手持ちのモノを売り支払いに充てられる決済プラットフォームTwigが約40.3億円調達、「グリーン」を謳うがそのサステナビリティにはほころびが見える

今回は「手持ちのモノを売り支払いに充てられる決済プラットフォームTwigが約40.3億円調達、「グリーン」を謳うがそのサステナビリティにはほころびが見える」についてご紹介します。

関連ワード (再販価値、機能拡張、物質的等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Z世代と若いミレニアル世代の消費者をターゲットとし、電子マネーアカウントで衣類や電子機器を売って即座に換金できるロンドン本拠のフィンテックTwig(トゥイグ)が3500万ドル(約40億3000万円)のシリーズAラウンドをクローズした。

今回のラウンドを率いたのは、フィンテック投資専門のFasanara Capital(ファサナラキャピタル)で、Twigによると、LVMH、Valentino(バレンチーノ)、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の現幹部や旧幹部など、他にも数多くの匿名の戦略投資家たちが参加したという。

Twigは2020年創業の新興スタートアップで2021年7月に英国でサービスを開始したばかりだが、英国内で急速に成長しており(Twigのアプリのダウンロード回数は月間10万回を超えており、iOSのApp Storeでファイナンス関連アプリの第6位にランキングされた)、すでに海外進出に向けて準備を開始している。

Twigは、シリーズAで獲得した資金で、米国(2022年第1四半期)およびEU(第2四半期。まずはイタリア、フランス、ドイツを予定)に進出すると目されている。また、Web3とデジタル収集品の流行に注目して製品の機能拡張も予定している。

現時点では、Twigのアカウントは英国内でのみ使用できる。創業者兼CEOのGeri Cupi(ゲリー・クピ)氏によると、現段階で約25万人のユーザーを確保しているという。

同氏によると、典型的なユーザーは大学を卒業したばかりの22歳の働く女性だ。こうした女性は、おそらくワードローブに着れなくなった衣類が山のようにあり、いつでも売りたいと考えているからだ。

Twigでは、他の金融機関のアカウントに送金すると1ユーロの手数料を請求されるが、Twigアカウント同士の送金では手数料はかからないため、口コミで広がり成長したことが初期段階での急成長を加速させたようだ。

また「your bank of things(モノの銀行)」というマーケティングスローガンを掲げているものの、Twigは実際には銀行ではないことも指摘しておく必要がある。Twigのアカウントは「電子マネーアカウント」だ。このため適用される規制に関して銀行とは大きな違いがある(例えばTwigのアカウントは英国の預金保証制度の対象にはならない)。

正式な銀行ではないため、Twigは新市場でいち早く成長することができる。銀行業務ライセンスを取得する必要がある場合に比べて、提供サービスに適用される規制が軽減されるからだ。クピ氏によると、現時点では性急に正式な銀行になるつもりはないという。

数十年前、インターネットおよびオープンバンキングを背景とするフィンテックブームなど存在しない時代の昔ながらの銀行は、バッグ、文房具、音楽などの無料のおまけをつけることで学校を出たばかりの新社会人に営業して口座を作ってもらっていた。最近のフィンテックスタートアップは、最も魅力的な機能セットを競って提供することで若い年齢層の顧客を捕まえようとしている。

ただし、お金を口座に入れてもらうことが依然として主たる目的であることは間違いない。

とは言え、TwigはB Corp認証を取得申請中だ。B Corp認証は社会的目的と環境への配慮、透明性、説明責任を重視していると認められる企業に与えられる。クピ氏によると、同社は、申請の最終段階にあり、現時点では保留状態だが、第一四半期には完全な認証を受けられる見込みであるといい、ユーザーにブランド品を捨てる代わりに売るよう勧めることでサステナビリティと経済循環性を実現していることを強くPRしている。

Twigのウェブサイトでも、環境への影響を抑えるためにカーボンオフセットの取り組みを行っており、その他のイニシアチブにも参加していることが掲載されている。

要するに、人類が気候災害を回避するには、世界レベルでのCO2排出量、つまりは全体的な消費の削減が必要となる。そこで疑問視されるのが「サステナビリティ」を再販売というコンセプトに無理矢理結びつける主張の信憑性だ。再販売には、すぐに査定してもらって現金が手に入るため、逆に消費量が増すリスクがあるからだ。

