絡窓口と常駐する苦情担当者の名前と連絡先を、インド政府と共有することが求められる。また、企業はインドに現地事務所を設置しなければならない。

この新しい規制は、政府が2018年から取り組んできたものであり、それが発表される数週間前には、インド首都で農民の抗議運動が起きた際、Twitterがインド政府の命令の一部を遵守することを拒否するという出来事があった。インド政府は当時、Twitterは裁判に訴えたり、不遵守を正当化することはできないと述べていた。

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プラサッド氏によれば、ソーシャルメディア企業は、不快なコンテンツの発信者を開示しなければならなくなるという。「我々はコンテンツを知りたいわけではありませんが、企業は誤報やその他の好ましくないコンテンツを広め始めた最初の人物が誰なのかを教えることができる必要があります」と、同氏は語った。WhatsApp(ワッツアップ)は以前、すべてのユーザーのエンド・ツー・エンドの暗号化セキュリティを損なうことなく、このようなトレーサビリティの要求に応じることはできないと述べていた。

また、企業は月ごとに法令遵守報告書を公開して、これまでに受けた要求の数を開示し、実施した措置を明記することも求められる。アカウントの確認を希望するユーザーには、任意選択権を提供しなければならない。

2011年に制定された法律に代わるこの新規則は、小規模な企業には直ちに適用されるが「大規模」なサービスには、通達された日(それは「早急」に通達されることになるだろうと、プラサッド氏は述べている)から3カ月の猶予期間が与えられる。

インド政府がこれらのガイドラインをまとめた理由は、市民が「苦情に対処するためのメカニズム」を長い間求めてきたからだ、とプラサッド氏は述べている。インドは2018年から中間業者を対象とした法律に取り組んでおり、2020年にはストリーミングサービスやオンラインニュースの発行にまで対象範囲を拡大した。草案の最終版はこちらで読むことができる。

「インドは世界最大のオープンなインターネット社会であり、政府はソーシャルメディア企業がインドで運営を行い、事業を行い、また利益を得ることを歓迎しています。しかし、彼らはインドの憲法や法律に対し責任を問われることになります」と、プラサッド氏は述べた。

GoogleやFacebookなどの企業が次の10億人のユーザーの獲得を急ぐ中、インドは過去10年の間に米国企業や中国企業の重要な戦場として浮上した。しかし近年、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の政府は、米国企業に影響を与えるいくつかの規則を施行または立案している。また、2020年にはサイバーセキュリティの懸念を理由に、ByteDance(バイトダンス)のTikTok(ティックトック)をはじめとする200以上の中国製アプリを禁じた。

関連記事:インド政府がTikTokなど中国企業の59のアプリを禁止すると発表

プラサッド氏によると、WhatsAppはインドで5億3000万人のユーザーを獲得しており、同アプリにとって最大の市場であるという。YouTubeは4億4800万人、Facebookは4億1000万人、Instagramは2億1000万人、Twitterは1750万人のユーザーを同国で抱えていると同氏はいう。

Facebookはこの新ルールについて検討しているところだと述べている。Netflixはコメントを拒否した。

ソーシャルメディア企業やその他の中間業者のためのガイドライン全文(出典:インド政府)

「この新しい規則の義務化は、インターネットプラットフォームがコンテンツを過剰に検閲し、危険で実証されていないAIベースのコンテンツ規制ツールを必要とし、政府に引き渡すために膨大な量のユーザーデータを保持し、サイバーセキュリティと個人のプライバシーにとって重要なエンド・ツー・エンドの暗号化を弱体化させる結果を引き起こすだろう」と、Access Now(アクセス・ナウ)のアジア太平洋政策ディレクターを務めるRaman Jit Singh Chima(ラマン・ジット・シン・チマ)氏は述べている。

ストリーミングプラットフォームに対しては、このルールは「コードの遵守と個守」のための3段階の構造を概説している。これまで、Netflix、Disney+ Hotstar(ディズニー+ ホットスター)、MX Player(MXプレイヤー)などのオンデマンドサービスは、インドではカタログの多くを検閲されることなく運営されていた。

インド政府は2020年、テレビのコンテンツを規制するインド放送省が、今後はデジタルストリーミングプラットフォームも監督することになると発表。これを受けて、国際的な大手を含む人気ストリーミング企業17社が、自主規制コードを考案するために団結した。だが、Prakash Javadekar(プラカシュ・ジャバデカール)情報放送大臣は、業界から提案された解決策は適切ではなく、コードの完全な遵守を保証するために政府による監視機構を設けることになるだろうと述べた。

