インテル、台湾MediaTekのチップを受託製造へ
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UPDATE Intelは米国時間7月25日、スマートフォン向けプロセッサーを手がける台湾のMediaTekとの契約を発表した。プロセッサー製造分野の主導的地位を奪還し、ひいては米国の生産能力を回復させることを目指すIntelにとって、大きな追い風となる。
今回の契約は、他社向けのチップ製造を手がけ、事業の劇的な拡大と転換を図る「Intel Foundry Services(IFS)」の取り組みを軌道に乗せる上で重要な意味をもつ。アジアのファウンドリーである台湾積体電路製造(TSMC)とサムスンが業績を伸ばす中、Intelは何年も製造上の問題で伸び悩み、その主導的地位を失った。
IntelとMediaTekの契約に関して、Tirias ResearchのアナリストKevin Krewell氏は「TSMCの緊密なパートナーであるMediaTekと契約する意味は大きい」と述べている。
今回の契約は、Intelにとってタイミングが良い。米国における半導体製造の重要性という、Intelが米国議会での可決を推進する「CHIPS法」の根幹をなす問題に注目が集まる可能性があるからだ。Intelは、520億ドル(約7兆900億円)規模の補助金が交付される同法案の成立に向けたロビー活動を行っており、それと関連して、同社が少なくとも200億ドル(約2兆7000億円)を投じて建設するオハイオ州の新工場の起工式を延期するなどしている。
IFSが成功すれば、新しい顧客によってIntelの製造量は大幅に拡大し、TSMCの巨大な製造規模に追いつくことで、ファブと呼ばれる新しい半導体製造施設の建設にかかる巨額費用が現実的なものとなる。
半導体製造の地政学的状況も変化しつつある。TSMCは台湾、サムスンは韓国の企業で、いずれも米国企業と良好な貿易関係を維持している地域だ。しかし、調査会社のTechInsightsが先ごろ、中国の大手ファウンドリー中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造したプロセッサーを分解し、同プロセッサーが新しい7ナノメートル(nm)プロセスによって製造されていると判定した。政府の大規模な投資にもかかわらず技術的に後れをとっていた中国の半導体製造にとって、これは大きな進歩だ。
「中国のSMICのファウンドリープロセスは、欧米のどの企業よりも進んだ市販のプロセッサーを市場に送り出している」と、業界ウォッチャーのDylan Patel氏は、TechInsightsの分析レポートから結論付けている。