現在所有しているモノを売って現金が手に入るなら、一度購入したアイテムを手放さずに長く使う場合に比べて、消費者はお金をどんどん使って新しいモノを買うよう仕向けられる可能性がある。別の言い方をすれば、消費を削減してCO2排出量を削減するつもりなら、循環経済とモノの寿命をセットで考える必要があるということだ。再販売に必要な面倒な手続きが削減されることで消費者がモノを買わなくなるかどうかはわからない。逆にもっとモノを買うようになる可能性もある。

これがTwigの謳うサステナビリティにほころびが見える点の1つだ。

この難題をクピ氏にぶつけたところ、同氏は次のような議論(いくらか循環論法的ではあるが)を展開して巧妙に解決して見せた。「中古品の流動性を高めるというTwigの目的はサステナビリティの向上と消費量削減の推進を実現します。というのは、より多くの中古品が買えるようになるからです。その結果新しいモノに対する需要が減り、より多くのアイテムがこの(より活発な)中古品経済を介して循環するようになる。

「基本的に、当社のビジネスは、消費者が自分が持っている古いアイテムをお金に変えられるようにすることで、その古いアイテムに新しい命を与えるというものです。これによって、少なくとも中古市場の供給が増大します」と同氏はいう。「中古市場の需要はずっと増え続けています。当社が中古市場の供給側だけでやっていけるのは、現在、中古市場には供給の追加を求める大きなニーズがあるからです。消費者が手持ちの中古品を売ってお金を得たとしても、そのお金で別のモノを購入するとは限りません」。

「これは当社のユーザーの行動からわかることですが、Twigに送られてくる資金のうち約42%は新しい経験、つまり旅行や経験主導の活動に使われています。ですから、流動性が向上したからといって、必ずしもモノの消費が増大して環境に悪影響を与えるとは限りません。それがこれまでのユーザーの行動から分かっていることです」。

クピ氏はTwigのビジネスを非常にシンプルな次の宣伝文句に集約させている。「当社は資産をトークン化します」。

「Twigでは、例えばGucci Marmont(グッチ・マーモント)のハンドバッグをプラットフォーム上にアップロードします。そして、アップロードされた資産をトークン化して、その価格を提示します」と同氏は説明する。

「当社の目標はこの仕組を外部でも使えるようにすることです。そこで役に立つのが、ブロックチェーンです。当社は資産の流動性を向上させて、消費者が物理的なモノを売って仮想的なモノを入手し、その仮想的なモノを使って物理的なモノや体験を購入するという行為を簡単に行えるようにします」。

「基本的に、ユーザーが簡単に取引できるようにすることが目的です」。

クピ氏にはブロックチェーンと循環経済に関するバックグラウンドがある。例えば、2018年には、デニムのアップサイクルビジネスをLevi’s Albania(リーバイス・アルバニア)に売却している。

Twigのホワイトペーパーによると、よく売れる物理的なモノとしては、Nike(ナイキ)、Gucci(グッチ)Chanel(シャネル)、Hermes(エルメス)、その他の高級品メーカーのブランド品などがあるという。このペーパーには「所有の未来の再定義」と「 循環型ライフスタイルで生活を送るためのパワーをZ世代に付与」という内容が記載されている。

クピ氏によると、Appleの電子機器も中古市場で高値がついているという。同氏は、購入対象中古品に、不要になった衣類だけでなく電子機器も追加したところ、それまで女性が9割以上だったTwigの利用者構成が、女性7割男性3割くらいに変化したと指摘する。

Twigは中古品の再販売に関する手続きを代行する。具体的には、中古品を即座に査定して、Twigがその中古品の購入を承諾するとすぐに現金が手に入るので何でも好きなものを買える(Twigでは極めて詳細な購入対象品リストを用意している)。

Twigまでの配送料は無料なので、Twigのサービスを利用することで、Vinted(ヴィンテッド)やDepop(ディポップ)といった中古品マーケットプレイスにアイテムを自分で直接販売する場合に発生する面倒な手続きやリスクは基本的に排除される(ただし、自分で直接販売した場合よりも売値は低くなる)。

Twigの倉庫に到着したアイテムが品質チェックに引っかかると、ユーザーは返送料を請求される(そして、おそらく即金で支払われた代金も全額Twigに返金される)。アイテムが売れなかった場合は、アップサイクルとリサイクルが適切に行われているかどうかが確認され、どちらの方法でも対処できない場合は、慈善団体に寄付される。環境に悪いため、ごみ廃棄場送りにはしない。

クピ氏によると、Twigは現在成長重視フェーズであるため、再販ビジネスで大きな利益を出すことは考えていないという。

提示する買取価格は、動的に変化するさまざまな要因によって変わる。前述のホワイトペーパーによると、Twigは「市場ベースの価格設定アルゴリズム」を使用して、中古市場の100万点を超える商品を分析し「ブランド、アイテムのカテゴリー、市場セグメントに応じた適切な再販価格を提示している」という。