関連記事:インドの情報放送省がNetflixなどの動画配信サービスやオンラインコンテンツの規制に乗り出す

ストリーミングサービスは、タイトルにコンテンツのレイティングも付与しなければならなくなる。「OTTプラットフォームは、このルールにおいてはオンライン上のキュレーションされたコンテンツのパブリッシャーと呼ばれ、コンテンツを5つの年齢ベースのカテゴリーに自己分類することになります。U(ユニバーサル)、U/A 7+、U/A 13+、U/A 16+、A(アダルト)です。プラットフォームは、U/A 13+以上に分類されたコンテンツにはペアレンタルロックを、Aに分類されたコンテンツには信頼性の高い年齢確認メカニズムを実装することが求められます」とインド政府は述べている。

「オンライン上のキュレーションされたコンテンツのパブリッシャーは、各コンテンツまたは番組に固有の分類されたレイティングを、コンテンツの性質をユーザーに知らせるコンテンツ記述子とともに、目立つように表示しなければなりません。また、ユーザーが番組を視聴する前に、十分な情報に基づいた意思決定ができるようにするため、すべての番組の冒頭で視聴内容に含まれる描写について(該当する場合は)忠告しなければなりません」。

Javadekar has done no public consultation for regulating streaming services. A self regulatory code already exsits for streaming services.

Govt doesn't have the legal basis for streaming services regulation. They can't do online content regulation under IT act or cable& tv act.

— Nikhil Pahwa (@nixxin) February 25, 2021

ジャバデカール氏は、ストリーミングサービスを規制するためのパブリックコンサルテーションを行っていません。ストリーミングサービスのための自主規制コードはすでに存在しています。

政府はストリーミングサービスを規制するための法的根拠を持っていません。政府はIT法やケーブル&テレビ法の下でオンラインコンテンツの規制を行うことはできません。

業界の幹部は、インド政府がこの変更について彼らに相談していないと述べ、新たに提案された規制に懸念を表明している。インドのほぼすべてのオンデマンドストリーミングサービスを代表する強力な業界団体であるIAMAIは、ガイドラインに「当惑している」と述べ、政府との対話を求めている。

記者会見でジャバデカール氏とプラサッド氏は、業界と協議する場を設ける予定はあるのかと尋ねられたが、大臣はすでに業界から十分なインプットを受けていると述べた。

今回のインドの動きと並び、世界中のいくつかの政府は、これらのテクノロジー企業が自国の民衆や産業に与える影響を詳細に調査している。Facebookは2月中旬、オーストラリア政府によるニュース使用料の支払いを義務づける法案に反対し、同国でニュース記事の共有・閲覧を禁止したが、その後に同政府との合意に達したとしてニュース記事を復活させた。オーストラリアのScott Morrison(スコット・モリソン)首相は、ソーシャルメディア企業が政府を「いじめる」ことを防ぐ方法を探るため、インドのモディ首相と会談した。

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・Facebookがオーストラリア政府と合意、ニュースコンテンツ共有の再開を発表

インドはオーストラリアの決定について何か思うことはあるかと尋ねられると、ジャヴァデカール氏は、その件について話すには適切な日ではないと答えた。

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images


【原文】

India announced sweeping rules to regulate social media firms, streaming services and digital news outlets on Thursday, posing new challenges for giants such as Facebook, Twitter, Google and Netflix that count Asia’s third-largest economy as their key overseas market.

Ravi Shankar Prasad, India’s IT, Law and Justice minister, said in a press conference that social media companies will be required to acknowledge takedown requests of unlawful, misinformation and violent content within 24 hours and deliver a complete redressal within 15 days. In sensitive cases such as those surrounding explicit sexual content, firms will be required to take down the content within 24 hours.

These firms will also be required to appoint compliance, nodal contact and resident grievance officers whose names and contact details will be shared with New Delhi to effectively address on-ground concerns. Firms will also have to set up a local office in India.

The new rules, which have been in the works since 2018, come weeks after Twitter declined to comply with some of New Delhi’s orders amid a protest by farmers in the capital city. The government said at the time that Twitter couldn’t act as the judge or justify non-compliance.

Prasad said today social media firms will have to disclose the originator of objectionable content. “We don’t want to know the content, but firms need to be able to tell who was the first person who began spreading misinformation or other objectionable content,” he said. WhatsApp has previously said that it can’t comply with such traceability requests without compromising end-to-end encryption security for every user.

