Scaled Agile、経営層向けフレームワーク「SAFe Lean Portfolio Management」の日本語版を提供
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Scaled Agile-Japanは9月14日、ビジネスの俊敏性と回復力を高める経営層向けフレームワーク「SAFe Lean Portfolio Management 日本語版」をリリースした。経営層とシニアリーダーが実践的なツールとテクニックを学び、戦略と実行を一致させ、迅速かつ柔軟で的確な意志決定を可能にするために設計されたトレーニングコースとなる。
米Scaled Agile 最高経営責任者(CEO)のChris James氏は同社ソリューションについて、「企業の“ビジネスDNA”を変えていき、顧客や従業員、そしてビジネスの文脈の変化に迅速に対応していくことを可能にするためのパワフルな手法」だと紹介。さらに同社の社名にも含まれるキーワードである“Agility(アジリティー:迅速性)”が重要であると強調した。
同氏は現在の企業の経営層が直面する課題として「社会や経済の変化、気候変動、エネルギー問題、食料や水の不足、サプライチェーン(供給網)の問題、企業運営や景気後退、地政学的な問題など」を挙げ、その結果として「かつては10カ年計画や5カ年計画、3カ年計画を立案していた経営陣が、現在では18カ月ごとに事業計画を見直さなくてはならなくなっている」と語った。
こうした状況に対応していくために、企業は“ビジネスDNA”を変えていく必要があるとJames氏は強調する。まず、数多くの変化に対して迅速に対応していくためにアジリティーが非常に重要であり、さらに戦略を迅速に実行に移すスピードや状況変化に柔軟に対応していくためのレジリエンス(回復力)が求められるという。また同氏は新しい傾向として“従業員エンゲージメント”が重要になってきていると指摘した。
同氏によると、欧米では離職者が増加傾向にあり、人材確保が難しくなっていることから、企業と従業員がどのような関係を構築するか、従業員にとってより良い関係性を提供できるかという視点が求められている。これは終身雇用がすっかり過去のものとなった現在の日本においても同様に当てはまる問題だろう。ここでは同社が提供するようなさまざまなトレーニングプログラムも重要な役割を担うことになる。
また、「Customer Centricity(カスタマーセントリシティー:顧客中心主義)」も重要な要素となる。こうした、現在の企業に求められる考え方を効率的に身につける手助けをするのが同社の中核事業となっているという。
続いて、Scaled Agile 最高製品責任者(CPO)のInbar Oren氏が製品の詳細を説明した。同氏は「(同社の中核製品である)SAFeはもともとソフトウェア開発手法であるアジャイル開発やDevOpsを導入する際のフレームワークだったが、現在は『ビジネスアジリティー獲得のためのシステム』に進化している」と語り、「企業がレジリエンスを構築し、顧客に価値とイノベーションを提供するために使用するナレッジ、学習、実践、および専門知識」だと位置付けた。
同氏は多言語対応のためにコースの翻訳にも注力していると明かし、今回リリースされたLean Portfolio Managementのほか、「Leading SAFe」「SAFe for Teams」「Implementing SAFe」といったコースも日本語で提供されていることを紹介した。
Scaled Agile アジア太平洋(APAC)地域担当バイスプレジデントのRob Howard氏はAPAC地域でのビジネス状況について説明。先行する欧米ほどではないもののAPAC地域でも事業が順調に成長しているとした上で、同地域での投資額を前年比で2倍に増額してコースの現地化(翻訳)や国内での人員増強を行っていると明かした。
Scaled Agile-Japan カントリーマネージャーの古場達朗氏は、国内での事業戦略について説明した。同氏は「国内での認知拡大や導入検討、実導入が進んできた」といい、現場で重要な役割を果たすことになる「チェンジエージェント」の資格取得者はこれまでパートナー企業が大半だったのに対し、最近では顧客企業内での資格取得者が半数近くに達するなど、ユーザー企業での導入や活用状況も進化していると語った。
こうした状況を受け、同氏は今後の取り組みとして「チェンジエージェント向けトレーニングの日本語化」や「マネジメントおよびリーダー向け日本語トレーニングの開催(リーンポートフォリオマネジメント)」に注力していくとした。