その前提の中核をなすのは、消費者にとっての総所有コストという概念を再販価値の変化に織り込むという考え方だ。これは購入パターンをシフトさせるパワーを秘めている可能性がある(例えば消費者は、環境的なダメージを与える低再販価値のファストファッションではなく、高級ファッションを選択してその価値を長期間に渡って楽しむ選択をするようになるかもしれない)。

Twigは銀行のような機能(Twigの口座を作るとTwigVisaデビットカードが発行され、国内および国際送金を行うことができる)と本業の中古品再販サービスを組み合わせたものというが、ターゲットであるZ世代と若いミレニアル世代向けの宣伝文句だ。こうした世代の若者たちは中古品市場の倹約性とサステナビリティの両方にますます強い関心を寄せている。

Twigがターゲットとする年齢層を見れば、同社のマーケティングが循環経済による環境への配慮に重きを置いている理由がわかる(「Twigは循環経済を簡単に実現し、サステナビリティの高いライフスタイルを選択できるようにします」とグラフィックを多用したレトロ風のウェブサイトは謳っている)。

特にZ世代はサステナビリティ世代と呼ばれ、この世代の若い消費者は「モノを所有することよりも使うことを優先する」とTwigのホワイトペーパーに書かれている。

こうしてみると、銀行の機能を、文字どおり経済的価値を保存する場所ではなく、再販価値の交換所および仲介者として捉え直すことが非常におもしろく見えてくる。消費者は、あらゆるモノを擬似通貨に変えて、所有したいモノややりたいことの支払いに充てることができる(ハイテクによるバーター取引の再発明と言ってもよいだろう)。

しかし、Twigのビジネスにブロックチェーンが深く組み込まれていることを考えると、同社の主張するサステナビリティには別のほころびが見えてくる。

Twigのテクノロジーは最初からブロックチェーンを基盤として構築されているが、同社のウェブサイトのユーザー対面型の説明からそのことに気づくのは難しい。TwigのシリーズAで公開されたプランでは、Z世代向けの環境配慮型マーケティングがまったくうまくいかない危険がある。というのは、PRでは、Twigを「世界初のWeb3対応グリーン・ペイメント・インフラストラクチャー」と称し、その立ち上げに、最近のWeb3ハイプをうまく利用しようとしているからだ。

この来たるべき機能により、ユーザーは、実世界の資産を「トークン化」して「数秒で取引可能にできる」と、リリースノートには書かれており、さらに次のように続く。「Twigを使用すると、デジタルアイテムと物理アイテムをマネタイズして新しい方法で取引できます。このアプローチにより、ユーザーはチェックアウトページで手持ちのアイテムを売って、暗号資産を購入したり、衣類や電子機器を売ってNFTを購入したりできます」。

暗号資産とNFTの取引が「グリーン」に行われることが本当に希望のあることなのかどうかはよく考えてみる必要がある。

結局、暗号資産に使われるエネルギーコストそれ自体、地球に壊滅的な悪影響を与える要因のように見えなくもない。

例えばケンブリッジ大学が2021年行った研究は、1つの暗号資産(ビットコインなど)だけで、アルゼンチン全体の年間エネルギー消費量を超えていることを示している。

2021年3月に実施された別の研究によると、ビットコインはノルウェーと同じ量のエネルギーを消費したとし、ビットコインのCO2排出量はまもなくロンドンの大都市圏全体で生成される排出量に匹敵するようになると予測している。

要するに、ブロックチェーンベースの暗号資産(もちろんトランザクションを承認するためにプルーフ・オブ・ワークを必要とするもの)の悪名高い非効率性は、サステナブルとは程遠いものに思えるということだ。

しかもブロックチェーンはもっとひどいエネルギーの浪費に関わっている。すなわち、NFT(代替不可能なトークン)の台頭である。NFTでは、ブロックチェーンの上にデジタル収集品を取引するレイヤーを追加することで、エネルギー集約的なトランザクションが必要となり、そうしたトランザクションが促進される。

(ファッションやステータスシンボルとしての)NFTをめぐる現在の騒動と そうしたデジタル資産の小売取引、およびエネルギーを燃やして収集品ピクセルをシフトさせることで非常に手っ取り早くお金を作り出すことができるという提案によって、このエネルギーの焚き火にさらなる燃料が注入されている。