Firms will also be required to publish a monthly compliance report to disclose the number of requests they have received and specify the actions they took. They will also be required to offer a voluntary option to users who wish to verify their accounts.

The new rules, which replace the law from 2011, go into effect for small firms effective immediately, but “significant” services will be provided three months to comply after the date of notification — which will be “very soon,” said Prasad.

New Delhi has put together these guidelines because citizens in India have long requested a “mechanism to address grievances,” said Prasad. India has been working on a law aimed at intermediaries since 2018 and in the past year, broadened its scope to cover streaming services and online news publications. You can read the final version of the draft here.

“India is the world’s largest open Internet society and the Government welcomes social media companies to operate in India, do business and also earn profits. However, they will have to be accountable to the Constitution and laws of India,” he said.

India emerged as a key battleground for American and Chinese firms in the past decade as Google, Facebook and others rushed to find their next billion users. But in recent years, Prime Minister Narendra Modi’s government has enforced or proposed several rules that impact American firms. Last year, India also banned more than 200 Chinese apps, including ByteDance’s TikTok, citing cybersecurity concerns.

Prasad said WhatsApp had amassed 530 million users in India, its biggest market. YouTube had 448 million users, Facebook’s marquee service 410 million users, Instagram 210 million users and Twitter, 17.5 million users in the country, he said.

Facebook said it was studying the new rules. Netflix declined to comment.

Full guidelines for social media firms and other intermediaries. (Source: The Indian government.)

“The mandates in the new rules would result in encouraging internet platforms to over-censor content, require dangerous unproven AI-based content regulation tools, retain vast amounts of user data for handing over to the government, and undermine end-to-end encryption crucial for cybersecurity and individual privacy,” wrote Raman Jit Singh Chima, Asia Pacific Policy Director at Access Now.

For streaming platforms, the rules have outlined a three-tier structure for “observance and adherence to the code.” Until now, on-demand services such as Netflix, Disney+ Hotstar and MX Player have operated in India without having to censor much of their catalogs.

New Delhi last year said India’s broadcasting ministry, which regulates content on TV, will also be overseeing digital streaming platforms moving forward. In response, 17 popular streaming firms, including international giants, had banded together last year to devise a self-regulation code. Prakash Javadekar, Minister of Information and Broadcasting, said in the conference that the proposed solution from the industry wasn’t adequate and there will be an oversight mechanism from the government to ensure full compliance with the code.

Streaming services will also have to attach a content rating to their titles. “The OTT platforms, called as the publishers of online curated content in the rules, would self-classify the content into five age-based categories: U (Universal), U/A 7+, U/A 13+, U/A 16+, and A (Adult). Platforms would be required to implement parental locks for content classified as U/A 13+ or higher, and reliable age verification mechanisms for content classified as “A”,” the Indian government said.

“The publisher of online curated content shall prominently display the classification rating specific to each content or programme together with a content descriptor informing the user about the nature of the content, and advising on viewer description (if applicable) at the beginning of every programme enabling the user to make an informed decision, prior to watching the programme.”

Industry executives have expressed concerns over the new proposed regulation, saying New Delhi hasn’t consulted them for these changes. IAMAI, a powerful industry body that represents nearly all on-demand streaming services in India, said it was “dismayed” by the guidelines, and hoped to have a dialogue with the government.

At the press conference, Javadekar and Prasad were asked if there will be any consultation with the industry The ministers said that they had already received enough input from the industry.

India’s move today comes as several governments around the world are closely examining the impact of technology firms on their citizens and local industries. Facebook this week reached an agreement with the Australian government to restore news pages on its platform after a disagreement over payment to news publishers last week. Australian Prime Minister Scott Morrison reached out to Modi last week to explore ways to prevent the social media company from “bullying” governments.

When asked if India had any thoughts on Australia’s decision, Javadekar said it was not the appropriate day to address that subject.

Correction: An earlier version of the story mistakenly said that the new rules also require media houses to disclose their ownership and reach. We regret the error. 

(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

COMMENTS


7552:
2021-03-02 16:54

めちゃくちゃ激しいバトルに見えますが、、、安心して下さい。あたってませんw

7553:
2021-03-02 15:16

危機管理とは本来仮定の話への対応です。

7554:
2021-03-02 01:35

女優の樋口麻美さんが、公式Twitterを開設されたそうで、ご本人よりお知らせをいただきました。ファンの皆様、共演の皆さん、ご友人の皆さん、レッツフォロー!!?‍♀️?‍♂️ 樋口麻美さん公式Twitter h…

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