面白い存在になるかも–HPEが打ち出したDXプラットフォームのポテンシャル
今回は「面白い存在になるかも–HPEが打ち出したDXプラットフォームのポテンシャル」についてご紹介します。
関連ワード (松岡功の「今週の明言」、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本ヒューレット・パッカード 代表取締役 社長執行役員の望月弘一氏と、マカフィー セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏の発言を紹介する。
日本ヒューレット・パッカード(HPE)の望月氏は、Google Cloudが5月25〜27日にオンラインで開催した「Google Cloud Day:Digital ’21」の初日の基調講演でゲストスピーカーとして登壇し、Google Cloudをはじめとした複数のパブリッククラウドとオンプレミス環境を連携したハイブリッドクラウドベースのデジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォームについて説明した。冒頭の発言はそのスピーチで、同社のDXプラットフォームが顧客企業に何をもたらすかについて語ったものである。
本連載で、他社のイベントや会見で話した内容を取り上げるケースは珍しいが、今回の望月氏については、HPEが打ち出したDXプラットフォームを限られた時間(5分余り)の中で簡潔に説明していたのが印象的だったので紹介したい。
同氏がまずHPEのDXプラットフォームのスローガンとして掲げたのは、「Edge to Cloud Platform as a Service」。すなわち「エッジからクラウドまでの全てのプラットフォームを従量課金で提供する」ということだ。その後に続けたのが、冒頭の発言である。
こうしたスローガンを掲げたHPEのDXプラットフォームとは、具体的にどんなものか。図1がその内容である。ポイントとなるところを説明しておくと、図の中央あたりの4つの青い枠にある「5G(第5世代移動通信システム)/IoT」「デジタルワークプレイス」「データマネジメント&AI(人工知能)」「ハイブリッドクラウド」が注力する事業分野だ。そして、緑色で記されている3つの文言が、次に示すようにHPEならではの特徴である。
1つ目は、最下段の「エッジからクラウドまでの横断的な製品ポートフォリオ」。すなわち、図1内に記された製品やサービスを提供できるということだ。
2つ目は、右側の「あらゆる環境を“クラウド”に変革」。HPEの製品だけでなく、パートナー企業の製品もクラウド上で利用できるように支援していくという意味だ。
3つ目は、上部にある「HPE GreenLake」。これは「全てをアズ・ア・サービスで提供する」という従量課金の仕組みで、いわばHPEのDXプラットフォームのビジネスモデルそのものである。
HPEにとって今回のGoogle Cloudとの協業は、図2に示すようにGreenLakeとGoogle Cloudの「Anthos」によって、ユーザー企業に快適なハイブリッドクラウド環境を提供しようという取り組みだ。
こうした説明を聞いて、筆者は「DXプラットフォームを提供したいのはどの立ち位置のベンダーも同じだが、ユーザー企業から見て全方位のソリューションをカバーしているという観点では、HPEが最も当てはまるのではないか」とも感じた。
HPEのDXプラットフォームは今後、面白い存在になるかも…。そう感じたので、「明言」として書き記しておきたい。