2021年、あるデジタルアーティストの分析によって、1つの平均的なNFTは、EUに住んでいる1人の人間の1カ月分の電力消費量に相当するCO2を排出することが示された。以前と同様、ユーザーにトークン化とモノ(または、デジタル収集品)の取引で忙しくするように促す機能を、どのような形であれ「グリーン」に稼働させる方法を思いつくのは難しい。

しかし、クピ氏はこの反論にもひるまない。

第一に、Twigが基盤としているブロックチェーンインフラストラクチャーは他のブロックチェーンよりもエネルギー効率が高いと同氏はいう。

「ブロックチェーン自体はテクノロジーとして環境に悪いわけではありません。ブロックチェーンにはさまざまな応用事例があります」と同氏はいう。「当社の基盤となっているHyperledger Sawtooth(ハイパーレッヂャーソートゥース)というブロックチェーンは、他のソリューションに比べてエネルギー消費量が極めて小さいという特長があります」。

「つまり、当社はエネルギーを大量に消費するソリューションの使用を最小限に抑えたいと考えています」。

また、Twigは内部のエネルギー消費量を計算して、環境への影響を数量化しており、対抗策としてカーボンオフセットの取り組みも行っているという。

さらには、大気圏からCO2を排除するプロジェクトも支援している。

ただし、個々のプロジェクトがどの程度実行可能で信頼できるものかは、まったく別の問題だ。

Twigは自社のエネルギー消費を最小化し、CO2排出量をオフセットしようとしているかもしれないが、それより大きな環境への影響が、二次使用つまり、TwigのユーザーとサプライヤーがTwigを利用した結果として発生する消費、エネルギー使用、CO2排出量によって起こる可能性がある。

こうした関連のある間接的な影響(サステナビリティレポートの用語でScope 3排出量と呼ばれる)を計算することは、企業の直接的なエネルギー使用を内部的に監査するよりもはるかに難しい。とはいえ、Scope 3排出量は企業のCO2排出量の大きな部分を占める傾向があることも確かだ。このため、そうした間接的な取引、排出量、影響をなきものとして片付けてしまうことはできない。

Twigは、カーボンオフセットによって商品の配送にともなうCO2排出量を相殺するなど、明確な姿勢でScope 3排出量対策に取り組んでいる。また、B Corp認証を取得しようという野心も称賛に値する。

しかし、Twigによって拡大も縮小もするかもしれない消費者需要やトレンドに基づいて、最終的に発生するエネルギーコストを予測するのは非常に難しい。

ユーザーに暗号資産を購入し、NFT取引を始めるよう促すことによってエネルギーコストが発生することは間違いない。そして、たとえTwigが中古品の流動性を高めることで、消費者が新品を購入する需要が低下し、新製品の実質生産量を削減することができるとしても、このような大量のエネルギー消費にともなうコストによって環境へのプラスの影響が相殺されてしまう危険がある。

とはいえ、支払いに使用できるものがこのように根本的に見直されると(あらゆるモノで支払いができる。トークン化された価値の世界では、理論上、消費者は実際のお金を使う必要がない)、消費活動の大きなシフトにつながり、循環経済に実際に目立った変化をもたらすことができる。その結果、数十年に渡る資本主義を特徴づける使い捨て消費の悪循環から抜け出すことができる。

別の言い方をすれば、(認証をサポートすることで偽物に対抗できる)ブロックチェーンベースのトークン化と(分散台帳インフラストラクチャによって完全な所有履歴を把握することで実現される)安定度の高い査定のおかげで、モノの再販時の価値をもっと確実に予測できるなら、消費者は、持っているモノを丁寧に扱う気持ちになるかもしれない。モノの寿命が維持されれば高い売値がつくからだ。そうなれば、世界の産業はそもそも現在の半分だけモノを作れば足りるようになり、資源の枯渇によって地球が機能不全に陥る重圧から解放される。

これには確かに一理ある。

あらゆるモノを売って極めて簡単に支払いができるようにすることでお金の価値が重要視されなくなることは、価値、所有、富に対する考え方を修正するために必要な最初の一歩になるかもしれない。

クピ氏は次のように説明する。「現金を使う代わりに、自宅にある不要になったモノを使ってNFTを買うことができます。例えば使わなくなった古いiPhone(アイフォーン)を売ってNFTや暗号資産を買ったり、体験を買うことができます。ニューヨークまでの旅行費用に充てたり、次回の職業教育コースの支払いに充てたりできます。つまり、Twigの目的は、市場の流動性を高めることです。人々が使わなくなった資産を売ることでその資産に新たな第二の命を与えることなのです」。

「当社の信念は、財布にも地球にもやさしい結果をもたらすことです」。

Twigのビジョンは自身を支払いプラットフォームに変えることです。ユーザーや顧客の代わりに物理的なモノを支払い代金に変えるプラットフォームです。

「現時点では、Twigは単なるB2Cプラットフォームに過ぎませんが、ゆくゆくはB2B2Cプラットフォームにしたいと考えています。将来的には、さまざまなプロバイダーの決済ゲートウェイとして接続する予定です」とクピ氏はいい「いくつかの大手小売業者」とTwigのインフラストラクチャへの接続を許可する契約を結んでいると話した(小売業者の名前は明かしていない)。

「当社がやろうとしているのは、要するに、富の定義の再発明です」とクピ氏は付け加え、お金の概念が大きく様変わりしていると説明する。「自分が所有しているものがすべてお金として扱えるとなると、富の見方も変わってきます」。

「富とは、従来の定義では、家や車など、大きな資産の価値です。しかし、たとえばワードローブの価値は通常資産の一部とはみなされません。我々はこれを変えたいのです。すべてのモノに即時の流動性があれば、モノを現金とみなすことができます。現金だろうとGGマーモントのハンドバッグだろうと違いはないのです。ポンドで何かを買いたい場合、現金でもハンドバッグでも使えるのです」。

Twigが普及すれば、決済の未来は今よりずっとビジュアルで物質的なものになる可能性があります。例えばeコマース決済ウインドウに鋳造しておいたNFTをドラッグアンドドロップして中古のiPhoneを購入する。

あるいは、限定版のナイキのシューズを売って、ずっと楽しみにしていた都市滞在型の春休みを取る。

ダイヤモンドで覆われたすばらしい宝石を売って高級不動産を買うといった具合だ。

若い消費者たちはコモディティ化された価値交換可能なモノの世界をすでに違和感なく受け入れているようだが、年配の消費者たちはどうだろう。クピ氏は、ブーマー世代やX世代が大枚をはたいて買ったモノを手放して支払いに充てるという新しいやり方に納得できると考えているのだろうか。

サイン入りの初版本や貴重なビニールのレコードが将来の決済方法の一部に取り込まれることになるだろうか。

「正直、その答えは私にもわかりません」とクピ氏はいう。「現時点では、Twigに対するZ世代の反応は極めて良好です。また、英国のミレニアル世代、我々がターゲットとしている20代の若者たちの反応も上々です。英国外の市場に進出した際には状況は変わるかもしれません」。

画像クレジット:Twig


【原文】

Twig, a London-based fintech targeting Gen Z and younger millennial consumers with an e-money account that gives them instant cash-outs on fashion and electronics they want to sell, has closed a $35 million Series A round of funding.

The investment is led by U.K.-based fintech specialist, Fasanara Capital, with additional backing from a number of undisclosed strategic investors which Twig says include current and former executives from LVMH, Valentino and Goldman Sachs, among others.

The startup was only founded in mid 2020 — launching its service in the U.K. last July — but it touts rapid domestic growth (100,000+ monthly downloads of its apps; reaching sixth position in the iOS App Store’s top finance apps); and is already gearing up for international expansion.

The Series A is pegged for launching in the U.S. (slated for Q1 this year) and the EU (Q2; where it’s eyeing Italy, France and Germany for starters), as well as expanding the product’s capabilities and feature-set with a focus on the buzz around web3 and digital collectables.

For now, Twig accounts are only available in the U.K. Founder and CEO Geri Cupi tells TechCrunch it has around 250,000 users at this stage.

He adds that the typical user is a 22-year-old, recently graduated professional female — perhaps with a bunch of stuff in her wardrobe that she’s outgrown and would be happy to resell.

Growth via user referrals looks likely to have helped fuel its early rise, given Twig charges users a £1 transfer fee for users to send money to a third-party account but there’s no fee if you transfer from one Twig account to another.

It’s also worth noting that despite having a marketing slogan which paints itself as “your bank of things”, Twig is not actually a bank; rather a Twig account is an “e-money account” — so there are key regulatory differences (such as Twig accounts not being covered by the U.K.’s deposit guarantee scheme).

Not being a full fat bank means the startup can scale faster into new markets, with lighter regulatory requirements on the service than if it needed to obtain a banking licence. For now it’s not in a hurry to turn into an actual bank, per Cupi.

In earlier decades, long before the internet- and open banking-fuelled fintech boom, legacy banks would pitch to get a new crop of school leavers signed up by offering freebies — like bags, stationery, music or other offers. Now fintech startups compete to offer the most appealing feature mix to net a target youth demographic.

But it’s fair to say that getting money into accounts remains a key aim.

That said, Twig is applying for B Corp certification which emphasizes social purpose and environmental performance, as well as transparency and accountability — Cupi says it’s in the final stage of the application; it has pending status currently and he anticipates getting full status in Q1 — while its PR pushes claims of sustainability and circularity, given that it’s plugging users into selling (rather than binning) their branded goods.

Its website also talks up its use of carbon offsetting and other initiatives to shrink environmental impact.

Thing is, in order for humanity to avert climate catastrophe, major reductions in global CO2 emissions are required — so, essentially, less consumption overall. Which does call into question the credibility of claims of “sustainability” being made to stretch around a concept of resale that risks fuelling increased consumption via instant valuations and cash outs, as Twig offers.

Selling a currently owned thing to free up cash might encourage the consumer to splash out and buy more new things than they otherwise would if they had held onto the original item for longer. Or, to put it another way, circularity needs to work hand in hand with longevity if it’s to shrink consumption and actually reduce CO2 emissions. And it’s not clear that reducing friction involved in reselling will lead to consumers buying less overall. On the contrary; it may do the opposite.

So that’s one potential wrinkle in Twig’s sustainability pitch.

However when we put this conundrum to Cupi he neatly irons it out — deploying a (somewhat circular) argument which states that Twig’s goal of increasing “liquidity” of secondhand things can work for sustainability and support reduced consumption by making more secondhand stuff available to buy — thereby reducing demand for new stuff to be made as more items (re)circulate through this (more vibrant) secondary economy.

“Essentially our core business is we enable consumers to get paid for their old items and in the process we give a new life to their items — and this increases supply in the secondary market at least,” he says. “The demand in the secondary market has been growing and growing. The reason we can afford just to be on the supply side of the market is there is such a bigger need for extra supply right now in the market. And when consumers get hat extra cash it doesn’t mean they’re going to use it to buy more things.

“This is from what we’ve seen from our users. Typically from the funds that are being transferred to Twig we see that roughly 42% of them get used for new experiences — that might be travelling, it might be… experience-led — so it doesn’t mean that if you increase liquidity you necessarily increase consumerization of things that have a negative impact on the environment. And that’s what we’ve been seeing so far.”

Cupi condenses Twig’s business to a very simple pitch: “We tokenize assets.”

“The way Twig works is you can upload — let’s say a Gucci Marmont handbag — on the platform. And what Twig does is it tokenizes that asset and offers you a price for it,” he explains.

“Our goal is to make this available externally as well. In that scenario blockchain becomes useful… We want to increase the liquidity of this asset and make it very easy for consumers to trade the physical goods for virtual goods and use the virtual goods to buy physical goods or experiences.

“So we just want to make it much easier for them to trade, essentially.”

Cupi has a background in blockchain and the circular economy — which has included, back in 2018, selling a denim upcycling business to Levi’s Albania.

Physical items that resell well include fashion from brands like Nike, Gucci, Chanel, Hermes and other luxury makers, according to a Twig white paper — which talks about “redefining the future of ownership” and “empowering Gen Z to live a circular lifestyle”.

Apple electronics also hold their value well on the secondhand market, per Cupi — who notes that after Twig added electronics to the secondhand items it’ll buy, expanding out from buying fashion cast offs, its demographic shifted from over 90% female to around 70:30 female to male.

Twig takes care of the resale of pre-owned items for its users — providing them with an instant valuation and (potentially) instant cash to spend on whatever they like if it’s happy to buy the stuff they’re selling. (It has a pretty specific list of what it will and won’t buy.)

Shipping the goods to Twig is free for the user — so by using its service they essentially skip the hassle and risk associated with manually selling their stuff on a second hand marketplace like Vinted or Depop. (Albeit, they may get less than if they sold the items themselves.)

If an item fails a quality check once it arrives at Twig’s warehouse the user is charged a fee to return it to them (and presumably any instant payment they got for it is also reversed). While if Twig ends up being unable to sell an item it will try to ensure the item is upcycled or recycled. If it is unsuitable for either preferred option it donates the goods to charity rather than binning them to avoid sending stuff to landfill because that’s bad for the environment.

Cupi says it’s in a growth-focused phase at present so is not seeking to make chunky margin on resales.

The value it’ll offer for an item varies, depending on various dynamic factors — its white paper notes that it uses a “market-based pricing algorithm” to analyze more than 100 million products on the secondary market to provide “representative resale values for brands, item categories and market segments”.

Core to its premise is that factoring in resale value changes the concept of total cost of ownership for the consumer — which may have the power to shift buying patterns (it could, for example, encourage consumers to opt for high-end fashion to get value longevity over environmentally ruinous and low resale value fast fashion, say).

Combining bank-like functionality — Twig accounts come with a Twig Visa debit card and include capabilities like the ability to make domestic and international money transfers — with a baked-in secondhand goods resale service is a pitch tailor-made for the target Gen Z and younger millennial demographic which has shown a keen and growing interest in both the thrift and sustainability of secondhand marketplaces.

Twig’s target demographic also explains its marketing being heavy on talk of environmental friendliness via circularity. (“Twig makes it easier and empowers you to adopt a more sustainable lifestyle,” is one claim on its retro-graphic-heavy website.)

Gen Z especially has been dubbed the sustainability generation — with these young consumers prioritizing “usage of goods over ownership”, as Twig’s white paper puts it.

So reimagining the function of a bank as an arbiter and exchange of resale value — enabling consumers to turn all sorts of stuff into, essentially, quasi-currency to pay for other things they want to have or do (a sort of high tech reinvention of barter if you like) — rather than as a literal store of financial value starts to look pretty interesting.

There’s another sustainability wrinkle to tackle, though — given how thoroughly blockchain is baked into what Twig’s doing.

While its tech has been built on blockchain from the start you’d be hard pressed to notice from the user-facing descriptions on its website. But its plan for the Series A risks throwing its Gen Z-friendly eco-sounding marketing right out of whack — as its PR seeks to tap into the raging web3 hype, with the launch of what it describes as “a first-of-its-kind Web 3.0 green payment infrastructure”.

This forthcoming functionality will enable users to “tokenize” real-world assets and “make them tradeable in seconds”, its release goes on, adding that: “Twig will enable digital and physical items to be monetized and traded in new ways. Such an approach will allow users to trade-in goods at the checkout page and buy crypto currencies as well as NFTs by trading-in their clothes or electronics.”

Quite how encouraging the trading of crypto and NFTs can be spun as “green” is an interesting question to ponder.

After all the energy costs of crypto can look like an extinction level event, in and of themselves.

For example, a study last year by Cambridge University suggested that just one cryptocurrency — Bitcoin — consumed more energy annually than the entire country of Argentina.

Another piece of research, from March last year, suggested Bitcoin consumed as much energy as Norway — with predictions that its carbon footprint would soon be akin to the emissions generated by the entire metropolitan area of London.

In short, the infamous inefficiency of blockchain-based cryptocurrencies — certainly those that require proof of work to validate transactions — looks anything but sustainable.

There’s even more wasteful energy usage being attached to blockchains too: aka the rise of NFTs (non-fungible tokens) which involve — and further encourage — the use of energy-intensive transactions by layering the trading of digital collectables atop blockchains.

The current hype around NFTs (as fashion/status symbols) combined with the retail trading of these digital assets — and the suggestion that hyper quick money can be made by burning energy to shift collectable pixels — pours yet more fuel on this energy bonfire.

Last year an analysis by a digital artist suggested that an average NFT could have a carbon footprint equivalent to a month’s worth of electricity usage for a person living in the EU. So, again, it’s hard to conceive of a way to spin features that encourage users to get busy tokenizing and trading their stuff — and/or digital collectables — as, in any shape or form, “green”.

Once again, Cupi is not phased by this counter argument, though.

Firstly he says that the blockchain infrastructure Twig has been built on is more energy efficient than some other blockchains.

“Blockchain itself is not bad for the environment as a technology — there’s different applications of it,” he argues. “In our case the blockchain that we built on top of — it’s Hyperledger Sawtooth — the energy usage is very, very small compared to the other solutions out there.

“So we try to minimize the usage of energy intensive solutions.”

He also specifies that Twig is calculating its internal energy usage to try to quantify its environmental impact and — at a minimum — it’s doing carbon offsetting to counteract this.

He says it is also supporting projects that are seeking to sequester/remove CO2 from the atmosphere.

Although how viable/credible the specific projects are is a whole other matter.

While Twig may be seeking to minimize/offset its own energy usage/carbon footprint, the bigger potential environmental impact is likely to be from secondary (for want of a better word) usage — aka, any consumption, energy use and CO2 emissions that Twig’s users and suppliers generate as a result of what its platform enables them to do.

Calculating those linked but indirect impacts — sometimes called “Scope 3” emissions, in sustainability reporting terms — is much harder than doing an internal audit of a business’ direct energy usage. Yet Scope 3 emissions also tend to comprise the biggest chunk of an organization’s carbon footprint. So you can’t just wish all those connected transactions, emissions and effects away.

Twig is clearly trying to tackle some of this — by doing carbon offsetting to cover the shipping of goods, for example. And its ambition to gain B Corp status looks laudable.

But it’s a lot harder to predict what sort of energy costs its platform may ultimately end up generating — based on the consumer demands and trends it might feed and/or drain.

By encouraging users to buy crypto and get into trading NFTs it’s clear there will be associated energy costs. And there is a risk that such intensive energy costs could end up erasing potential environmental gains (if Twig is able to turn increased liquidity of secondhand goods into a net reduction in manufacturing of new items via reduced demand from consumers to buy new).

But it’s also possible that such a radical reimagining of what can be used to make a payment — all sorts of items/things/stuff; in theory a consumer may not need to ever spend actual money in a world of tokenized value — could lead to substantial shifts in consumption that can actually move the needle on circularity. And move our societies away from the vicious circle of throwaway consumption that’s characterized so many decades of capitalism.

Put another way, if the things we have can be relied upon to more predictably sustain their value for resale — thanks to the help of blockchain-based tokenization (which can support authentication to combat fakes) and more stable valuations (based on knowing the full ownership history via a distributed ledger infrastructure) — consumers may be nudged to take better care of the stuff they have in order to preserve its longevity for better resale, meaning the world’s industries won’t need to make half so many things in the first place — lifting crippling systemic pressure on planetary resources.

It’s certainly a thought.

De-emphasizing money by making it much easier to make payments by exchanging all sorts of things might be exactly the kicker we need to rework how we think about value, ownership and wealth. And, indeed, planetary resources.

Here’s Cupi again: “Instead of using your own cash to buy NFTs you can use things that you have at home and don’t use anymore — for instance you might have an old iPhone that you don’t use anymore and you can trade that for an NFT or you can trade that for some cryptocurrency or you can use that to buy an experience — you can use that to buy a trip to New York or you can use that to pay for your next vocational course… So the whole purpose of Twig is to increase liquidity in the market and — essentially — to make it very easy for people to use assets that they don’t use anymore and give them a second life.

“That way our ethos is you can both do good to your wallet and to the Earth.”

The vision for Twig is therefore to turn itself into a payments platform — but one that translates physical goods into payments on behalf of its users/customers.

“At the moment Twig is just a B2C platform — but it’s going to become a B2B2C platform. So it will be connected as a payment gateway of different providers,” he says, noting that it has inked agreements with “a couple of big merchants” to be plugged into its infrastructure (he’s not disclosing which retailers as yet).

“What we’re trying to do — essentially — is to reinvent the definition of wealth,” Cupi adds, discussing how he sees the notion of money evolving. “So if everything that you own can be treated as money your perception of wealth also changes.

“The old definition of wealth is the value of your largest asset — the value of your house, the value of your car… But you don’t see as part of your wealth — typically — the value of your wardrobe, for instance. This is what we’re trying to change. And in that way if everything has instant liquidity you can treat your things as cash. It doesn’t make a difference whether it’s cash — or a Gucci Marmont handbag. If you want to buy something in pounds it’s then the same.”

So if Twig gets its way the future of payments might get a whole lot more visual and physical — maybe you’ll be buying a secondhand iPhone by dragging and dropping an NFT you minted into the ecommerce payment window.

Or posting off a pair of limited edition Nikes to score that sweet Spring city break you’ve been looking forward to.

Or, er, buying a chunk of prime real estate with some prize pieces of diamond-encrusted jewellery…

While younger consumers may already be comfortable with a world of fairly commoditized value tradable stuff, what about older consumers? Does Cupi reckon Boomers or Gen X can be convinced to start making payments by parting with things they’ve ploughed their cash into?

Are first edition signed books and prize vinyl pressings going to end up folded into the future payment mix?

“To be honest I don’t know the answer to that,” he says. “At the moment we’re seeing our product, Gen Z reacts very well to it. And also young millennials — so twentysomethings… that’s what we’re seeing — and in the U.K. It might be a different picture once we go to other markets as well.”

This report was updated to clarify that items Twig is unable to sell are only donated to charity as a last resort — it says it first seeks to either upcycle or recycle unsold items as part of its environmental commitment

 

(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

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